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From Me To You
小説「旅5ー器ー」
ーー器が背負っている物が違うーー
空を飛ぶ船の中で3人は相手国へ向かっていた。空を飛ぶ船はその大きさには想像つかないスピードで風を切り裂き進む。
「しかし久しぶりだな、いつからそんなファッションが趣味になった?」
キャプテンと呼ばれている男はスイの穴だらけの服を笑った。
「まぁいろいろあったのよ!」
「お前ほの格好で行く気かいな?」
「やっぱだめか?・・・キャプテン服くれ!」
「世話のやける奴だな・・・」
スイは新しい服を手に入れた。ラフではきやすい黒のズボンに黒の長袖のTシャツ、その上に黒いロングコートを用意されていた。
「あ・・・暑苦しい・・・・」
スイはロングコートだけは着なかった。
船はいっこうに空を進む。風を切り裂き雲をかぎ分け進んでいった。
「流浪!なんでそんなに必死なんだ?いつものようにトンズラすればいいじゃないか」
「そやな、何のために戦っとんのや?」
「そりゃ・・・・・・・の為・・・・」
「なんや?聞こえんわ」
「まぁいいからいいから」
「なぁスイ!流浪ってなんのことや?」
「流浪って言うのは<さすらうこと>って意味だから俺がふらふらしてるってことじゃない?なぁ!キャプテンよ!」
「・・・・別に本名で呼んでも良いんだけどな」
「ごめん辞めて・・・・」
「????」
数分後相手国が見えてきた。国の造りは<アズガルド>ほとんど同じで中心に城があり民家の街が城を囲むように建ちそれを包み込むように高い壁がある。
城の門付近から城の入り口にかけて<アズガルド>の兵が歩を進めていて各自で戦闘が起こっていた。船を城にできるだけ近づけスイを始める3人は城の正門の前に降り立った。
近くにいた<アズガルド>の兵を捕まえ今の状況を聞いた。
「只今、城をほとんど占領しましたが<アルバトロス>の王がいなくて、最上階までこちらの王を入れる最強軍が歩を進めています」
「さくらはどうなんや?」
「まだ見つかってません、捜索中です」
「有難う持ち場に戻ってくれ」
「じゃぁどうするよ?」
「決まってる乗り込むんや!」
「ん!キャプテンは城の外を頼むよ、敵を城に入れさせるな!」
「命令はすかん!勝手に暴れてるよ」
「了解!行こう」
スイと光は城の中に入っていく、城の中も<アズガルド>とあまり変わらなかったので
上への道のりは簡単に分かった。二人は走り続ける。
「ここアズガルドに似すぎだな・・・」
「ほれにはいろいろ理由があるんや」
「・・・ところで王って強いのか?」
「こっちの国で一番強いぞ」
「嘘じゃぁ」
「ホンマや!」
「へぇ~~~」
二人は走る続けた。
そのころ城の前に置いて行かれたキャプテンは不気味な笑みを浮かべ敵のいる方へ歩き出していた。
その時<アズガルド>では抗戦が続いていた。炎を使う<それ>と援軍と赤の働きで<アズガルド>の優先だった。戦闘ももう終盤だった。
スイと光は王一行においついた。王をはじめ7人の護衛がついていた。
「王!」
「おぉ光か・・・何故ここにおるんじゃ?」
「ちょっといろいろありまして、それは後でお話します。敵と姫は?」
「敵はまだ見つからない、さくらの居場所は地下だと分かって兵を向かわせている」
「敵はどのくらいッスか?」
「王になんちゅう口の利き方を・・・・」
「敵はアルバトロスの王一人じゃ、最上階にいるはずだ。」
「ふ~ん・・・光、下に行ってこい」
「はぁ?何言うてるんや?」
