お水の裏街道

若さま

宴会コンパニオンの仕事で　女の子が足りなくて

私も仕事で　その宴会にコンパニオンとして入った時知り合った

その時上座に座っていた　彼にお酌した。

「ひとめ惚れや」そう言い名刺をくれと言われ

会社の名刺を渡した　会社は自宅兼事務所だったので

住所も書いてある　２日後　電話が入った　

大阪遊びに来ないかって内容だった　来るなら新幹線のチケット

送るからと･･･　仕事の様子みてお返事します。

そういって電話を切った　次の日　チケットが届く

まだ返事していないのに･･･　強引な男だと思った

私は次の日新幹線で　大阪へ向かっていた

ホームにつくと　秘書の男の人と　迎えにきてくれていた

「よぅ～来てくれたなぁ～これに乗ってなかったら

どないしょ～おもってたわぁ～」と頭なでなでされた。

そして手をニギニギして手の甲にキスして

自分の頬にすりすりする。　子供のような目をしている彼

そのまま神戸へ　異人館通りへ　凄くロマンチックな町並みだった。

手をつなぎ　歩いた　彼はカメラが趣味らしく

私を撮りまくる　坂道で　急に走り出し　遠くから　

カメラをかまえて撮り出した　　そして腕組してニコニコしてる

彼のところまで　上りついたとき「俺の思ったとおりの女だ」

とけそうな位ミツメル　そして自分の嫁にはなんの不満もない

でもお前が欲しい　そう言われた　

「今までの人生はお前に逢うために遠回りしてきたんやな」

ホテルにつくと　そこはスイートルーム

テーブルには支配人から　果物の差し入れがあった

そしてチャイムが鳴る　出てみると彼が　ドア一杯の

薔薇の花束を持って立っていた　

花束片手に私を抱き寄せ　長いキス

ホテル内で食事して　バーでシャンパン飲んだ

部屋へ戻り　お風呂に入ろうとした時　ビックリした

いつのまに用意したのか　バスタブは薔薇の花びらで一杯

それに小さなキャンドル　「薔薇嫌いかぁ～？」

振り向くと直ぐ後ろに立っていた　一緒に薔薇の風呂に潜った

新しい恋の始まりだった。

彼はいつも　私を見つめる　そして「う～んええ～女や･･･」

これが口癖だ　それからたびたび　ゴルフに同伴するようになる

会社の接待ゴルフにも　一緒に行く

そのたび仲間に「俺の大事な人だ」そう紹介する

私が伊豆に帰る時に必ず　別れの時間が近づいてくると

ブルーになる彼･･･　口数も少なく　ただ手を握っている

子供のように離したくないと　帰したくないとダダをこねる

やきもち焼きで　独占欲が強く

それに耐えられなくなり　出会って１年で　お別れした

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