お水の裏街道

お水の裏街道

都合のいい女?



そこは某芸能人の店で 週末には必ず行っていた。

その日いつも通り 真美子と飲みに行った。

ラストソングはいつもマスターが唄う。

「踊っていただけませんか?」純一郎が手を差し出した。

チークダンスしながら電話番号聞かれた携帯の番号を教える。

1週間後 純一郎から電話がきた。

「明日 皆で遊びに銀座へ行くんだけど 来ないか?」

並木通りで待ち合わせ 純一郎はラジオ局の人と

女友達と3人で来ていた。場所は《エムカルロ》

金曜日だったので店の前には行列が出来ていた。

でも私達は並ばずに すんなり店に入ることが出来た

店内は凄い人だったけどVIPルームは 静かだった。

4人で乾杯して 2時間くらい 飲んだり踊ったり

純一郎はラジオ局の人と少し仕事の話をしていた。

場所変えて飲むことに六本木の《20世紀》へ

カラオケのある店で 芸能人が多い 何人か知ってる顔もいる。

起きたら 頭がガンガンした。 Tシャツ1枚だ

純一郎はソファーで寝ていた。「なんでここにいるんだろう」

昨夜の記憶を辿っていたら 

「おはよう!何にもしてないから安心して・・・」

「○○ちゃん家教えてくれないから・・・」

どうやら家まで送って行くよって言ったら

「あんたには教えない」そう私が言ったらしい

「酔ってるし連れて帰ってくるの大変だったんだ」 

「シャワーしてくれば その辺のもの適当に使って」

バスタブにつかりながら 「ここはいったいどこなんだろう」

駅まで送ってもらって 別れぎわに 

「また逢えるよね」そう純一郎がいった。

「電話ちょうだいね、待ってるから」

家に着いたら電話がきた 次の金曜日に六本木で食事する約束をした。

何を着ていこうか・・・金曜日が待ちどうしい

純一郎は一応歌手らしい なんかのCMソング

それ1曲しか売れなかったみたいだ

その時はラジオの仕事や カラオケ教室をしていた。

六本木の《マンディ》って店で食事した

「これ受け取ってくれないか」

それは合鍵だった。

週末は 彼の部屋で純一郎の帰りを待っていた 

週末だけのデートが続いた

いつも六本木か麻布のオシャレな店で 食事したり

お酒を呑んだりと 週末になるのが楽しみだったけど

彼の事を愛していなかった・・・多分

彼の周りの物が好きだったのかもしれない

華やかな世界・・・ それに魅かれていたのだと思う

彼とは1度しか 寝ていない

セックスそのものは あわなかったし

したいと思わなかった 彼は神経質なセックスをする。

感じる暇などなかった。

ある日部屋に行くと ガラスのテーブルに マニュキュアの

跡が残っていた そこでマニュキュアを塗った時に

筆が爪からはみ出してテーブルについたものだと思った

でも何にも気にならなかった 10円玉で「ギィ~」って擦る

2.3回擦ったら 綺麗にとれた。

その事を訪ねる気もなかった 

彼は私のことが好きだったんだろうか・・・

彼は 私の持っているお金が好きだったと思う

なんどか お金は貸している 

電話が止められたとか・・ 家賃が貯まっているとか・・

友達に金返さないととか・・

私は何も言わず 金を用意した。

返してくれとも言わなかった。

なんでだろうか・・・ 今でも謎だ。

段々 逢わなくなって 電話が来た時 その事を言ってみた

「もう少し待っていて」の返事だったが あてにしてなかった。

その後 電話も拒否した。留守番でんわに「電話出てくれ!」

毎日のようにかかってきていた。

そしてそんなメッセージも入らなくなった頃

深夜番組を見ていたら 純一郎が 歌を唄っていた。

その画面みながら 無償に腹が立った。 

私が彼の家に忘れてきた 私のブルゾンを着ていた。

「金返せぇ~」「ブルゾン返せぇ~」画面に向かってさけんだ・・・

今もどこかで女から貢がせて のうのうと生きてるんだろうな


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