保健所に行ったことあります。。。


家族の一員だったチャーリー(雑種の犬。長めのたれ耳)が初めて首輪抜けという技を使い散歩に行ったまま…帰って来ませんでした。

高齢だったし、事故にあってしまったのか?と家族全員で眠ることもできずに三日三晩探し回りました。かけがえのない家族だったし、私にとっては妹同然で、本当に眠れない夜をすごしました。

そして…3日目の晩に、まさか!!と思い、「家庭動物相談所」とは名ばかりの犬の処分所、保健所に問い合わせたところ、一度見にきてくださいとのこと。

チャーリーがいることを願って、翌朝、家族で向かいました。

するとそこには、まさに死を感じ取って、悲痛な叫び声を挙げる犬たちが。

みんなすがるようなおびえた目で、吠えながら、檻のなかから私を見るのです。
そして、チャーリーは見つかりました。

ビーグル系の犬でしたので「たれた耳」がポイントだったのですが、
その耳がありえないほどピンと立ち、目はいつもの愛らしい瞳ではなく、ひきつり、狂気を感じました。それに吠えない犬なのに「ギャン!ワギャン!」とすごいなき声なのです。

もちろん、私たちを見て、「助けて」と尻尾を丸めながらキャンキャン近寄る3匹の犬にまぎれて、一生懸命アピールしてます。

「チャーリーだと思うけど…チャーリーじゃないかも、・・・ここで間違えたら。。。本当のチャーリーが殺されちゃう!!」
と思ったくらい、さまがわりをしてるのです。

チャーリーを見つけた後しばしの沈黙があり、

いきなり父が、

父    :「いや、…これは…チャーリーだろう…」
私    :「え?!だからこの子がチャーリーだって・・・ば…。」
母    :「そうそう・・・この子がちゃーりーちゃん…よ…ねえ?」
チャーリー:「ワギャン!ワギャン!!」

父・私・母:(でも耳が・・・)・・・

5分近くでしょうか、迷った挙句、

「ごめん!チャーリー迷っちゃった!(テヘ)」と抱きしめることができました。

(もちろん、抱きしめたのは屋外でです。すぐに抱きしめたかったけど、
ほかの犬の前でできなかったのです。それほどあの子達の目は哀願していたのです。)

帰りの車の中で、ひざの上に頭と前足を乗せ、目を閉じて、・・・浅い眠りに落ちてる妹を見て、本当に間一髪だったと、安堵しました。


チャーリーは連れて帰ることができましたが
あの時、出会った、たくさんの悲しい瞳は今も胸に突き刺さります。あの場にいた50匹近くの迷い犬、捨て犬たちの瞳が忘れられません。

チャーリーのように、自分たちの飼い主も、きっと迎えに来てくれる。。きっと。
と思いながらあの子達は最後の時を迎えたのかも、と思うと、辛くて・・・。


あの犬たちと縁があったはずの自分勝手な人間たち、
つれて帰ることができない自分のふがいなさ、
今も、やりきれない気持ちです。

なにか運動ができたらいいのだけど、今の私には「縁があって、一緒に暮らすペット」の命を精一杯大切にするくらいしかできません。
せめて、人間を信じてくれてる動物の気持ちを裏切りたくないです。


ちなみにチャーリーの耳はその後2.3日立ったままでした。よほど恐ろしい思いをしたのだと思います。


その後6年生き、15歳で天国へ召されました。老衰でした。


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