五条坂の昆布やさん
ヨモギ餅で一息つき、「おおきに」奥さんの声を背に店を出た。
足の向くまま、歩いていると、五条阪にでた。
陶器屋さんが軒を連ねている。
そのなかに、昆布屋さんがあった。
間口の広い店の中は長い昆布そのままの長さで売っているケースもある。
なかから80絡みの奥さんが出てくる。
昆布を選んで、ふと顔を上げると大きな鏡が壁にある。
「昔は、広う見えるさかい鏡つける店多おした」
「そうですか、大きいですね、ではまた」
店を出ようとすると、かけ時計が4時を告げる。
澄んだ音色に目を向けると、時計の中の4人の小人が鐘をたたいて、メロディーを奏でている。
「珍しい時計」
「電気を消すと、音楽は鳴りまへん」
「まあ、賢い時計ですね」
「一度壊れたので、時計屋さんに出したら、今はもう作ってない時計いわれました」
店をでて、歩くと「五軒ういろ」の看板が見えた。
その店の2階で、五軒ういろを頂いた。
巡礼2日目 カエサリア 2019年11月29日、… 2020年03月09日