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新興国からマネーが流出して、日本の円の購入に向かった。
1月17日→24日の対ドル通貨下落率を見ると、
アルゼンチン▲17.5%、 ブラジル▲2.3%、 インドネシア▲2.2%、
南アフリカ▲2.1%、 インド▲1.8%である。
日本は27日までに1.5%上昇している。
新興国で利上げに動くのは、米国の量的緩和が
緩和縮小に動くことで、自国に流れ込んでいた
大量の資金が、逆に流出に傾き通貨の下落に
繋がることを畏れている。
輸出競争力よりも、通貨安で輸入物価が上昇して
インフレになるマイナス面が大きいのである。
通貨安を放置すれば、インフレが止まらずに個人消費に
打撃を与える危機感が強い。
新興国は経常赤字が続いており、多くの国で重要な選挙があり
政情不安もある。
新興国では、通貨下落、消費者物価上昇への歯止めは、
利上げだけでは抜本策となりにくい。
現在は、トルコ利上げが大幅だったこともあり、安全資産の
円買いへの動きはストップして、円は売りに転じている。
日本では、円安はエネルギーの輸入がドル建てであり、
原発停止による火力発電所用のLNGや原油の円換算
輸入額が膨らむ効果が強く出ている。
仮に、原発再開となっても、電気産業などの生産工場が
海外に出て行っている。
リーマンショック以降の円高で、液晶TVの国内生産は縮小して
海外に工場移転し、国内販売TVの9割以上が輸入品となった。
米アップル、韓国サムスン電子の人気が高いスマートフォンでは
輸入増加が目立ち最先端分野での国際競争力が失われつつあるとも
言われている。
特に、円安であるからと言って、国内生産に戻すことには抵抗がある。
「円安→輸出増大→国内雇用拡大・賃金上昇→景気回復」
のシェーマは進みにくい構造となりつつあるのだ。
<通貨安を招いた新興国 課題&対策> (*)がG20でフラジャイル・ファイブと呼ばれる新興国
| 国 |
課題 <経常収支> [インフレ率]<外貨準備> |
対策や見通し |
|---|---|---|
| ブラジル |
慢性的な経常赤字 <▲542>[+5.8%]<3,696> |
15日金利引き上げ (+0.5%)で10.5%に |
| アルゼンチン |
外貨準備高が極端に少ない < ▲1>[10.8%]<399> |
27日国民ドル購入額2千ドル |
| インド(*) |
2011年以降、経済成長鈍化、インフレ懸念も <▲881>[+10.4%]<2,685> |
28 日金利引き上げ (+0.25%)で8.0%に |
| トルコ(*) |
物価上昇率が7%超 < ▲ 485>[+8.9%]<999> |
28 日金利引き上げ (+4.25%)で12.0% |
| 南アフリカ(*) |
鉱山労組ストの長期化見込み < ▲ 241>[+5.6%]<440> |
30日金利引き上げ (+0.5% ) で5.5%に (29日発表) |
| インドネシア(*) |
物価上昇率8%台 < ▲241>[+4.3%]<1,088> |
昨年以降為替介入を中銀が行っている。利上げ観測。 |
<経常収支:2012年JETRO資料:単位:億ドル>
[インフレ率:2012年JETRO資料 CPI前年同期比%]
<外貨準備高 2012年JETRO資料:単位:億ドル(金を除く) >
///////////////////////////////////////////////////
追補:G20開幕:Feb.22,2014~ シドニー
世界経済でエンジン役の新興国の先行きに不透明感が漂う。
G20の新興国のなかでもFragile 5 と呼ばれる上記の5ヶ国は
輸出を稼ぐ力が弱体で、食糧、工業製品を輸入に依存し、貿易赤字から
経常収支の大幅な赤字となり、インフレに悩んでいる。
これまでは、米国の量的緩和でだぶついた資金が、Fragile 5 などに
流れて、株式市場、為替相場を支えてきたが、ひとたび、米国の量的緩和の
縮小が始まり、資金の逆流がおこると、 通貨安、株価の急落に見舞われている。
この通貨安で輸入品が割高となり、さらにインフレが高まってしまう
悪循環が起こっている。
外国資金を国内に留めるために、トルコ、インドなどでは政策金利を引き上げたが、
金利引き上げは企業家の投資マインド、個人消費マインドへの悪影響があり
景気に冷却水を浴びせることになりかねない。
IMFは「新興国の信頼に足る経済政策が(市場の)混乱を抑えるために重要」と
指摘したが、具体的で明確な処方箋を描けていない。
先進国の金融政策変更には、新興国へ及ぼす影響を考慮すべきであるが、
新興国も自身の政策努力で問題を是正する努力も必要だという、
「相互の明確なコミュニケーションの重要性」が再び提起された格好である。
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