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先週の金曜日に福井からやってきたその道では人間国宝なみと思っている大先輩から、おみやげもらっちゃいました。福井の日本酒「白龍 てきてき」です。 冷蔵庫に入れてたので、最初は冷えた状態で。 辛口だけど甘い。始めの一口は、そんな矛盾してるけど単純な印象だったのですが、徐々に温度が戻ってくるにつれてほどけてきて、旨みが現れてきました。フルーツとしては桃に近いかな。確かにウィスキーならグレンリベット風です。 辛口というのはこってりしていないという意味なんでしょうか、とてもナチュラルです。吟醸酒という表記はありませんが、精米歩合60%ですので、たっぷり削られており、ほんのりとメロン風味も感じられます。ほどよく酸味もあります。 美味いですよ、この酒。触感も香りも味も柔らかくって、ほっこり炊かれたご飯みたいです。コシヒカリじゃなくてどちらかというとササニシキ。 ばか言ってんじゃねー、山田錦100%だ。 でも、山田錦のご飯は食べたことないからねー。 僕は実は日本酒にはさほど思い入れはないのですが、これはとっても好印象です。個性を売りにしているのではなくて、単純に美味しい酒を造ろうとして造った酒だと思います。 裏ラベルに、おすすめは常温か37-8℃のぬる燗って書いてあったけど、僕としては25-30℃くらいのヌルヌルをお勧めします。もしどこかで見かけたら飲んでみてくださいね。 ちなみに手前にあるおかずは、冬瓜です。冬瓜って夏の食べものなのになんで冬瓜なのかな。あなたの色に染まりますっぽいみずみずしさが魅力的で、夏野菜っていったらナスか枝豆か冬瓜だろうってくらいに大好きです。 かみさんの味付けはモツ煮風だったので七味があいました。もちろんこの酒との相性もばっちりです。っていうか、この酒は、つまみを選ばない酒だと思います。 こりゃ久々に好みの日本酒だななんてニヤニヤしながら飲んでいたら、かみさんが「どれどれ私も」といってグラスを出して注ぎ始め時は、待て待て~っっっ、と心の中で叫んでしまいました。そのテレパシーが通じたせいか、二口ほど飲んで「ふ~ん辛口だな、うまいけどまあまあ」な程度だったようでホッと胸をなでおろしました。かみさんとは、多くの分野で意見や好みが食い違っているので、こういう時にはとても助かります。 2.5合くらい飲んでしまったので、残りの1.5合は明日の夜のためにとっておきます。明日も楽しみだなー。
2011年07月27日
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一泊で神戸に行ってきました。 本来ならば、うらんかんろさんに連絡すべきですが、神戸に着くのは夜だし、朝は早くからセミナーの講義なんてプレッシャーな仕事があるし、体力的にも精神的にもとてもBAR巡りは無理だなあ、と思って今回は断念。ごめんなさい。 ポートピアホテルに着いて、風呂入ってビール飲んで寝ようかと思って冷蔵庫のビールの値段を見たら650円。 ええ~っ、山より高い。 それならやっぱりBARで飲む方がいいなと思って2階のバー・レスタカードに行きました。 ひとつあけた隣の男性二人もどうやらセミナーに参加する同業者です。奥のボックス席で騒いでいる団体も同業者らしい。あ~あ。同業者に知人・友人が少ないので、知らんぷりしてスティンガーを頼みます。 スティンガーはブランデーにミントを加えたカクテルです。いつものLVに比べると、ブランデーがおとなしくてミントが爽やかで軽やか。これも美味しい。一杯飲む不思議と元気が出てきます。 そのあと懐かしいグレンゴイン。僕がシングルモルトに目覚めたころ、確か二本目か三本目に買ったのがグレンゴインでした。ちなみに最初に買ったのはグレンモーレンジです。 文房具好きな僕にとって、グレンゴインの鉛筆削り香がとても印象的だったのを覚えています。おぅ、やっぱり鉛筆削り。それに蜂蜜とかオレンジピールのケーキ。 グレンゴインを飲んでいると、隣の二人の知り合いらしいおっさんが間に割り込んできました。どこで飲んできたのかすっかり酔っ払ってベロンベロン。ジントニックなんて頼んだはいいけど、全く手をつけずに寝てしまいました。 