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2007.01.31
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カテゴリ: びしびし本格推理
「学生アリス」の3部作の後は,「犯罪学者・火村&作家・アリス」のコンビを,ほとんどの作品で登場させている有栖川有栖の,別のシリーズだ。なんと探偵役は山伏だ。

○ストーリー
修行を終え,ローカル線を利用して下山をした地蔵坊は,同じ列車に地元出身のアイドル・星本舞と一緒になる。ふもとの町に下り立った人々を,殺人事件の知らせが驚かす。彼らが乗ってきた列車と反対に,丁度山頂側の駅に到着した列車の中で,刺殺死体が発見されたのだ。誰もが首をひねる中,地蔵坊だけが1つのヒントに気付く。

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「火村シリーズ」に属する作品でも,特に「国名シリーズ」に納められている短編は,チカラが抜けているユーモアミステリ風のものもあるが,その起源がこの連作短編集にあるとは初めて知った。

この連作短編集の設定は,どれもウサンクサイ。語り手の山伏地蔵坊も,山伏のクセに,カクテルやタバコのブランドにコダワリを持つ中年オヤヂだし,語られる事件の場面も,どうもウサンクサイ。それを十分わかりつつ,話の語り口とミステリのロジックの面白さを楽しむのが,地蔵坊が毎週土曜日に物語を語り聞かせるバー”えいぷりる”だ。

だから,この作品は,あたかも自分が”えいぷりる”のお客になったような気分で,シチュエーションを楽しみ,物語の設定には目をつむり,一方で事件の謎解きはしっかりと楽しむ,というシャレを分かる気持ちが必要だ。

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誤解してはいけないのは,この連作短編集は,有栖川有栖が「国名シリーズ」第1巻を刊行する4年程度前に発表した作品を集めたものだということだ。まだ発表作品も少なく,若いイキオイにあふれた有栖川有栖が,作品ごとに趣向を変えたトリックと,フェアでロジカルな謎解きで楽しませてくれる。



残念だ。

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各編について簡単に述べる。
「ローカル線とシンデレラ」:ストーリー紹介をした作品。単線の登山列車しか出てこないが,一応鉄道ミステリの作品。

「仮装パーティーの館」:仮想パーティーで殺された金融会社の社長が,密室で殺された。うーん,チカラ抜けてるなあ。

「崖の教祖」:新興宗教にはまっている娘に会いに地蔵坊は修行場に忍び込むが・・・脱力系ではないけど,かなりご都合主義なトリックだ。こんなんでホントにうまく行くかなあ?

「毒の晩餐会」:資産家に隠し子がいたことが判明し,資産を狙っている子どもたちは動揺する。そんななか,晩餐の席で,隠し子であった男が毒殺された。・・・僕だったら,このトリックは怖くてできないなあ。

「死ぬ時はひとり」:地蔵坊は元ヤクザと親しくなり,彼の店に案内される。ところがちょうどその夜,元ヤクザは頭を撃ち抜かれて死んでしまう。しかし,彼の事務所から逃走した人物はいなかったのだった。・・・地図まで登場する本格派だ。

「割れたガラス窓」:引退し,近所の人々と仲良くしているはずの男が殺された。しかし,人々にはみな,潔白を示すアリバイがあるのだった。・・・このトリックはうまくいかないよね?

「天馬博士の昇天」:作品集用の書き下ろし中編だ。ガケの下で発見された天馬博士は,転落の前に殴打されていたらしいが,ガケの上には彼の足あとしか発見されなかった。・・・これは!ちょっと脱力系かも?






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Last updated  2007.02.01 00:24:38
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