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2007.01.30
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カテゴリ: びしびし本格推理
竹本健治のシリーズキャラクターとなる,武藤類子のデビュー作を読んだ。

○ストーリー
高2で剣道部に属している類子は,芸能プロダクションにいる先輩の紹介で,マイナーなバンドのライブを聞きに行くようになる。ところが,あるライブの最中に殺人事件が起き,バンドメンバーに脅迫状が届くようになる。事件の調査を始めた類子と,類子と親しくなったミュージシャン・果月に危機が迫る。

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竹本健治が,一時期ミステリから離れ,SF作品へと流れていったのは1980年代の後半のことだ。実は,ちょうどそれと同じ頃に,有栖川有栖,綾辻行人,法月倫太郎らによって,新本格ミステリというムーブメントが起きていた。1990年代になり,ミステリブームの中で,竹本健治もミステリへと戻ってくる。第1作目が「カケスはカケスの森」,そして第2作目が「殺人ライブへようこそ」だ。

「カケス」が,古い館を舞台にした作品なら,「殺人ライブ」は女子高生を主人公にした作品,と,この2作は竹本作品にしては,だいぶ親しみやすい。ある意味,新本格ミステリや,ライト系ミステリの定石通りの作品だとも言える。

本来ジュブナイルミステリとしてスタートした「ゲーム3部作」も,狂気を描くことに夢中になってしまってミステリから離れることになってしまう。シリーズ化しようとした,「腐蝕」も「クー」も第2作で打ち切りという,出版社泣かせの竹本健治にしては,驚くくらい素直な作品が,「カケス」と「殺人ライブ」だと言えよう。

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「殺人ライブへようこそ」は,ライトノベル的にさくさくと進む。それまで剣道部に集中していた類子が,あっさりとライブハウス通いに親しんでしまう,とか,女性の1人暮らしなのに,あっさりと出会ったばかりの人々を,自分の部屋に案内する,とか,いろいろ「そりゃ,ねーだろ」という展開が多いのだけれど,どんどん進む。



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あとがきでは「類子のシリーズの第1作です」という内容が述べられているが,結局このシリーズは実現せず,代わりに牧場智久と武藤類子の「ルイトモシリーズ」が,2人のキャラクターの合体シリーズとして,竹本健治作品の主軸を構成するようになる。

まあ,この作品の類子を読む限りでは,ミステリの主人公としては頼りない。すごーく,オーソドックスなことを言えば,ホームズなのか,ワトスンなのか,なんだかハッキリしないカンジだ。「ルイトモ」では,ワトスン=類子,ホームズ=智久,と役割分担が明確になっていて,その分,逆に生き生きとしている類子に再会できる。

ライトノベルの祖先,とも言える作品なんだけどなあ。






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Last updated  2007.01.30 23:24:58
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