黙ってそのまま寝てればまだいいものの、時々むくっと起きては回らない口でチンコがどうのと連発します。よほどチンコに思い入れがあるようです。 これが同業者と思うととても悲しいです。明日は、仕事関係の講義よりも、どのように酒と向き合うかというテーマで話をした方がずっとためになりそう。 それと同時にとても恥ずかしい。たぶん僕も昔は似たようなものだったと思うので。みなさまは、明日の講義では二日酔いでグーグー寝ててくださいね~。 久しぶりのウーガダールを飲んだあと、そういえば神戸は勝海舟の海軍操練所があったことを思い出して、奥のテーブル席へビール運んだり水割り作ったり忙しそうなバーテンダーをなんとか捕まえて、プリマス・ジンを注文しました。 神戸に来たからには何か神戸らしいものを飲みたいと思っていたので、これは我ながらいい思いつきです。 アンゴスチュラ・ビターズが好きだった友人を偲んで、アンゴスチュラをリンスしてもらいました。そういえばレモンハートの常連のメガネさんも何巻目だったかでプリマスを飲んでましたよね。確かイギリスに行ってた時、よく一緒にプリマスを飲んでいた同室の男に何か盗まれて、何年もたってから手紙だか小包だかが届く話じゃなかったっけ。メガネさんとまっちゃんのように、長く一緒に飲みたかったなあ・・・。 さあて、まだまだ盛り上がっている恥ずかしい同業者達を残して、会計してもらいましょう。店の人は、回りがうるさくて気を悪くしなかったか気にしておられましたが、僕自信としてはとてもいい飲み方ができたので大満足です。 部屋に戻りあっという間に爆睡。こんな熟睡は久しぶりってくらい眠れたおかげで、今朝は6時に目がさめ、せっかくだからと埠頭まで散歩に行きました。朝はまだ海風が気持ちよく、神戸の街の先には六甲の峰々も見えてます。次回こそは、海軍操練所跡に行き、六甲山に登り、夜の神戸の街も歩きまわりたいな。
2011年07月24日
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昨夜は、年に一度の浴衣を着てかみさんと一緒に熊谷うちわ祭りに行ってきた。 ベビーカステラ、かき氷、ドネルケバブに富士宮焼きそば、もちろんお好み焼きやたこ焼き・・・屋台を眺めながら山小屋値段のビール片手にだらだら歩く。 途中で、娘のグループにも遭遇。去年は、部活で足を骨折して、買ったばかりの浴衣が着れなかったからね。2年分楽しんでるみたい。 帰る途中にいつものLVに寄って、この季節限定のスイカマティーニを飲みむ。また1年経ったんだな。友人が死んだのはちょうどこのお祭りの直前。もう3年になるから、強い感情の津波は来なくなったけれども、フライングカーペットとかジェットコースターとかで感じるのに近い内臓の違和感はよみがえる。 かみさんは、桃のフローズンカクテルなんぞ飲んで、酒の味が全然しなくて美味しいなんて言っていた。酒の味の全くしない酒が美味しいはずはないんだが。
2011年07月22日
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今日も4時起き、朝日がきれい。 昨夜は雲に覆われていた大天井も朝にはすっきり晴れ渡っていました。山頂まではごろごろの岩場を登って10分です。雲海から登る御来光を眺め、振り返るとピンクに燃える穂高、槍の上にはまんまるのお月さま。うーん、ステキっ! 日が徐々に高くなるにつれて、朝と夜との境界ラインが下がっていきます。影は今いるこの大天井の影です。 今日は最終日。燕岳を経由して、中房温泉に降りて、風呂に入って帰る予定です。 大天井から降りて大天井ヒュッテからの道との交差点で、みたことのある人が立ってました。あれっ、京・晴夫妻じゃありませんか。昨日別れる時に、明日も会えるといいね、なんて冗談のつもりで言ってたのが、ほんとに早朝から会えちゃうなんて楽しい偶然だね。この日も、燕山荘でほんとのお別れをするまで、越したり越されたり、一緒に歩いたりできて楽しかったですよ。 途中の大下りの頭という景色の良いところで、休憩がてらに絵を描きました。槍ヶ岳とそれに続く東鎌尾根、大天井、さらに今日降りてきたここまでの尾根道。