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あまあまの館
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「大佐、もう15回めですよ」
ホークアイ中尉に言われて先ほどから自分がため息ばかりだと知る。
どうやら仕事の方も上の空、まったく進んでいない。
「…どうかされたのですか?」
心配そうに自分をみるホークアイ中尉になんでもないと笑って見せる。
なんでもない…わけでもないのだが。
原因は分かっている。
なさけない話しだがまちがいなく“彼”が原因だ。
そう・・数日前…
* * * * * * * *
「やぁ!鋼の!」
私が満面の笑みで汽車から降りる彼を出迎える。
「…・・」
彼は露骨にイヤな顔したが、いつものことと私は気にしない。
「なんで・・あんたがここにいるんだよ…」
「相変わらずつれないな、君がここに立ち寄ると聞いてわざわざ駅まで、出迎えに来たと言うのに・・」
「だからなんでオレらが来るのがわかったんだよ!!」
「兄さん、ボクが知らせたんだよ」
いいづらそうに彼の弟、アルフォンスがおずおずと会話にはいる。
「…・ア~ル~!!」
うらめしそうに、彼が弟を見る。
「ふむ、ではなにも話しを聞いていないようだな」
「は?」
「君がここに来たのは生体錬成の本があると聞いたからだろう?」
口にはださないが、“なんで知ってる”という顔をしている。
そんなあまりにもわかりやすい彼が私はおもしろくてしかたがない。
「その本は私が預かっている。重要な本だからね」
無論、彼が来ると聞いて預かったのだが。
「…わかったよ、じゃある所に早く行こうぜ」
「今からかい?あいかわらずせっかちだなー」
なんていいながら内心は嬉しくてしかたがない、もちろん顔にはださないが・・。
「アル、先に行って宿とっておいてくれよ」
「うん、兄さん」
…・ということは?2人きり…?
「なに笑ってんだ?」
彼がいぶかしげに私を見る。
おっといけない、いけない。つい顔にでてしまったようだ。
私は適当にごまかすと彼を自分の部屋へと案内した。
ソファーに座るように勧め、自分もちゃっかり隣に座り彼のお目当ての本を見せる。
不機嫌そうな顔が、みるみる瞳を輝かせ嬉しそうに本を受とる。
そんなころころ変わる彼の様子がかわいくてつい見つめてしまう。
「そうだ、本のお礼に明日にでもお茶飲みに付き合ってくれたまえ」
「はぁー?なにいってるんだよ、誘うなら女でも誘えよ。いくらでもいるだろ?」
本から目を離さずに、面倒そうに言う。
「でも、私は君と行きたいんだよ」
さすがに本から目を離す。
「オレと茶飲んで楽しいかよ」
「楽しいよ、君が好きだからね」
あっさり言いのけると彼は最初意味が分からなかったのか、少したってからみるみると
顔が赤くなった。
「なっなにいってんだよ!!あんた!!?」
耳まで赤くする彼がかわいくて、ついもっとからかってみたくなった。
「だから、私は君とデートしたいんだよ、いいだろう?」
「ばっばかじゃねーのあんた!!」
赤い顔でうつむく彼のあごにふれ、自分に向かせる。
それがいけなかった。
顔を赤くして、困惑する彼の表情はいままで一度も見たことのないかわいらしいもので
いつのまにか、私は本気になってしまっていたのだから。
「好きだよ…」
そうささやくと、そっと彼のくちびるにふれる。
「なにしやがるー!!」
彼が私を押しのけて扉の方へと逃げるように走る。
「あんたなんか・・・あんたなんか
大嫌いだーーー
」
バンという扉が閉まる音とともに、彼は去っていった。
私が我に返ったのはまさしくこのときだった。
* * * * *
「はぁー」
16回目のため息。
まったくなさけない、話しだ。
あれから、宿の方へも行ってみるが、完全に避けられているようだ。
あたりまえといえば、あたりまえだが。
そして今日彼らがここをまた出る、と聞き朝からこのため息だ。
彼が旅に出てしまえば、またしばらくは会えないことになる。
やはり、先回りして駅の方に…いや…しかし…
まったく、一人の少年にこんな振りまわされるとは。
こんこんと扉を叩く音がする。
「…どうぞ」
不機嫌に答える。
入ってくる様子はない。
「…?、入りたまえ」
キーとゆっくりと扉が開くとそこには
「鋼の!!?」
私はおもわず机から身を乗り出す。
「もうすぐ・・出発だから…さ、一応挨拶に」
私の顔が見れないのか、そっぽを向いてモゴモゴと話す彼を、私はつい嬉しくて強く抱きしめる。
「なにすんだよ!!」
あばれる彼に私は静に耳元でささやいた。
「無事に帰って来てくれ。私の望みはそれだけだ…」
たとえ、彼が私と同じ気持ちではないとしても。この気持ちはかわらない。何年会えないとしても彼に私の気持ちが伝わらないとしてもこの気持ちは変わらないだろう。
今はただ、私の元に無事に帰って来ることだけを祈ろう。
しばらく彼は私に抱きしめられたまま黙っていた。
「もういかなきゃ」
私はゆっくりと彼を離す。
扉を開けるとなにか言いづらそうにしている。
「べ…べつにあんたのこと嫌いじゃないからな!!」
顔を真っ赤にして、彼は走り去ってしまった。
「……・」
しばらくぼうぜんと考える私。
嫌いじゃない?つまり…それは…?
私は彼が途中まで読んだ生体錬成の本を持つと、彼を追って走り出していた。
最愛の恋人を見送るために…・・。
あとがき
エドにメロメロのロイ大佐でした~(笑)でも実はテレているだけで、エドもかなりほれてます(たぶん)
私のロイさん振りまわされててだめですねーもっと大人っぽく書いてあげたいのですが、むずかしいですね。これから彼らはラブラブ街道まっしぐらです。
遠距離恋愛だけどねー。でもしばらくはホークアイ中尉もため息の数を数えなくてすみそうですね。(笑)
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