Rie’s ROOM

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厳しい現実


厳しい現実


心房中隔欠損(以下略 ASD)と肺動脈弁狭窄は 出生病院とは別の
小児心臓外科のあるところへ通っている。この話は 1歳の頃のことである。

今までは レントゲンを撮って心臓が肥大していないか等の観察が主で
毎回特に変わった事もなく ただ義務的に通院をしていた。
今回は入眠剤を飲ませて半年振りぐらいの心エコーが予定されていた。
エコーが終わり診察室に呼ばれた私達夫婦に先生は「ASDの方は 
穴の周りに薄い膜のような組織が出来ていて 血液の漏れはわずかしかない
このまま膜に覆われて 穴がふさがる可能性もありますが 肺動脈弁狭窄の方は
 弁だけじゃなく弁の上にも狭窄している箇所がこの子にはあります」
『・・・・・・!』初めて聞いた。更に先生は「この場合 カテーテルでは
弁の上の狭窄は改善できません」『と・・いうことは?』「手術が必要となります」
私は カテーテルという開胸手術以外の方法があるという事に 依存して
安心していたのだが見事に打ち砕かれた「今すぐ・・ということではありません。
この手術を受けるには最低12kgは必要です。まぁ 小学校に上がるまでに
手術をするつもりでいてください」
1年で 5kgにも満たないたっくんが6歳までに12kgなんて・・・想像もつかない。

さらに 今までたっくんが大きくなれないのは 心臓からくるものだと思っていたし
ずっとそう言われてきた。心臓のことがあるから・・とある種逃げ道があったが
それも実は間違っていたというのだ
ミルクがたくさん飲めないのも ヌーナン症候群から来ている「発達障害」で
しかもたっくんはヌーナン症候群の中でもきつく症状が出ている・・と心臓外科の先生は言った。
ヌーナンは2000人に1人の割合と言われているわりには あまりお目に掛かったことがない…
と思っていたのだがそれは 軽度・重度があって「ヌーナン症候群」と診断されても
必ずしもたっくんのような成長曲線を辿るとは限らない、ということが判った。
夫婦でまた黙りこんでしまった。

自分では まだたっくんの病気の事を受けとめられないでいたのだ。
どこかで 必ずいつかは追いつくことが出来る!とまだ信じていた。
信じていたかった・・・。「たっくんは将来どうなるのですか?」という質問は
出生から約4年経った今でもまだ 怖くて聞けないでいることの一つである。


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