すべてが見渡せます。 ああ、名残惜しいなあ。山を歩いていると、苦しくてもう来なくていいやなんて思うこともあるけれど、いざ降りる段になると、降りたくなくなります。 北アルプスは、今まで登ってきた低山とは景色がまるで違っていました。山は高く谷は深く空は広い。雪渓がいたるところに残っていかにもアルプス的な雰囲気を盛り上げています。 「北アルプスは、八ヶ岳や富士山ともまるで違う、一度来たら止められない」誰かが言ってました。僕は八ヶ岳も富士山もまだ出会ったことはありませんが、「北アルプス、君に決めたっ」ってくらいに惚れました。 燕山荘にたどりつくとビックリ。5-60人くらい小屋の前で休んだり、話したり、おやつを食べたりしています。すでにテントが10張以上張られています。燕岳を見上げれば、ぞくぞくと人が登って降りてきます。さらにひっきりなしに燕山荘に向かってグループ登山者が登って来ます。合戦小屋も大混雑で、種が飛ぶほどスイカが売れてました。 混雑時の山小屋では一畳に二人寝ることもあるって聞いてたけど、今夜はそんな感じになるのでしょうか。おぞましい光景ですね。そんな混雑も台風の心配もなく過ごせてナイスなタイミングだったなあ。 右手の傷もずいぶん癒えて、左手のプロトレック周辺は皮がむけてきました。
2011年07月22日
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今日は槍ヶ岳の東鎌尾根を歩いて大天井岳(おてんしょうだけ)に行きます。スタートとゴールの標高差はさほどないので、比較的のんびりした尾根歩きかと思っていましたが、さにあらず。アップダウンの激しいコースで大変でした。 15kgのザックを背負っての梯子や鎖は、バランスをくずすと後ろにひっくり返りそうになって怖いです。スリルが面白いなんていう人もいますが、僕は不得意。 しばらく進んで振り向くと、今まで歩いてきた東鎌尾根とそれに続く槍ヶ岳。そして進行方向の尾根沿いに大天井。さらには尾根は常念岳や蝶ヶ岳へと続いている。山にいる実感をかみしめます。うれしいのかうれしくないのか、よくわからない。ただ、山にいるんだなーって。 この日は、昨夜ヒュッテ大槍で一緒になった若夫婦と同じ道を越したり越されたりしながらの山歩きでした。心の中ではずーっと京一郎・晴美夫妻と呼んでました。ちょっと雰囲気が似てるんですよ。すれ違うたびにあいさつしたり、少しおしゃべりしたり。同行者がいるのは心強いですね。 14時までキャンプ地の大天荘に着いて、ランチタイムメニューのナン&カレーを食べるのが目標でしたが、どうも間に合いそうにありません。直射日光がぎらぎら、暑くて暑くてばてばてです。しかたなく少し手前の大天井ヒュッテで休憩。300円のアイスクリームがうまかったこと。 アイスを食べ終わって絵を描いていると、京・晴夫妻が追いついてきました。彼らは、今日はここに泊るのだそうです。熱中症に気をつけてがんばってね、なんて声をかけられて、山頂に向かってぜーぜー登りました。 大天荘に着いてまずは500円のビール。5,6種類くらいから選べるのがうれしいね。それじゃあ、久しぶりにキリンラガーをいただきましょう。 テント場は、平らでペグも打てて、快適でした。この夜は10張くらい張られていました。水は200円/1リットル。貴重な水です。トイレはここでも同じぼっとんで、紙は落とさず屑かごへ、手洗い水はなし。夕方になると雲にすっぽり覆われてしまい、夕焼けどころか360度真っ白、山頂へは明朝登ることにしましょう。
2011年07月20日
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連日の4時起床。でも早寝だし爆睡しているから睡眠不足感はありません。窓から外を眺めれば、明けかかっている空は深い青紫。フリース羽織って外に飛び出しました。 寒さに首をすくめて貧乏ゆすりしながら、雲海の水平線が輝きを増すのを眺めます。 モルゲンロート(朝焼けのバラ)。穂高の峰々がサーモンピンクに染まります。特に、白いはずの雪渓がピンクに染まっているので、全景がピンク化しているのが明らかです。刻々と色は変化し、影と光のラインが移動していきます。