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回復の淵

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この丘から
一人立って
足もとを望めば
眼下の雲は流れて
深い淵がみえる

淵で澱む濁流
涙がこぼれても
落ちた音さえ聞こえない

深い闇

足を出せば 引きずりこまれそうな
肌から溶け出して
囚われてしまいそうな

情の渦

だから私は
淵を見ないように
背を向けて
光を向いて
淵から丘へ

私の淵は
いつも大きく開いて
すべてを呑み込もうとしている


だけど私は
淵を抱えて
ひとりぼっちで

静かに

すっとずっと

こらえていくよ

回復の淵:2005/03/02




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