◆◇raraと猫げんき◇◆

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不安と疑問と偏見


 40代半ばの今なら、手術をしても骨の接合や人工関節との感染が少なくて

回復も早く上手く行くのではないかと、私はそう考えて手術をしようと

思っていたのに・・・。


 今までは腫れて痛くなると何も出来ずに手をかばって来た

その挙句がこの指の形になったのだろうか

その時に痛くても骨をボキボキ言わせながらリハビリをすれば

こんなに曲がらなかったのだろうか

手術後は痛くて腫れるだろうし、それでもリハビリで動かさないと

また、曲がったままの使えない指になってしまうと聞いた

手術後の腫れたままの痛い指を無理やりに動かす

そういうリハビリの効果はどの位あるのだろうか、、

疑問と不安で仕方がない


 自分が他の誰かと同じ状態であっても

今まで私と同じ指だった人に出会った事が無い

みんなそれぞれ、違う状態なのに

他人の指の方が使いやすそうに見えるのかも

私は人前で自分の指を見られる事に抵抗があっても

変える事も出来ない事で悩むのは可笑しいと思っていた時もあった

でも、そう思えたのはホンの10年間ぐらいだったかもしれない

私の指がこんなに醜く曲がってしまってから人前に出る事が減ったのは

極最近になってから、ここ数年だったと思う


 子供時代の周りからの偏見の中、手足の指が曲がっているから

痛くて出来ない事が多いと言っても、その出来ない事を何度も責められてきた

一度この手で運べた重い荷物は、その次も運べるものだと周りは思う

しかし、次に運べるとは限らないのに激痛が出て運べなくなった事を

やりたくない為の言い訳だと、、何度も周りから責められた

子供時代の弱者のそういう些細な状況を説明して理解出来る人は

例え、大人であっても私の周りには少数しか居なかった

守ってくれる人も理解しようとする人も少なかった

学校こそがその理解者の少ない典型的な場所だろう

知識の無い人の集団だから、時として地獄になる場所だった

汚い物には触れたくない、変な形のものは排除する

そんな風に多数決を大人が教えているのだから

その中に入れない人は排除されてしまう

同じ枠の中で同じ形にならないと余計なものとして扱われる


それと同じ事が再び来るとは思わなかった

結婚と同時にまた同じ状況になった

周囲からの偏見、一見普通に見える身体は

洋服から出ている部分の手指に周りの目が、興味が集中する

それでいて、誰もその事には関心が無い素振りをする

健康な体力のある人と同等の事をさせたがる。

試されているかのような、、とても嫌な気持ちだった


それでいて私の言葉を無視するかのような、、相手の態度や

その視線は、一体どうして向けられるのだろう

何がいけないのだろうか、出来ない事は無理だと解っているのに

出来ない=嫌だからとか、やらない に繋がる

それは集団で一人に関わらない為の 暗黙の了解なのだ

こうやって、弱者は無視されるのだと思った

そう受け取る事しか その頃の私には出来なかった


 高校卒業から結婚するまでの7年間、

自分なりに頑張って仕事も健康な人と同じ事ができる事を

目標にしてきたから、結婚で仕事を辞められる時は

正直ホッとした。もう手指も肘関節も限界で、変形も進んでしまった。

健康で無い事を承知で主人の親に、結婚する事を許されたが

何をやっても長続きをしないし、身体が辛いのと同様にココロも重かった


リウマチが落ち着いてきたら薬をセーブして子供を望んでいたのに

残念ながら不妊治療に10年かけても恵まれなかった、、

それも治療中の薬によるホルモンのバランスを崩して身体は

もう、ボロボロだった。

不妊治療を止めてから10年経つのに、ホルモンバランスは元には戻らない


 薬に対する不信感はそれからずっと後まで私を苦しめる




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