美しいという言葉は陳腐だけど、でもやっぱり美しい。 太陽は、今日登る予定の大天井岳(おてんしょうだけ)の上から登ってきます。大天井に向って続く東鎌尾根のルートがくっきりと見渡せます。これから大天井に行くんだっけ、そうなんですよ。じゃあ、明日の朝は雲海から登るご来光が見えるね。ですね~、楽しみだなあ。 槍とその北鎌尾根が朝日を浴びて凛と立つ姿はなんて気高いのだろう。 憧れのアーベングリューエンとモルゲンロートの両方に出会えてホントに良かった。 これを見たら死んでもいいような気がするし、逆に何度も飽きるまでみたいからなかなか死ねないとも思いました。そんな気持ちと関係なく数時間後に滑落して死んじゃうかもしれないのにね。17日はトモダチの命日だし。帰ってから彼にみやげ話をできないのがちょっと残念に思いました。 それじゃあ、また、いつかどこかで会えたらいいよね。朝食を終えると、ポツリポツリそれぞれのルートへ出発です。
2011年07月19日
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ヒュッテ大槍に泊まっていたのは10人ほど。僕を含め半分は単独者でした。 知らないもの同士なので会話もはずまぬ静かな夕食です。みんなそれぞれを尊重しましょう的な距離感を保ったままの食事。食事には一杯の軽い白ワインが供されていましたが、ワイン一杯程度じゃ打ち解けられやしない。 左隣の男性は部屋でも隣の布団。なんだかぶっきらぼうだし、部屋では道具を散らかしっぱなしだったし、ちょっと苦手なタイプだなあ。 食後には、みんな夕焼け(アーベングリューエン)を見に外に出ました。 僕は、まだ日没には時間がありそうなので、独りでもう一杯飲むことにします。数種類のシングルモルトウィスキーが飲めるらしいというのも、実はこのヒュッテ大槍を選んだ理由のひとつだからね。 ボウモアをいただきます。チェイサーが付いて一杯600円です。なに、このリーズナブルな値段。いつものBARで飲むより安いし。ボウモアはゲール語で「大いなる岩」という意味です。ボウモアを飲んで槍ケ岳登頂を祝えるなんて、なんてステキなんでしょう。 そろそろ日没が近いので、僕も外に出てみました。 南東の方角に見える常念岳の頭上には、積雲とピンクの笠雲がかかっていました。雲の下では雷光がピカピカしています。その右肩には14番目の月。 わーっ、ステキだあ。ここ数十年で一番にステキな夕焼けかも。 明日行く大天井はどれなんでしょうかね。それは北東のあのピーク。ここからそれに続く尾根が東鎌尾根。えー、あんな遠くまで歩けるんだろうか。遠くに見えても歩いて行くと行けちゃうのが不思議。あの北に続くナイフリッジが北鎌尾根ですか。北鎌って、あの加藤文太郎が死んだところですよね。そうだね、北鎌の反対面で遭難したらしい。 きれいだねー、ステキですねー、すごい景色だね。 西では穂高のピークが夕陽を浴びて燃えています。あの輝いているは北穂?その先に見える階段は前穂の1峰、2峰、3峰、4峰、5峰。奥穂はどれですか、北穂の後ろに隠れてるみたい。 私は月明かりに光る槍を撮りたかったんですよ。ああ、それもステキですねー。月夜だから星が少ないのは残念。あ、あれは北斗七星?ということはあれが北極星。まさにコンパスのように北を示している。 なにもかもがステキ。 圧倒的な光景にみんなの波長が自然にシンクロして、無意識のうちにファミリア~になってました。 小屋に戻ってきて、さっきの静かな夕食とはうってかわって和やか気分。持ってきた自作絵はがきをみんなにもらってもらい、グレンリベットを一杯おごってもらいました。別な方からは持参のハーパーも少々ごちそうになりました。ぶっきらぼうで苦手と思っていたお隣の彼も、実は同郷だということがわかってすっかりお友達。 テントで独りもいいけど、たまには山小屋ってのもいいもんだなあ。 今回の記事ではステキを連発してしまいました。実際の夕焼けの時には今日の何倍もステキを連呼してたような気がします。9時消灯。
2011年07月19日
