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2009.11.15
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カテゴリ: ばくばく冒険小説
「黒い家」の貴志祐介の長編を読んだ。

○ストーリー
「呪力」ことESPが一部の人にあることが判明し,かつての文明は大混乱に陥り崩壊した。それから1,000年,少女・早紀は,注連縄(しめなわ)に囲まれた村で育ち,他の友人たちと同じように呪力を身に付ける。優しい両親,厳しい学校の授業,注連縄の外への課外授業。だが偶然,1,000年の歴史の真実を知ってしまった早紀たちは,ユートピアの枠組みからはみ出してしまう。

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いわゆるディストピア(反ユートピア)テーマの作品であることは知っていたが,独特の”肌触り”があり,とても驚いた。ディストピア作品と,「地球の長い午後」など破滅的な進化をテーマにした作品の合体とでも言ったらいいのだろうか?さらにその全体を,日本の地名,和風なテイストが覆っており,とにかく新しい体験だった。

これに近い雰囲気は村上龍の「希望の国のエクソダス」だろうか?それなりに秩序だっている日本だが,我々が必要とされていない国,という微妙な距離感を感じさせる将来像を見せてくれている。

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この作品を読んで思い出したのが,貴志祐介の作品では,登場人物がきちんと考えて行動する,ということだ。それもこれは主人公たちだけでなく,彼らを監視する大人たち,そしてある事故をきっかけで彼らを狩ろうとする”ネズミ”たちにも当てはまる。

これって当たり前のようでありながら,小説でも映画でもご都合主義的に追っ手はバカが多い。



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物語は主人公・早紀が,20年前の出来事を回想する,という形式で始まる。所々の表現で,いつか悲劇が起きるということが示唆されている。上巻の中盤から大活劇となるので,これが悲劇を呼ぶものだと思っていた。

ところが悲劇は上巻の終盤に意外な形で訪れる。それまでの世界観をくつがえしかねない異常な状況が描かれ,読者は大混乱をしてしまう。だが何か大きな秘密が明かされつつあることは感じられ,ぐっと引き込まれる。

下巻の予約を図書館に入れているが,順番待ちでまだしばらくお預けをくらいそうだ。それまで僕の中の早紀は○○○の呪力で○○○しているままだ。








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Last updated  2009.11.15 22:33:54
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