漆黒の空

漆黒の空

Real Night-Mare 2



「ただいま」家路に帰り着くとシンはご飯も食べずにお風呂の直行した。シンの家は「荒武宗」の宗家で今年で50周年となる寺院だ、シンは一応十代目となる身分だった。風呂の中でシンはあの声について考えていた、「あの声は確かに俺に訴えかけている。でも一体なにを?」今日は気だるさが身体から抜けない。もう寝よう・・・その夜の事だった。「・・ン、シン・・お・・えに、お前に危険が迫っている。・・・シン、破滅(ラグナロク)は、もうすぐだ。お前にチカラを与えようぞ・・」あの声がする、暗闇の中で声が聞こえた。その刹那自分の目に飛び込んできたのは、ありもしない景色だった、崩壊した校舎。四肢をもがれ、ズタズタに引き裂かれたクラスメート、そしてその骸(むくろ)を喰らうモノ。紅い鮮血にまみれた己の身体、言葉にならない声がシンを襲った。

「うわぁーーー!!」目が覚めると、額から大量の汗を流していた。「夢か・・・」夢であってよかったと、安堵したがもしこれが現実ならという不安もないとは言えなかった。朝食を済ませ心にわだかまりがあるまま学校に登校して行った。翔凰高校に行くには電車に乗らないといけない、そのため駅へ向かった。駅ではユウキとリュウジが楽しそうに話していた。「おはよう!!」リュウジがシンに気づいて手を振った、シンも気だるそうに手を振り返す。「元気ねーな!どうした!?」ユウキが屈託のない笑みをこぼしながら話かけて来た、シンは友達を見ているのが辛くなった。あの夢を見たためだろうか、夢枕にみたアレが現実に起こることを恐れていた。学校に着き、SHRが始る間、シンはあの夢の事について考えていた。破滅(ラグナロク)そのコトバが頭から離れなかった。忘れようとすればするほど、その恐怖に自分が押しつぶされそうな気がしたからだ。しかし、その他にも気になるコトバがあった。「チカラを与えようぞ。」そのコトバはまるで与えたチカラで破滅を食い止めろとしか解釈できなった・・いや、そう解釈せざるをえなかったのだ。しかし授業も始まり、いつもと変わらない一日が始った。「やはり夢は所詮夢か・・信じておびえてた自分がバカみたいだな。」と心の中で思いつつ、授業を受けていた。ところが、1限、2限と時が進むにつれ、シン「それ」を感じつつあった・・・そして「それ」は姿をあらわにしたのだ。4限目はシンの苦手としている数学であった。やる気もなくぽーっと気になる女子を眺めていた。「中森阿耶香(ナカモリアヤカ)」シンはその子の事が気になっていたらしいが、なかなか話せないままメールのやり取りばかりしていた。友達のユウキやタクシ、リュウジは「馬面じゃん、確かに可愛いけど馬面じゃん。」と言っては、シンを冷やかしていた。すると阿耶香と目が合ってしまった。「ヤベっ!」と思いシンは目を窓の外に向けた。空は青く澄み、雲一つ浮かんでなくて綺麗だった。その瞬間シンは得体の知れない寒気を感じた。自分でもわかる、その寒気は何か危険が迫っているという事を物語っていた。「まさか・・・」授業にも関わらず身を乗り出して空を見渡した。そこには人でも鳥でもましてや飛行機でもない「それ」が浮かんでいた。まじまじとシンが見てると得体の知れないそれから閃光が発せられた。周囲から爆音が響き渡り、爆風でいろんなものが吹き飛んだ、シンも爆風で吹き飛ばされ、その衝撃で気を失った。

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