不破雷導

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Mar 31, 2005
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テーマ: 小説(12)
カテゴリ: 小説
ガラッ
ニワトリが息せき切ってフクロウの家に駈け込んで来た。
「コケッ!コケッ!」
「おや、なんだい、ニワトリじゃないか。どうした、そんなに慌てて。」
「コケッ!コケッ!」
「コケッ!コケッ!じゃ、何言ってるか分からないよ。まったく慌て者なんだから。言葉を話しな。」
「フウ、フウ、フクロウさん、一つ聞きたいことがあって来たんですよ。フクロウさんは物知りだと聞いたもんで。」
「おう、そうかい。しかし、何もそんなに慌てることはなかろう。」
「いやあ、何しろニワトリは、3歩あるくと物事を忘れるって言うから、忘れちゃいけないと思って急いで来たってわけでさ。」

「………。」
「どうした?」
「………。」
「聞きたいことがあるんじゃないのかい?」
「…忘れた。」
「え?」
「フクロウさん、忘れちゃいましたよ~。え~ん。」
「おいおい、泣くことはないだろう。泣き止みな。いいよ、いいよ、そのうち思い出すだろうから、そしたらいつでもいいからまた聞きに来なさい。」
「ふぁい。」
ニワトリはしょんぼりしてフクロウの家を出て、今来た道をとぼとぼと歩き出した。
しばらく歩くと、急に目を輝かせて顔を上げた。

ニワトリはきびすを返すと、フクロウの家に向かって駆け出した。(最初に戻る)


(1999年5月)





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Last updated  Mar 31, 2005 02:59:41 PM
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