「お前の役目はさくらを助けること!敵を倒すことじゃない」
「しかし・・・王を残していくわけには・・・」
「お前の王はそんなに頼りないのか?」
「・・・・・・」
「王が一番心配してるんだ。察しろ。」
「ああ・・・」
光は静かに来た道を帰った。
「なかなかの策士だな・・旅人よ」
「もったいないお言葉です。私もお供します。」
「心強いことだな」
王一行は上に向かって歩き出した。その部屋はすぐに見つかった。
そこは城の頂上の部屋だった。重い扉を開けると広い何もない空間が広がっていた。
その空間の真ん中で一人の男が座っていた。
「貴様らにはしてやられたぞ・・・」
男が顔を上げたその顔は<アルガルド>の王と同じ顔だった。
「久しぶりだな兄よ・・・」
アズガルドの王は剣を抜き盾を持った。
「親愛な弟よ我が野望のため消えて貰う」
アルバトロスの王も立ち上がり剣を抜いた。アルバトロスの王の姿は鋼の鎧に包まれていた。
次の瞬間二人の王は相手に向かい走り出した。剣と剣がぶつかり合う。その衝撃で城が揺れる感じがした。二人の足下の床が少しえぐれる。そのぶつかりを合図に七人の護衛も動き出した。計八人でアルバトロスの王を囲み攻撃を加える。その後四人は後ろに下がりそれぞれの魔法をぶつける。残った三人も手を休めず。攻撃する。爆発音と共にほこりが舞う。次の瞬間そのほこりの中から鋭い光が一瞬光った気がした。
ほこりがなくなりアルバトロスの王の姿が出てきたそいつは無傷だった。そしてアルバトロスの王の近くにいた護衛の一人が倒れていた。その護衛はもう生きてはいなかった。
アルバトロスの王が動いた。まっすぐに護衛の一人に歩み寄る。護衛の一人は魔法を唱えアルバトロスの王へ攻撃した。しかしアルバトロスの王の歩みは止まらなかった。
護衛とアルバトロスの王との距離は一歩分の所まで近づいた。
「離れろ」
他の護衛の声が聞こえたが時すでに遅し。アルバトロスの王の剣が護衛の一人を貫いていた。それを見た残りの護衛三人が動いた一人は剣をさされた人を助け一人がアルバトロスの王の相手をし一人が怪我した護衛を光の属性で治す。そして距離を開ける。
「・・・・お前達もう城を出ろ」
一息おいてアズガルドの王が言った。
「え?」
「特殊な鎧で魔法は効かない打撃も効かないワシがどうにかする!ワシがしなければならぬ」
「ですが王!」
「王の命令が聞けないのか?!」
渋々と護衛は扉の方へ向かう。部屋を出る扉の横にいつの間にかアルバトロスの王の姿があった。
「誰がここを出ていいと?」
剣先を護衛に向ける。そしてその剣を振り下ろす。
「王様だよ」
スイがその剣を鞘で遮る。そして片手に持った刀でアルバトロスの王に斬りかかる。
刀の刃は王の鎧で止まる。その間に護衛が部屋を出ていく。
それを確認するとスイは刀を納め距離をおく。
「誰だ・・・・?」
「我が国を導いてくれた旅人だ。」
「貴様が・国の進撃を防いだ・・なかなかの策士だな」
「どうも、んじゃぁ」
スイは素早く部屋を出ていった。その後二人の王は向かい合った。
「今日こそ長きに渡る兄弟喧嘩の幕を閉じよう。アルバトロスの王、兄オルカよ」
「そうだな・・・アズガルドの王、弟エリック・・・・・」
二人は剣を交えた。二つの剣は重なり合い金属の音をあたりに響かす。
アズガルドの王エリックはあらゆる種類の属性の魔法をアルバトロスの王オルカにぶつける。
しかしオルカの鎧が魔法を全て吸収した。
「どうだ・・?この日のために造った我だけの鎧だ。魔法しかつかえない貴様らに最適だろう?」
「猪口才な・・・」
エリックは魔法を繰り出し続ける。しかしオルカの鎧はいかなる魔法も受け付けない。
