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2006年08月30日
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カテゴリ: 闇ヨリイデシ蝶
牛飼い童はガタガタと震えながら暗闇を指差した。

斎雅は眉根を寄せた。
「…女?何処に?いないぞ。」
暗闇にいくら目を凝らしても人は立っていない。
だが牛飼い童は顔を青くしながら首を振った。
「立ってはいません!倒れています!」
「何?」
(真夜中に路上で倒れているなど……)

(右京で倒れているなど、危ない。最近では荒れていく一方なのに)
それこそ路上で倒れて人を喰う妖かしかもしれないし、
ただ行き倒れた乞食の女かもしれない。
普段だったら無視をしてしまうそんな右京の光景を、
何故だか斎雅は気になった。
「何処だ?」
「あそこに…」
牛飼い童が持っていた灯りを掲げた。
「……」
確かに、人がうつ伏せで倒れていた。
「ここで待っていなさい。」

持っている灯りで照らすと女の長い髪が地面にたゆうっているのが見えた。
しかし、
(この女人、着ている物が単だけ……!?)
単は十二単など着物の中に着る、下着と同じものである。それも、普通白である
はずのそれは真っ黒に染め上げられていた。

「おい、大丈夫か!?」
返事がないので抱き起こす。
すると顔にかかっていた長い髪がはらりと肩に落ち、女の顔が灯りに照らされた。
斎雅は息を呑んだ。
「まさか……!!」
女は目を閉じたまま。
「お前は…!!揚羽!!」
倒れていたのは何年も前に死んだはずの揚羽、その人だった。






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最終更新日  2006年08月30日 05時58分48秒
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