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2007.01.29
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「フェティッシュ」に続いて,西澤保彦の怪作を読んだ。

○ストーリー
ある市で女性の連続殺人事件が起きる。犯人は警察に挑戦するかのように,死体のそばにメモを残し,そして指紋を残していくのだった。しかし懸命な捜査にも関わらず,犯人は容疑者さえ浮かび上がらず,時間が過ぎていくのだった。いつしか捜査班に,「ファントム」と呼ばれていた犯人の正体とは?

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読者には,ほぼ最初から犯人が明かされているが,犯人の動機や行動原理,そして肝心のトリックは分からない。読み進めていくうちに,捜査班が膨大な時間をかけ,徐々にそれらを解明していき,それが読者にも伝わる。どこから読んでも,ミステリーの構造だ。

終盤,刑事たちは真犯人にたどり着くが,犯人には全ての犯罪に対して鉄壁のアリバイがあった。犯人が使用した驚きのトリックとは・・・

これには,驚いてしまった。ミステリではない作品だと言われても,こうしたまとめ方はないと思う。SFでもホラーでもいい,ナルホドとナットクのできるなんらかの落としどころが欲しい。まだこれが幻想的な香りがある作品ならば,その雰囲気を楽しむ,という部分もあるのだろうけど,ある意味まっとうな本格ミステリの構造,文体で押してきて,最後にこれでは・・・

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他人への感情が欠落しているために,逆に如才なく大人として付き合える人。外国生活で現地に溶け込もうとすればするほど,アイデンティティが薄まってしまう人。そうしたジレンマは,面白い設定だが,西澤作品では既に何回か語られた展開で,新鮮味はない。



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僭越だが,西澤保彦は,こうした作品を書くには向いてない気がする。破綻した状況を描ききるには律儀すぎて,直前まで正攻法で進めてしまうから,幻想的な展開に到ったときに大きな違和感を感じてしまうのだと思う。

特に「フェティッシュ」の直後というのが,ダブルパンチで効いたなあ。








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Last updated  2007.01.29 22:46:42
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