2009年05月23日
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 マグネシウムとレーザーを用いた再生可能エネルギーサイクル
 というのがあって、最近新聞で取り上げられたらしい。
「石油、石炭もういらない!? マグネシウム・エネルギー社会 東工大教授が提言」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/technology/science/CK2009051202000131.html

 ちょっと理解のずれた記事だが、、しかし有望なのかどうか・・
 発電効率、車への普及、ともにちょっと他の方式よりも良さそうだと思う。が、それ以上の強い利点がないな。
(注意点。研究の進展があっての発表ではなく、新聞がかってに取材して発表しただけということ)

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 この要点は、Mgを作り出す事じゃなく、MgOの再生効率が要点だろう。


(計算すると、全体熱量を2万度分とし、4千度分が高温。蒸発熱を5300度として、50%が分解エネルギーかな。)
 現場に運んで→使用現場で電池式に発電。(金属酸化燃料電池)=充電時は効率100%。放電効率は・・
 あるいは、現場に運んで→水素発生して動力化 

 ――ということで、レーザーの原理効率が100%に近ければ、原理的に極めて効率が高そうだ。
 いったん水素化して動力にするのは、今の時点では内燃機関が小型で出力が高いと見たからだろう。

 実際には2007年の論文では レーザーの 目標30% × Mgの再生効率50%が目標だったらしい。
 2005年の三菱商事との提携では 目標50% というが (×50%=25%)。
 発電自体はライバルより少しましか。
 おそらく、集光した他の光エネルギーを太陽熱発電に利用するのでは?と思う。

 高温加熱の熱量を回生して100%をめざさないといけないと思う。
(2005年のプロジェクトでは、プラズマ状態を利用したMHD発電とか、レーザー爆発エンジンとか、スポンサーができたついでのおもしろ実験を考えていたらしい。)


 発電の場所としては、直射日光が長く連続してほしいので、MgOの再生に向いているのは日本なり東・南側の青天の多い地方。 それは、太陽光を収束して発電するのと同様。

 この教授の発想の元の一つは、 金属酸化燃料電池  らしい。

 反応速度と重量との兼ね合わせで選んだんだろうけど。

 奇妙なことは、MgOの電気分解法があることを語らずに、精錬法としての還元法をもとに従来の方法ではダメだといっていること。
 だから、レーザーが必要なんだという。
 いささかペテンだな。
 レーザでなく、ふつうの太陽発電で電気分解してもいいだろうに。
 ま、レーザーの効率が他の方式よりも高くなればいいけどね。

 もう一つは、南国の太陽光発電の電力をパックにして日本に輸入したいということらしい。
 東工大ってこの手の夢のある学者が多そうだ。シンラタービンとか。
 この人も「マグネシウムとレーザーを用いた再生可能エネルギーサイクル」の中で、「さらなる夢」とかの小見出しを設けてるし。
 で、シンラタービンの実験発表も、タービン効率はともかく、蒸発熱を使ってカルノーサイクルレベルの効率ができるというのが信じられなかったり。
 (熱力学が自分にはわかってないのか?・・・)

 昔、原子力夜間電力、南国の太陽発電 →NaOHの分解 →Na+水で水素 →燃料電池かエンジン、ということを考えた。Na、Ca、Mgはどうかとか。
 (いろいろ実用的知識がなくて、その方に進もうとは踏ん切れなかったが)
 今見ると、Mgの方が、針金や多孔質にできる分、出力調整がし易いと思う。 (ああ)
 Mg(OH)2が発生するが、NaOHほどひどいアルカリではないし、
 Mg燃料電池はMgOが発生するのが再生しにくい云々などと言わずに、それは電気分解で再生することにして、さっさとMg燃料電池を開発すればいいのだが、この教授はレーザー核融合が長年の研究対象であり、第一次エネルギー源として太陽エネルギーを使うというのが、自分のやりたいことだったのだろう。

 レーザー光を使って、 千度以上の高温蒸気を作って発電するという、小型発電ユニットを作る方が早い気もするが 。レーザーの価格次第ではね。



---------追伸------現状、最善は------------

 むしろ、現在では半分以上の集光された熱がレーザーに使われないんだし、不必要な光をシリコン油で吸収するという出願もこの人はしているらしい(特許公開の中にあった)。 その先をちゃんと読んでないが、その集光した余分な光を吸収した油を利用して、温水を加熱し、 最後にレーザーで爆発的間欠的に蒸発させ、蒸気をレーザーで1000度以上に加熱して発電 させたらどうかとも思うが、、、その方が効率が良くなったりして。








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最終更新日  2009年05月24日 00時07分15秒
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