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槍ケ岳山荘で1000円のラーメンを食べて、いよいよ槍のてっぺんを目指します。ここへ来るまでは、僕はピークハンターではないのだから、登頂しなくたって別にかまわないなんて思っていましたが、目の前にあれば登らずにはいられません。そりゃ当り前ですよね。 はしごの下で、白いチューリップハットのおばさまが座って休んでいました。旦那さんが登っていて、彼女は怖いのと疲れたのと、必ず無事に帰ってくるように子供たちと約束したからという理由で登頂を断念したのだそうです。でも、あなたは若いんだからがんばって登ってね、と励まされました。たいして年も違わない気がするんだけど。 どの岩をつかみ、どこに足をかけたらいいのか迷います。山荘には頻繁にヘリが荷物を運んできます。そのたびに風がキャップを飛ばしそうになります。ドキドキ、ドキドキ。鉄の杭をつかんで登るところが一番怖かったー。もう、ガストン・レビュファな気分。 怖いものみたさで下を見ると、うわーっ、ありえねー、これってマジすかマジすか? 最後のはしごを登ると、唐突に青い空しかなくなり、ヤッホーッ!! 来たーっ、ヤッター、槍ケ岳バンザーイッ!! 思わず叫ぶと、先に登っていた人がお疲れ様~と声をかけてくれました。僕も次に登って来た黄色のおじさんに、おめでとう~~っと祝福。 山頂から見渡す景色はもう筆舌に尽くしがたいものです。今まで登って来た雪渓、アルペン踊りがホントに踊れそうな小槍、加藤文太郎が最期を迎えた北鎌尾根、穂高へ続く尾根はヤリとホタカでヤッホー尾根か、そして明日歩くはずの東鎌尾根。 意外でしたが、下りは登りよりも恐怖感はありませんでした。槍ケ岳山荘にもどって一服し、ヒュッテ大槍までの30分は、ヨーッホヨーッホレヒホーッとハイジの歌を口ずさみながら時々振り返って槍の姿にうっとりしながら、愉快に下りました。
2011年07月18日
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槍沢のキャンプ地で岩に座って朝ごはんを食べていると、下からぽつりぽつりと人が登ってきます。おはようございまーす、なんて挨拶しながら、だんだん僕も早く登りだしたい気分になってきました。まだ朝露で多少濡れているテントをたたんで、6:50分ころに槍ケ岳に向かって出発しました。 今日は、槍沢を北西に向かってどんどんのぼり、宿泊予定のヒュッテ大槍によってザックを降ろし、軽装で槍アタックの計画という計画です。 しばらく進むと、東鎌尾根の左端に、尖った岩が見えてきました。あれ?もしかしたらあれが槍ケ岳山頂ではないだろうか・・・。休憩していた人に聞いてみたら、違うよ、槍はあんなにちっこくない、だそうです。残念。 途中の雪渓は、気温が高いのでアイゼンがなくてもザクザク歩けます。そのつもりでアイゼンなんて持ってきてないし。雪渓はやや涼しいのですが、紫外線はすさまじそうです。サングラスなしの人がたくさんいるのが驚きです。1,2時間おきに日焼け止めクリームも欠かせません。 さっき、あれが槍かどうか聞いた人と、越したり越されたりしながらの登りです。振りかえると左に赤沢山、左に横尾尾根、その間に挟まれた槍沢雪渓。ステキな光景に何度も何度も振り返りながら登りました。 9:00に天狗原分岐。再び山道を歩きます。途中の沢でジャブジャブ顔を洗って、ついでにすくった水を頭にもかけます。あー気持ちいい~っ。あっと言う間に乾いちゃうけどね。 雪渓をトラバースして見上げると、あ、あ、あー、あれこそ槍だっ!始めてみるけど、間違いないよ。ちょうど、さっき聞いた人が追い付いてきたので、あれは本物ですよねー、と確認したところ、はははと笑いながら、うん、本物だよって。 やったー、槍見たー。 彼を含めてほとんどの人は雪渓を直進していきます。僕は北側のお花畑のつづら折り。道は良くないけれど、気持ちが高揚しているから全然へっちゃらです。 ヒュッテ大槍に着いてザックを降ろし、サブザックに水とスケッチブックなどの小物だけ入れて、意気揚々と槍を目差しました。 このルートはいわゆる東鎌尾根の最終パートです。岩だらけのルートを慎重に歩きます。そしてときどき立ち止まっては槍の鋭い穂先を見上げます。ほんとに槍が目の前にあるんだなあ。パブデ感激!!
