After22

前十字靭帯(ACL)再建

  • はじめに


  • 以前の僕は過去に大きな怪我や病気をしたことはなく、
    自分の年や技量を省みずに、スポーツや趣味を満喫する日々を送っていました。

    しかし、ある日起こったACL損傷という事件(と呼べるぐらい自分の中では大きかった)により、
    そんな生活は一変とまではいかないですが、方向修正しなければならなくなりました。

    もちろん、良くないことばかりではありません。
    怪我をしたのがきっかけで、 Visselサポになり
    そして、 このブログを立ち上げることになった のですから。

    しかし、怪我をした当初は情報量は多いながらも、
    求めている情報が意外に少なく、どうしていいか分からなくて悩んだことは事実です。

    ここでは、「同じような境遇にある人達に少しでも役に立てたら」と考えて、
    自分自身の体験記を少しずつUPしていきます。

    将来のスポーツ復帰を目指す「自分自身」への励みの思いを込めて・・・

  • 「前十字靭帯(ACL)」って?


  • 膝には足の内側に1本、外側に1本、
    膝の中に交差(十字)して2本、の計4本の靭帯があります。

    この4本の靭帯のうち内側の靭帯を内側側副靭帯、外側の靭帯を外側側副靭帯といい、
    膝の左右の安定性を支える機能を持っています。

    「前十字靭帯(ACL)」は交差している2本の前(上)側の靭帯で、
    膝が内側に回りすぎたり、前に出すぎたりするのを抑える機能を持っています。
    非常に重要な組織ですが、他の靭帯よりも損傷することが多いようです。


  • 「前十字靭帯(ACL)損傷」って?


  • 急激に膝を捻ったり、ストップしたりするなどにより、
    過度の負荷が前十字靭帯に掛かって、靭帯が伸びたり切れたりすることです。
    一度伸びたり切れたりした靭帯は、自然に治ったりくっついたりすることはありません。

    サッカー、バスケ、ラグビー、アメフト、スキー、スノボなど激しいスポーツや
    交通事故などの外的衝撃で起こることが多く、
    サッカー選手ではVissel神戸なら和多田選手、佐伯選手など、
    日本代表なら中田浩司選手など、多くの選手が受傷しています。


  • 「ACL損傷かな?」と思ったら・・・


  • まず、受傷直後は一般的な捻挫と同じ対処( RICE法 :下記参照)でよいと思います。
    具体的には、強烈な痛みと共に膝周辺が腫れますので、
    痛みが出ない楽な姿勢で、動かさないようにして、
    ときどき氷等で冷やしながら、腫れている部分を包帯等で圧迫して、
    患部が心臓より高くなるようにします。

    受傷から1~2週間程度で症状が安定すると思いますが、
    それから後は「どういう生活を送りたいか?」によって、選択肢が分かれます。
    大きく分けると、 再建手術をしない方法(放置、装具療法) と、
    自己組織や人工靭帯を使用して、再建手術を受ける方法(再建) があります。

    手術をしなくても、歩行は出来ますが、
    スポーツ復帰を目指すのであれば、手術を視野に入れる必要があります。
    また、一般に半月板損傷を伴うことも多く、
    ACL再建手術を受けた場合、同時に半月板も処置することになります。

    ACL損傷かどうかは、もちろん素人では分かりません。
    さらにいえば、整形外科医であっても、膝の専門医でないと判断がつかないこともあります。
    また、靭帯はレントゲンに写らないので、
    MRI(磁気共鳴診断装置)等の検査をすることになると思います。

    従って、もしACL損傷を疑った場合、必ず 膝の専門医を受診 して下さい。
    僕の場合も、専門医を訪れたときに初めてACL損傷が判明しました。

    専門医を受診すると、各種のテスト+MRIなどにより、
    どこの靭帯を損傷しているとか、総合的に判断されますが、
    経験豊富な医師であれば、いくつかの手技テストでだいだい分かるようです。
    しかし、間接鏡を膝に入れることによって、最終的にACL損傷かどうか確定されますので、
    極端な話、「ACL損傷の可能性が高いが、観てみなければ分からない。」のは事実です。

    担当医の言葉を信じられれば、それでいいのですが、
    そうでなければ不安が大きいと思いので、
    担当医と信頼関係が築けるよう、よく話し合う必要があります。

  • 「半月板」って?


  • 半月板とは大腿骨(太もも)と脛骨(すね)の間にあり、
    その名の通り、通常は三日月型をしている組織です。
    大腿骨からの衝撃を分散・吸収するクッション材としての役割と、
    膝を安定させて、滑らかに動かす役割を持っています。


  • 「半月板損傷」って?


  • 若年者ではスポーツ外傷によって発生することが多いですが、
    高齢者では加齢によるものとして、特に原因なく起こったりします。

    症状は膝の痛みや腫れ、運動障害、歩行障害などがあります。
    膝の曲げ伸ばしがしづらい、曲げ伸ばしをすると痛い、
    全く曲げる事が出来ないといったことや、
    歩いている時に膝がガクッとなる(膝崩れ)がおきたりします。

    手術を行わない方法(保存的治療法)と手術を行う方法がありますが、
    これは本当に症状によって、ケースバイケースのようです。

  • RICE法


  • RICE法とは応急処置で行われる 安静(Rest)、氷冷(Ice)、 圧迫(Compression)、挙上(Elevation)の4つの処置 です。
    頭文字をとって「RICE法」と呼ばれます。

    Rest(安静)
    痛めた部分の内出血や腫れを最小限に抑えるために、
    ただちに安静にして動かさないこと。
    痛めたところは、完治するまで出来るだけ使わないようにします。
    「たいしたことないから」と(痛みがあってもなくても)無理をして競技を続けたりすると、
    靱帯の損傷が広がり、状態が悪化してしまいます。

    Ice(氷冷)
    炎症を抑え、痛みと腫れを抑えるために、患部を氷で冷やすこと。
    氷のうや、氷をビニール袋に入れてタオルで包むなどして、
    氷を10分間程度、患部にあてて冷やします。
    しばらくするとかなり冷たくなりますが、
    10分経ったら外し、1時間程したらまた10分間冷やします。
    怪我から24時間以内にこれを何回か繰り返しておくと、
    組織の破壊を食い止める効果もあるので、回復も早くなります。
    但し、長く冷やしすぎると逆効果になるので、注意が必要です。

    Compression(圧迫)
    腫れを抑えるため、腫れている部分を
    テープや弾性包帯できつくない程度にしっかりと巻いて圧迫すること。
    氷冷と合わせて行うときは、氷のうなどの上から
    弾性包帯をしっかり巻いて押さえると効果的です。

    Elevation(挙上)
    患部を心臓より上に上げること。
    患部を下げていると、重力よって血行が悪くなり、腫れやむくみが起きやすくなります。
    そこで、患部を心臓より上に上げることにより、
    心臓に戻る静脈の流れがよくなり、腫れが引きやすくなります。
    可能であれば寝るときにも、足の下に電話帳や毛布などを入れてなるべく足を高く挙げておきます。

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