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2011.02.02
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カテゴリ: びしびし本格推理
米澤穂信の〈古典部シリーズ〉の第5作を読んだ。

○ストーリー
折木奉太郎こと,ホータローたちも2年生となり,彼らのサークル”古典部”も,新入生の勧誘会に参加する。幸い大日向友子という1年生が仮入部をすることになった。だが,彼らの通う神山高校では,仮入部の後,5月末に本入部届けを出すルールになっており,友子は突然,入部をしないと告げて去って行った。彼女がそれを言い出した場にいたのは,古典部部長の千反田エル。
ホータローは,本入部届けの提出期限でもある5月末の全校マラソン大会を利用して,走っている間に,この謎を解こうとする。

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最近評価が厳しくなっていた米澤穂信だが,この作品は気に入った。長編としてのメインの謎解きがキチンとあり,一方で6章にそれぞれ小さな日常ミステリーが散りばめられており,バランスよくまとまっている。

同じ〈古典部シリーズ〉の「遠まわりする雛」では,叙情的な部分が目立ち,またミステリーの連作短編集としては,それぞれの作品のバランスが良くないような気がした。この作品は,見事にその欠点を払拭している。

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言うまでも無く〈古典部〉なので,日常のミステリーを扱っている。さらに学校の遠距離行事という,時間と距離のリミットがある中で,謎解きを行う。



今回の大きな謎は,「新入生が本入部をしないのは何故か?」「それはエルの行動が原因なのか?」ということだ。この謎は,主人公たちとかなり近い所にある。この切実な空気や,自分と他人の距離感をやたら意識する辺りが,〈古典部〉よりも〈小市民シリーズ〉に近い印象がある,と評される理由だと思う。

もう1つの特徴として,マラソン大会の最中なので,推理の全てがホータローの頭の中で行われ,実証作業は伴わない,ということがある。例えば喫茶店の名前を当てる謎もあるのだが,結論も出ていないのに,ある時点から店の名前は推理をした○○○ということになっていた。

さらに毎回ではあるが,ひとの言葉の表現を一字一句まで細かく覚えていて,それが謎解きになる,という展開が(複数!)ある。

まあ,イロイロと不自然な点もあるのだけど,ライトノベル臭もだいぶ抜けたようだし,悪くないと思った。

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主人公ホータローと部長のエルも,前作で一気に距離感が縮まっているようだし,残り2人の2年生であるサトシとマヤカに至ってはカップル成立のようだ。これでは誰だって,新入部員を入れて,引っかき回したくなってしまう。

今回の1年生・友子は良くやってくれたと,性格の悪い読者は思ってしまった。








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Last updated  2011.02.03 00:10:37
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