2011年07月18日
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火曜日、新宿発の夜行バスで上高地に向かいました。 バスは4列シート。お隣の人は大男だったので足が長くてこっちのテリトリーにはみだしてきます。シートは倒そうと思えばフラット近くまで倒れるのですが、後ろの人に気兼ねしてしまい、あまり深くは倒せません。結局ほとんど眠れませんでした。3列シートのバスとは大違いです。 上高地に着いたのは5時半。空の下半分はまだ霧がかかっていましたが、上半分はきれいな青空です。バスターミナル二階の食堂で朝定食を食べて、6:50に梓川の清流の音を聞きながら歩きだしました。 半袖だとやや寒いくらいの爽やかさで、気分も高揚していましたから、睡眠不足も荷物の重さも全く気になりませんでした。 連休前なので、歩いている人もまばらです。 上高地も初めてなので、河童橋から見る山々の姿、梓川の透明感、そしてまっ青な空、なにもかもがステキで独りでニヤニヤしながら歩きました。 嘉門次小屋を通り過ぎ、8:33に明神橋を渡ります。のんびり歩いているので、予定より遅れ気味です。明神を過ぎたすぐあとに、サルとすれ違いました。やあ、おはようっ、と声をかけたけれど、彼は返事もせずに通り過ぎて行きました。 徳沢では、ちょうどペースが同じくらいの年上男性2人と少しお話しました。このあたりには何度も来ているベテランのようで、今回は涸沢ヒュッテに泊まり北穂へ登る計画だとか。僕は北アルプスは初めてなんですよっていったら、北アルプスはいいよー、ぜひ楽しんでってねっと言われました。はい、もちろん、ばっちり楽しんでます。 横尾では、橋をバックにシャッターを押してあげました。ここで彼らとはお別れです。じゃあ、がんばってね、と元気に手を振って橋を渡って行きました。僕はいつも独りなので、仲のよさそうな二人がちょっとだけうらやましい気もしました。 僕は北上を続けます。横尾を過ぎると急に人が少なくなって、槍沢ロッジまでは2人に越され、1人を越しただけ。表情を様々に変える梓川に沿って、なだらかな山道を黙々と登っていきます。坂はさほど急ではないのですが、日が高くなるにつれて気温も上昇し、汗がじわじわ湧いてきます。 12:48、槍沢ロッジ到着。テント泊の受付をします。さわやかなバイトのお嬢さん。ほっと気持ちもなごみました。 受付ついでにここでお昼ご飯にしました。ラーメン一杯1000円です。器の縁までなみなみと濃いスープが満たされ、沈んだ麺がほとんど見えません。どこかの沼でもイメージして作られたのではないかと思うほどです。食べてみると、意外に美味しかった。ちなみに槍ケ岳山荘で食べたラーメンも汁が多量だったので、それが山のラーメンの標準なのかもしれません。 水も無料なのでがぶがぶ飲みました。ここから30分ほど上のキャンプ地でも水は豊富らしいので、ここで補給はしません。 梓川に沿ってどんどん登り、ババ平キャンプ地に到着したのが14:57、30分と言われたけど、1時間もかかってしまいました。ふぅ、暑い暑い。 テントは僕を含めて3つだけ。水は梓川からひいたものらしく、ホースからジャバジャバ流れています。んーっ、冷たくておいしいっ。 ブヨはいるにはいるけど、雲取山の億分の1だし、性格も雲取のような凶暴さやしつこくさはなくてずっとお上品。とてもいいキャンプ地です。 トイレは木の電話ボックスみたいな箱が一つ建っていました。 ここは東西両面を高い崖にはさまれているため、日が落ちるのは早く、日が出るのは遅く、残念ながら夕焼け(アーベングリューエン)は味わえませんでした。しかし、これから向かう梓川の上流、槍ケ岳の東鎌尾根を遠くに眺めることができます。明日はあのあたりに行くのだなあ、遠いけれど現実感のある距離です。 月夜なので、星空は望めません。簡単な夕食を済ませ、8時過ぎに就寝。睡眠不足だったせいか、テントでは珍しくぐっすり眠れました。
