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2011.02.01
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貫井徳郎の〈症候群シリーズ〉の第3作を読んだ。

○ストーリー
元警察官の原田,武藤,倉持は,現役の警視の環の招集がかかると,特殊な案件の調査と解決を行う”影の捜査チーム”だ。彼らは表面上は無関係に思える少年の事故死,殺人への調査を依頼されるが,そこで彼らがたどり着いたのは,正義に対する大きな疑問符だった。さらにチームは分裂し,悲劇が始まる。

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〈症候群シリーズ〉は,貫井作品の中ではエンターテイメント性が高いと聞き,読み進めていた。冷徹な環と,クセの多い部下たちはいつもと同じだ。第1作では主に原田が,第2作では武藤が語られた。案の定,この第3作では倉持の過去が明らかになる。

このシリーズは,どうやらこの第3作で完結するようだ。せっかくのエンタメ系シリーズを,早々に終わらせてしまうのはもったいない気がした。

でもチームが2つに分かれて,互いに相手を出し抜こうとする状況の後では仕方が無いか?

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しかしテーマが重い。少年犯罪,犯罪被害者の二次的な被害,私刑,そして臓器移植・・・よくもまあ,これほどヘビーなテーマを集めたものだ。



異様にノンブルが小さいが文庫で700ページに及ぶ大作だ。暴力シーンが必要以上に克明に描写されたりするのは閉口するが,それ以外は淡々とし過ぎているくらいの文章だ。

個人的には,やはり長過ぎるように思った。テーマの重さに合わせて,これだけの大作となったのだろうけど,事件が不自然に多過ぎて,クライマックスばかりのアクション映画のように,逆に印象が薄れてしまう。

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とは言え,テーマは「正義の定義」だろう。

自分を汚した者,子どもを奪った者,彼らが社会に復帰して,それでも更生していなかったら,私的に粛清をして良いのか?

”影の捜査チーム”が分裂してしまうほどなので,この問いに対する答えは,一元的ではない。また復讐者にも複数のスタンスがあり,ますます答えが難しくなっている。

オフィシャルには環のような毅然とした態度が正しいのだろうと思う。けれども,今回の環は明らかに冷酷な情の無い人間として描かれており,貫井の主張したいスタンスが伝わってくる。

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テーマが重過ぎて,〈症候群シリーズ〉版「慟哭」だと感じてしまった。











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Last updated  2011.02.01 23:42:13
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