兄・・・・



四日の日
お昼過ぎ頃実家の母から電話が入った・
大変だよ『お兄ちゃんが死んだって今電話が』
えぇ誰?お兄ちゃん?誰の?死んだって?誰がぁ?
頭の中でクルクル言葉が回った・・
母と父はすぐ警察に行くから
お前はこっちに来て留守番待機しててと電話を切って
私は何をして良いか判らず
何をどうしたか今記憶にないが
実家にいた・・・実家ですぐ兄の子の携帯に電話をした
落ち着いて聞いて私の方がよほど動揺していた・・
お父さんが死んだって電話だから
今からすぐ帰りなさい。。。
18歳と20歳の男の子・・・

実家の母から連絡があるまで
時間が随分過ぎた掛かってきたのは
4時近かったか
その間実家で食事の用意をした
何かしてないといられない
兄の子には自分の部屋を掃除しなさい
お客さんが沢山来る事になるからと
子供たちに掃除をさせた。。。
まだ何かの間違いかもそうだきっとそうであって欲しい・・・・・
実家の母から電話で
10時ごろ発見された
その時に既に息がなかったと。。。
救急車じゃなく警察署に連れて行かれたそうだ
警察で簡単な検死をした所結果が出ないため
大塚の検死場に行き司法検査を受けないと帰れないと言われた
母が葬儀場に手配をするよう私に言った。。
事実だった愕然とした
手が震えてた。。。。
帰りは明日になるとの話しだった
葬儀場の方が明日大塚に迎えに行ってくれるとの事だった
会社の方がずっと付き添ってくれてたとかで
帰った時に会社の方も一緒だった
朝行ってきますと出てった兄
仕事場に着いたのはおそらく8時前後
その後8時半に会社の方が兄の携帯に電話したが
出ない・・10時兄の仕事先に会社の人が行った時
洋服をたたんであってその上にめがねが置いてあって
ちょっと横になろうかとそんな感じで寝ていたようだったと。。

翌日検死の結果。。判らないとの事だった
心臓も脳も異常がないそうだ
そうなると細胞検査にまわされるが
細胞を取っての検査で結果は40日は掛かると
兄は帰ってきた。。。
検死場の車で実家により
そのまま葬儀場に入った
家に一日置いておくと話しもあったが
葬儀場の方がこの暖かさですので
安置室に入れましょうとの事だった・・・
帰った日お昼ごろ安置室に見に行った・
兄は寝ているようだったとても安らかで
そうねえ起きてって言えば『なんだよぉ』って言い出しそうな顔をしてた。。

お通夜が6日告別式が7日に決まった・・
お通夜の日はその会館に10人くらいまで泊まれるとの事だった
7日は月曜で真美は式の間中辛そうで
おじちゃんは痛いのが治ると帰るのかなぁって聞いた。。
そうだと良いねぇ・・・
月曜は真美は学校に行かせることにした
朝学校の用意もあるし犬の散歩猫の世話どう考えても
私が朝いないわけいかない
告別式が9時からだったので
お通夜の後私は帰宅組みとなった
お通夜の後10時頃から
兄の子と三人で随分色々な話をした
兄は離婚していたし母親のいない兄の子は
私が結婚するまでずっと母親代わりでもあった
色々な行事にも参加した
結婚前私の子だと思ってた人もいたようだ。。。
三人で4時近くまで話しこんでいた
最初一時間以上兄の遺影の前で
私は座りこみ兄と話しをした
こんなにゆっくり話しをしたのは何年ぶりだったかなぁ
もっと沢山話しをすればよかったなぁ
まだこの先10年も20年も一緒にいるものだと思ってたし
まだ信じられない。。。

生まれてそれは当たり前のようにいたたった一人の
血を分けた兄・・・当然父母を見送るのは兄と一緒だと思ってた。。
二つ上の兄はあまり言葉数の多い人ではなく
何時頃までだったかなぁ二段ベットで一緒に寝てたの。。
父母が夫婦喧嘩をしてた時に
不安そうにしてる私に大丈夫だよぉ気にするなと言った兄
小学校の頃はずっと一緒に通ったねぇ
中学高校のはあまり会話がなかったかなぁ
兄の高校の文化祭に行ったっけねぇ
兄は電気関係に凄く強い人で
色々な配線は何時も兄がやってくれたっけね
今だってパソで困ると兄が助けてくれたっけなぁ
私の結婚式の時に兄は
スピーチをしてくれて
『今日は こいつは俺の妹だけど本当に綺麗だなぁ どうか幸せにしてやって下さい』っと照れくさそうに言った兄。。。
まだまだ数え切れない
思い出が胸の中を駆け巡る・・

お兄ちゃん。。
新しい思い出はもう出来ないけど
この先もどうか見守っていてね
どうか 変わらず  ずっと  ずっと  


告別式が終わった骨になった兄を
呆然と見ていた
その時までまだ
通夜の席でなんだぁうるさいなって起きてきてと願ってた

でももうそれはない。。。。

今もまだ本当は全然信じていない自分がいる。。
町で兄に似た人を見掛けると
後を追いたくなる。。
黙っていると涙が溢れる。。
胸がぐううっと押し潰されそうになる
こんな気持ちは初めてで。。。
まだまだ気持ちの整理なんてつかない
きっと一生つかないんだろう そう思う。。。
でもいつかきっと笑顔で兄の話を出来る日が来るのだろうきっと・・・


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