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2002.10.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ちよっぴり今日はポエマーに

 秋の花火

 楽しみにしていたのに、本当に今日は楽しみにしていたのに。
 何気ないことで最低な気持ちになった。

 涙がぽろぽろぽろぽろ、後から後からぽろぽろぽろぽろ。
 泣くな泣くな、ギュッと閉じるとじんわーりじんわり。

 そしてまたぽろぽろぽろぽろ。

 黙って家を飛び出した。
 何も持たず、両手をポケットの中に突っ込んで。



 夜空に花火の大輪が咲き乱れ、道沿いには、
 人、人、人。車、車、車。

 ひたすらに歩いた。花火を背にして、上を向く人を横目で見て
 背筋を伸ばし、顎を引き、じっと前を見据えて。
 どこかに行きたかったわけでもなく
 何かをしたかったわけでもなく、ただひたすらに。

 背に花火の音が響いた。激しいが虚ろに。
 虚ろの中に哀しさを秘めているかのように、
 季節外れの花火は響いた。

 誰もいない路地を見つけて歩いた。
 前面の家の窓に、お寺の御影石の石柱に、

 影の花火、それしか目にしたくない。

 気がつくと誰もいないぽっかりと空いた空間に。
 花火でけぶった、ダークグレーの空のスクリーンがあった。
 そこで初めて正面から花火を見つめた。
 手はポケットに、でも直立不動で。


 はじめて、そのときはじめて口の片端が軽く上がった。





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最終更新日  2002.10.05 22:09:41
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