連絡帳

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ケイト・レディは負け犬じゃない



原題は「I Don't Know How She Does It」
苦悩するワーキングマザーのお話。

「過去10年の間に、わがイギリスは階級のない社会になった。でもそうしたニュースも上流階級の人間にはなかなか届かないようだ。ジェレミーのような男にとって、イングランドはいまだにハイドパークで終わり、そこから先はスコットランドなのであり、スコットランドは彼らが8月に獲物を殺しに行く場所なのだ。」

(仕事中毒の夫に妻が遺した数10ページに及ぶメモ)
『あなたの家庭ーーどんなふうに回っているか!』
「クリスマスのデコレーションがどこにしまってあるかまで書いていったよ。」
・・・子ども達があなたより背が高くなったからという理由でキスをするのを止めないで下さい。

「問題はね、企業の側が、女性が出産後も職場に戻れるようにしてやっているのだから、われわれは女性に大変な恩恵を施してる、という気になっていることよ。だから、その代償として、女はつまらないことでいちいち文句を言わないこと、子育てとの両立の大変さを愚痴らないことを求められているわけ。だけど、忘れちゃだめよ。わたしたちのほうこそ企業に大変な恩恵を施しているってことを。わたしたちは人類が絶滅しないようにがんばってるんだから。それ以上に大事なことなんてこの世にはないのよ。もし女が子どもを産まなくなったら、企業は将来お客をどこで見つければいいの?」

(幼稚園の先生との面接で)
「いいパブリックスクールに入るには・・・・」
「エミリーは6歳にして早くも履歴書が必要なんですか?」

「男が会社を早退してほんの短いお楽しみの時間だけ子どもにつきあうと、献身的で子煩悩な父親のお手本だ、といって喝采される。女が病気の子どもに付き添うために早退しなければならないというと、組織の秩序を乱す無責任女で「仕事に十分に打ち込んでいない」と罵倒される。父親が自分を父親として誇示するのは力のしるし。女が母親としての立場を公にするのは恐るべき弱さのしるしなのだ。」

「いまの男はいやおうなしに彼らの父親よりもいい父親になる。おむつの替え方を知っているだけで、あるいはどの穴に哺乳瓶を突っ込めばいいかの見当がつくだけで、過去のどの世代の男よりも有能な父親としての名札をつけてもらえる。ところが、いまの女は何をしてもわたしたちの母親より悪い母親にしかなれない。」

「その瞬間まで、自分が我が子の泣き声を知っているとはおもっていなかった。なのに、それを聞いたとき、この声は絶対に忘れない、世界中の誰の泣き声を聞いてもこの泣き声と間違えるはずがない、と確信した。」


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