Ranita in メキシコ

Ranita in メキシコ

出発



漠然とした不安はあったがそれ以上に新しい事が始まるワクワクとした気持ちの方が大きかった。 出発当日は冷静に振舞っていたが心の中はかなり動揺していたのだろう、今までに何千回と出入りしている慣れた玄関の扉に口をぶつけて血を流したぐらいなのだ。(笑)
仲の良い友達数人と彼氏に見送られ新幹線で母と一緒に大阪へ向かった、頑張れ~っと声援を送られ皆が見えなくなるまで窓越しに手を振った、何故か涙は出なかった多分まだ実感がなかったのだろう。

当時転勤で大阪勤務中だった父とは新大阪で合流し一緒に関空へ向かった。
搭乗手続きを済ませ時間があったので両親と一緒に喫茶店へ入り時間を潰した、搭乗手続きの最中緊張のあまり下痢になった私は何も食べずミックスジュースだけ飲んだような気がする。別に飛行機恐怖症な訳でもないむしろ乗るのは好きな方だ、でも何故か何度も乗って慣れている今でさえ空港へ着くと下痢になるのだ。(笑)

両親とも涙の別れではなくまるで買い物にでも出かける時のように、じゃ~行って来るからっと私はサッサとゲートへ向かった、別に強がりじゃなく日本、両親、家族、友達、彼氏、と離れ離れになる実感がなかったのだ。

免税店を一通り見てから搭乗ゲートへ向かい、買ったばかりのビデオカメラで私の乗るエアカナダを撮影してから飛行機へ乗り込んだ。
飛行機の中はけっこうガラっとしていて私の隣2席も空席だったような気がする、すっかり日が沈み滑走路の照明がピカピカと綺麗に点滅していた、飛行機は予定時刻を少し送れいよいよ離陸、私は雲の中に入るまで大阪の夜景を眺めていた。
そしてバンクーバに着いたと同時に私にとっては大きな難関が待ち受けていることなど全く知る余地もなく、ホームステイファミリーの写真を見ながらこれから始まるカナダでの生活に夢を膨らませていた。

つづく

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