続ダーリンのリハビリ日記「本当の回復を目指して」

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脊髄損傷の排尿と排便について



実はそれ以上というかそれと同じぐらい深刻なのが脊髄損傷につきものの膀胱障害と直腸障害です。

膀胱にも肛門にも括約筋というのがあり、これは脊髄神経を経由して脳によりコントロールされ、健常者は尿意や便意を感じてトイレに行き、排泄します。

脊髄損傷者はこの脳からの命令が途中(脊髄)で遮断されているため、尿意や便意が無い人が多く、括約筋のコントロールができないため、便や尿を自力で出すことが困難です。

ですので、膀胱ロウなどの手術をしている人を除き、脊髄損傷者は排尿は自己導尿(導尿カテーテルを尿道から膀胱に管を差込み膀胱内にたまった尿をとる)や摘便(直腸内にある便を肛門から指でかきだす)または浣腸により便を出している人が多いです。

通常の消化排泄ができないため、常に胃腸薬や下剤で強制的に内臓を動かしている状態です。また導尿に関しては、どんなに気をつけていても、尿路感染症との戦いがやむ日はありません。

異物である導尿カテーテルは滅菌された状態で病院からもらい、常に消毒薬のジアミトール水につけて保管していますが、本人の体調や何かしらの雑菌の混入により、尿道に雑菌が入り、40度以上の高熱をともなう尿路感染症を起こしてしまいます。

本人は膀胱や尿道にも感覚がないので、尿の濁りや高熱がその唯一のしるしとなります。悪化すると腎不全をおこし、命にかかわります。

過去の脊髄損傷者の多くが腎不全がもとでなくなりました。うちのダーリンも排便はレシカルボンという直腸内でガスを発生させる座薬を使い、腹圧を使って自然排便するようになっていましたが(北海道のU先生のところで腹圧訓練を受けてから可能になりました。)排尿は今年の3月まで自己導尿でした。ところが、今年(平成17年)の4月に、2度目にU先生のところに行った時に、宿舎を管理してくれているIさんから、排便の際に自然に尿がでることを告げたところ、「自力排尿の訓練をしてみたら」と言われました。

カテーテルを入れなくても腹圧を使って括約筋を開かせることができるようになってるのかもしれない、と。実はこの2回目の北海道行き(今年の4月初め)直前に尿路感染症を起こし、なんとか自力排尿できるようになればと思っていたところでしたので、とにかく大阪に帰ってから始めることにしました。

始めは1時間とかの短い時間間隔でとったり、尿漏れしたりしていましたが、半年経った現在では一切カテーテルを入れることなく自力排尿しています。主治医からも夏の尿量の少ない、暑い時期に尿路感染症を起こさなかったことを考えれば「成功」したと考えてよいでしょうと太鼓判を押されたのです。

これもリハビリを続けてきて腹圧その他が発達してきたお陰だと思っています。排便も以前は私(妻)の手助けが必要でしたが、今はそれも必要なくなったのです。


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