何度も何度も魔法を繰り出すがオルカはひるまず前に進んでくる。
二人の距離が2メートル以内に縮まる
「この鎧はな吸収した魔法を放つことができる」
「何・・?」
オルカの剣が白く輝き出す
「つまり貴様の技が蓄積されている」
オルカは剣を振り下ろす。エリックはとっさに自分の剣でその斬撃を防ごうとする。
剣がふれあった瞬間オルカの剣の光は強り部屋を包んだ。
光がおさまるとそこには傷だらけのエリックがいた。エリックの近くの地面や壁は無数の深い傷で埋め尽くされていた。
オルカは剣を納め距離をとった
「貴様我の野望が分かるか?貴様を殺し貴様の国を乗っ取る」
「娘が・・見破るさ・・」
「貴様のためとでもいったら嘘もつくだろう、民を信じさしそして殺す。女王もな」
「ワシがさせるとでも想っておるのか?」
エリックはゆっくりと立ち上がる
「防げるのか?貴様の時代は終わったのだ」
エリックは力無く斬りかかる。しかしオルカがそれを受けそしてエリックの剣をはらいのける。
「我が野望のために死ね・・・・」
「聞~ちゃった~聞~ちゃったぁ~み~んな~に言うた~~ろ~~」
二人の後ろから声が聞こえてきた。
そこにはさっき出ていったはずのスイの姿があった。
「どうする?おっさん殺せばみんなにばらすぞ。死にかけはおいといて俺と戦おうぜ」
「貴様ぁ・・・・」
「辞めろ旅人・・・・これは国の問題なのだ・・・首をつっこむな・・・」
「国?そんなもん知らん。今、目の前の奴がそれぞれの邪魔になっている。ということはそれぞれただの敵!倒すべき敵に国は関係はない!」
「大した策士だ」
オルカは剣を抜いた。スイも刀を抜く。双方同時に動き出す。
激しい攻防戦が続く。鋭い金属音が絶えず響き渡る。
剣術ではスイの方が上だったようでオルカの鎧にスイの刀の傷が少しずつついていく。
続けてスイは一瞬の隙をつきまたオルカに斬撃をあびせようとするがオルカはスイの刀を片手で受け止める。その片手の手首の鎧の一カ所がはずれ銃口が出てくる。
そこから数発の弾丸が飛び出る。スイは弾丸を風でさえぎる。そしてホルスターから銃を取りだし手首の銃口へ発砲する。放たれた弾丸は手首の銃口の中へ入り籠手が爆発した。
爆発の傷でオルカは刀を離す。スイは無防備になった血だらけの手に斬りかかるが、剣で防がれる。その時銃でオルカの手を撃ち抜く、その後オルカに蹴りをくらわし距離を無理矢理ひき離す。
「ひゃっひゃっひゃ小細工が仇となったな」
「・・・・・・」
「次は貫くぜ・・風よ・・突き刺され」
スイは腕で空を切るすると風の刃が現れ一直線にオルカに向かう。
次の瞬間風の刃がオルカに刺さる。しかしあまり大きな傷にはならなかった。
「何故だ・・?」
「まだ覚えたての俺のはまだ未熟ってことだ。魔法とは呼べないだよ。その鎧ももう駄目だな」
「貴様にはつくづく腹が立つ・・・・・言っておくが我の鎧は一つではない」
オルカは鎧の胸のあたりの隠れたボタンを押す。すると城が動き出す。
「この城に隠してある各鎧をここに集める」
数秒後3人がいる部屋に複数の鎧のかけらが飛んでくる。それらはどんどんオルカの体にくっついていく。
「すげぇなぁこの城」
数秒後オルカの鎧は完全になった。最初より一回り大きく見るからに強力になった鎧がオルカを纏う。
「最強と化したこの我に武器など無用になった」
オルカは剣を投げ捨てる
「第2ラウンドかい?」
スイはオルカに向かい走り出した。刀で何度もオルカを斬る。しかし傷一つつかない銃も撃ってみるが効果はまるで見られないスイ独特の魔法も意味をなさない。
