お水の裏街道

三角関係

そのオヤジと偶然　スーパーで再会

そして仕事からみで　たびたび会うようになり

付き合いが始まった。そんなに惚れこんだと言う訳でもないが

彼のウサンくさい　詐欺師独特の雰囲気が　心地良かった。

温泉に行ったり　海外旅行に行ったり　遊びは最高だった。

彼の奥さんは私より１つ年上　札幌で喫茶店をしていた

彼がある事件で服役した時　彼女が８人も居たそうで

パクられた瞬間に女は彼の元を去っていったらしいが

奥さん「秀子」は彼の子を産んで待っていたそうだ

秀子は勿論　親からもカンドウされて

生活保護を受けて生活していたそうだ

親子ほど年の離れた　オヤジは感激して　出所後

「この女は幸せにしたる」って思ったんだと言っていた。

朝早くインターフォンの音で目覚めた

開けると警察が立っていた　ガサ入れだった

またオヤジ　パクられたとこのとき解った

何回か面会に行った時に「お前に頼みがあるんだ」

手紙にかいたから明日あたり着くと思うとのことだった

内容は札幌に残してきた　秀子と息子を頼むと書いてあった。

それとツメなくてはならない７０万の金のこと

ヤクザの事務所に７０万収めにいった。

秀子と息子は私の住んでいた家に引っ越してくることになった。

奇妙な共同生活が始まる。

秀子は私より１つ年上だけれど　どこか頼りない感じの女だ

そして引っ越してきた時

彼女の家財道具を見てショックを受けた。

タンスもベットもその殆どが　見覚えのあるものだった。

オヤジと良くデパートへプラプラと買い物に行き

いろんな物を見て歩いた時　私が「これいいなぁ～」

「今度買うときはこんなんがいいなぁ～」

オヤジは「今度　まとまった金入ったら買ってやる」

そう言っていた物が　今目の前にある。彼女の持ち物として

私が欲しいと言っていた物をオヤジは秀子に送っていたのだ。

･････所詮　私は愛人だったのだと思い知らされた

私とオヤジの関係は秀子は知らない

ある日それが彼女の耳に入ってしまった。

秀子は泣き喚いた　そして死にたいと言う

子供も殺して私も死ぬ　そう言ったとき　秀子の頬を殴ってしまった。

「あんただけが苦しいんじゃないんだ」そう秀子にいった　

その夜　朝方まで秀子と話をする事になった。

これからのこと　そして今の私の気持ち

私は秀子を預かることを決めた日からオヤジのことは

秀子の旦那であると言う風に思い始めていた

確かに秀子は一人では生きて行けないタイプの女性だが

オヤジが服役中に子を産んで待っていた女だ

真は私より強いかもしれない。

そんな秀子は朝まで　目がはれるほど泣いていた。

何年か後に　秀子が私に　その時のことを　話した事がある

オヤジの自分への裏切りと　自分の不甲斐なさに泣けたと

なぜ本妻の私が愛人の１つ年下の女の面倒になるのか･･･

そう思ったといっていた。

この奇妙な共同生活は　１年位続いた　

秀子とは子供の運動会や　温泉旅行や　

たまにはホストクラブで飲みあかし　オヤジの悪口大会と

不思議なくらい気が合った。

オヤジの面会も２人で行った　そんなある日オヤジから

私あてに手紙が届いた　「おまえは秀子を連れまわし男を紹介し

俺が出所したら別れろとか吹き込んでいるらしいな

俺が何も知らないと思っているのか」そう書いてあった。

全身の力が抜けた　頬を涙がぬらした

秀子がそばに来ているのにも気がつかなかった。

秀子も手紙を手にして　泣いていた

「もうこれ以上姉さんに迷惑かけたくない　私達は出て行くよ」

そして秀子は札幌へ帰っていった。

それから直ぐに手紙がきた

オヤジが出所したから離婚するつもりだと　

今すぐ離婚してもよいのだけれど　出所の際に　保証人がいないと

服役が長引くから･･･かわいそうだもんね　

そして「姉さんには感謝しています。早く良い人みつけて

幸せになってね。有難う」そう書かれていた

それから何度か連絡とりあっていたけど

今は音信不通になっている　

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