2011年07月18日
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北アルプスで過ごした3泊4日の夏休み。ここ10年で最もステキな夏休みを過ごせました。 左手。 あまり激しく日焼けしたくないから2時間おきくらいの頻度で日焼け止めクリームを塗っていたのですが、相棒プロトレックのバンド付近は塗り残したらしく、見事なグラデーションになってしまいました。 右手。 もう残り1時間という小学生の遠足なみのなだらかな下りで、山のお兄さん気分でハアハア登ってくる人達に挨拶しながら歩いていた時にずるっと滑って転倒。さほど激しい転倒ではなかったのですが、手をついたところに木か岩か人工物か何か鋭いものがあったらしく、グサッと切ってしまいました。 3cmくらいの長さなんですが、けっこう深くて、血がドロドロ止まらなくてあせりました。こりゃ縫わないと止まらないかも。 手ぬぐいを裂いて左手と歯を駆使してぎりぎりしばり止血。 登って来た山ガールが、大丈夫ですかぁカットバンあげましょうか? ありがとうございます。でも大丈夫、僕もカットバン持ってきたんでー(カットバンじゃ役に立たんし)。 ふもとの中房(なかぶさ)温泉立ち寄り湯に着いてほどいてみると、手ぬぐいは血だらけでしたが、なんとか血は止まっていました。 温泉の受付のお兄ちゃんに、近くに診療所とかないですかねー、って聞いてみたけど、穂高の町にいかないとないそうです。 しかたないから、処置します。 痛みに呻きながらトイレの水道で洗い、ギザギザでビロビロな皮膚の一部を裁縫セットのハサミで切り取っていると、受付のお兄ちゃんが、何か手伝いましょうかって。いい人です。 そのあと、救急セットの中の密着ハイドロコロイドパッドを貼って処置完了。これで水に濡れても大丈夫なので、温泉入ってガシガシ頭を洗いました。 24時間たっても感染の兆候は全くなく、明らかに傷は治癒に向かっています。転んだのは油断や早く風呂に入りたいという焦りが原因だったかと反省しています。逆に適切な処置ができたことに自信を深めてもいます。 山登りには何が必要で何が不必要なのか、登ることで学べることがたくさんあります。 実は、今回のルートで最もきつかったのは、夜に熊谷駅に帰ってきてザック背負ったまま直行したLewisのライブのボーカルの女性の太股のまぶしいことまぶしいこと、Lewisの転げ落ちそうな急な階段、帰宅の信号待ちでズシリと食い込むザックの重さでした。たかが10分程度の家がなんて遥か遠いのか。 寝静まった我が家、そーっとドアを開けたとたんに潤がダダダとやってきんました。顔をペロペロ。おかえりーっ、ただいまーっっ。 次回の報告は、旅の一日目に戻ります。一日目はこんな行程です。
2011年07月17日
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金曜の夜は職場の暑気払いでした。生ビールを2杯とワインを4杯ほど飲んで、お開きとなり、ほろ酔い加減でとぼとぼと独りでLewisに行きました。久しぶりです。 カリラを飲みながら珍しく饒舌に山の話などして、七夕の短冊書いてきました。 昨日はいつもよりゆっくり起きて、ベルクへ行って、さとうのご飯やレトルト食品などを買い、炎天下に歩いてウエルシアへ行って虫よけスプレーや救急セットの補充などを買い、昼過ぎからは羽生のイオンに行ってモンベル商品を眺め、向かいのスポーツオーソリティで半袖と長袖のシャツを買いました。