オルカは一度拳をスイにふるう。スイは風と刀で防ぐものの引き飛び壁にめり込む、前をむき直すと目の前にオルカの姿があった。オルカはスイの頭をつかみ片手でその体を持ち上げる。そしてもう片方の手でまた殴る。スイは反対側の壁にぶつかり地面に落ちる。
また目の前にはオルカが立ちすくむ。1殴りして吹き飛んでいくスイに追いつき両手で大きな拳を造りスイにたたき落とす。
スイはその攻撃で城の一階までそれぞれの階の底ごと落ちる。
「確かに貫いたな・・・我が城を・・・」
その後オルカはエリックを睨む
「貴様の番だ」
そこに一人の男がまた部屋に入ってくる
「王!ご無事で!」
「光・・・」
「安心してください。姫は無事保護しました。」
光は槍を構えオルカとエリックの間に立つ
「何故・・何故次から次へと我の邪魔をする・・・どいつもこいつも・・・邪魔だぁ」
オルカが光に襲いかかる。光は槍に電気を纏い応戦する。しかしオルカの鎧には効かず。
一瞬のうちに光もやられ・・倒れる
「何度我の邪魔をすれば気が済む。貴様らでは我にはかなわんのだ、雑魚ばかりが群れてどうにもならんのに勝負を挑んできて、我の邪魔をするなぁぁ」
「・・・・黙れ・・・・」
その時オルカの目の前にスイが立っていた。
スイは王の後頭部を鷲掴みにして地面に押しつけた。王の頭は地面にめり込んだ。
スイの至る所に真っ赤な血が付いていた。そのスイはいつもと違っていた。
目が深いブルーになっていた。
その後王はゆっくりと立ち上がりスイに向く
「我の・・我の邪魔をするな」
「てめぇは何のために戦ってる・・・・?」
「何のためぇ?己のためだ、それ以外に何がある」
「そんなんじゃ・・この中の誰も殺せない・・・ましてやさくらなんぞ殺せわしない・・・・・」
「ふざけるな!」
王はスイに殴りかかる
「器が・・・・背負ってる物が違うんだよ・・・・」
スイはがむしゃらに刀を振るう。王の右腕は真上に飛ぶ
その時スイの刀には風の刃が何十にもかさなり太さは二の腕二つ分ほど長さはスイの背と同じだった。大剣と呼ぶにふさわしいだろう。
「研ぎ澄まされた風の刃は万物を切り裂く」
「うぅ・・魔法は効かないはずだぁ」
「魔法じゃなく・・・俺のオリジナルだ・・・」
「馬鹿な・そんな馬鹿な・・我の野望はこんな所で消えはしない・・我は・・我はぁぁ」
「相手が・・・悪かったな・・・」
「邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だぁ」
「もう・・・俺を・・怒らせるな・・・<昔>に戻らせるな・・・」
スイは風を纏った大剣でオルカの鎧を切り裂く辺りに激しい金属音を出しながら鎧が散らばる。
「・・・馬鹿な・・」
無防備になったオルカの眉間に銃口をつきつける
「終わりだ・・・」
「何故だ・・何故そこまで戦える・・何のために・・・!!」
「・・・・<友達>の為だろ・・・・」
銃声が響く
「我は・・ワ・レ・・・ハ・・・」
小説「旅5ー宝ー」
<あとがき>
ひっさしぶりの小説更新しました
なんだかあっけない敵との決着ですいません
ちょいと謎がありましてね
そういうのを次ので明かしてやりたいと想います
決して手抜きとかではありませんよ
簡単に言うとスイさん<目覚めて>しまったのですよ・・・
まぁ次回頑張ります
ここまでおつきあい有難うございました
またのご利用お待ちしております
2004年6月5日
全作からニケ月も経ってはる!!!
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