来週の北アルプス準備もばっちりです。 酒屋に行ったらCaleraのピノが置いてありました。3000円ちょっと。うーん欲しい、でもどうする??悩みに悩んだ末に、カレラじゃなくてカリラでもなくてラフロイグの10年を買っちゃいました。 今、さっそく飲んでます、へへへ。 牡蠣食えば 殻が鳴るなり ラフロイグ パブデ・ピカソ 一枚目は数年まえにLewisで描いたカリラ18年。下手くそだから没にしてた絵なんだけど、こんなときに使えるとは。 二枚目は最近飲んだカレラのシャルドネ。キリキリシャルドネとまろやかシャルドネのいいところを絶妙にバランスした旨みなシャルドネだったよ。 今日も朝からいい天気で、昨日に続いて熱中症警報が発令されそうですね。
2011年07月10日
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海江田もやめちゃうらしいね。みんなそれなりにがんばっているんだろうけど、今はすさんだ世の中なので、よくがんばってるな、この調子でガンバレッ、なんて言ってくれる人は誰もいないのだ。そうしたら、みんな嫌になっちゃて投げ出したくなるよね。 そういう世の中で育った子供たちは、そんな批判ばかりするおとなになっちゃう気がする。 暴力で育った子は暴力で解決することを覚える。優しさの中で育った子は人に優しくすることを覚える。そうじゃなかったっけ?この批判の連鎖をどう断ち切るかが最大の課題なんじゃないかと思う。 全く意味もなく森ハイ。飲め飲めって言われるともういいって気がするし、お前はもう飲んじゃダメっていわれるともう一杯飲みたくなる。それも同じ??いや、これは何か違うだろ。 まずい酒を飲むともう帰ろうって気になる。旨い酒を飲んだら、財布は寂しくても、もう一杯飲もうって思う。これは間違いなく同じ。
2011年07月08日
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山歩きに夢中だと言うと、最近はお酒の方はやめたの?と聞かれることがあって驚かされる。そう聞く人は、酒・タバコ→不健康、山歩き→健康、という概念があって、健康と不健康は水と油なのかもしれない。 酒、やめるわけないじゃん。 トレッキングは土日であって、もともと土日は外で飲まない。外で飲むのはほとんど平日だ。だから、平日の酒ライフはほとんど変化ない。 テント泊だって必ず酒持参。 酒の絵も実は描き続けているんだが、さすがに色をつける時間が足りなくて、白黒のままのが増えてきた。その中で色を付けたものを一枚。 なんでこれを選んだかというと、トレッキングと酒は、あいいれないものではなくって、相補的というかひきたて合うというか、それはもう岩牡蠣とラフロイグのような関係だと思うからだ。 ラフロイグやボウモアは、岩牡蠣の旨さをひきたてる。いや、むしろ岩牡蠣がスモーキーなウィスキーをより美味しくするつまみと言える。 ワインとチーズだってそうだ。ワインだけ、チーズだけでも美味しいけれど、一緒だとさらに旨い。 ワインもチーズもウィスキーも牡蠣も、体にいいとか悪いとかなんて関係なく、旨いから口に入れるのだ。 トレッキングのあと自然の中で飲むワイン、テントの中で飲むウィスキー、帰ってから山では決して飲めないギムレットやサイドカーなどに舌鼓を打つこと、ロックの氷をカラカラ揺らしながら来週の山に思いを馳せること、切っても切れない楽しみだね。 んー、確かに絵の方は腕がなまっているかもしれない。間抜けな構図だし牡蠣の絵は間違いなく去年より下手だな。
2011年07月07日
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