RiSu*が飛ぶ♪

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息子を地元の幼稚園に放り込むっ!



 ドイツに来る前は、息子を幼稚園に入れようなどとは全く思っていなかった。日本にいたらちょうど3年保育でいう年少さんの年齢だったし、小さい町なので日本人幼稚園なんて絶対にないので、ドイツ語が話せない彼にドイツ人の幼稚園にいれるのは、ちょっと酷な気もしていたので、敢えて入れることもないか、と思っていたのである。家のまわりにだって日本と同じようにきっと公園があって、きっとドイツ人の子供たちだって遊んでいるだろうから、その中で少しずつ慣れていってくれたらいいなと思っていた。

 しかしっ!!!家の近くの公園に遊びに行っても誰もいない…。毎日行ってみたけど誰もいない…時間も変えてみたけど誰もいない…みんな~ぁっ!どこにいるのぉぉぉぉぉぉ!!!!と叫びたくなった。で、まわりの家をよく見ると、そんな郊外の町だから土地がいっぱいあるわけで、みんなひろ~いお庭がある。ハイジにでてきそうな大きな木にかかっているブランコや、ハンモック、お砂場、おままごと用の小さいおうちだってある家が並んでいる・…息子はそんな家を見ながらつぶやいた。「お母さん、ドイツには公園付きのお家があるんだねぇ…」と…そう、わざわざ公園まで行かなくてもいいのである。

 日本と違って個人をとても大事にするドイツ人だから、たとえば日本で“公園デビュー”とやらでやっきになって公園仲間を作ろうなんて意識はないのだと思う。みんな個々の家庭でそれぞれの過ごし方をする…と、ごくあたりまえのことを思い出させてくれた。

 でも、私達の関係はどんどん煮詰まってくる。私ももう我慢ができなくなった。やっぱり子供には同年代の友達が必要だ。私にも必要だぁ!!えーーーーーーーいっ、幼稚園に入れてしまえぇぇぇぇっ!!!こうして幸か不幸か彼のドイツ幼稚園生活が始まるのである。

 私は知人に幼稚園のことを相談すると、彼女はその手続きの一切を引き受けてくれ、おかげで事は実にスムーズに進んだ。ドイツの他の幼稚園のことはわからないが、息子が通っていた幼稚園は教会が経営している幼稚園で、日本で言う「保育園」のようなところだった。子供達が通うクラスはは朝の8時から夕方5時までのクラスと、午前中だけ通うクラス、午後だけ通うクラスに分かれていた。送り迎えは親がする。私も息子もドイツ語が全くといってよいほど話せないということを考慮してくれて、子供の人数が少ない午後だけ通うクラスに入れていただいた。午後は全体で14~15人くらいで、先生は2~3人いらっしゃった。(幼稚園全体の子供の人数は100人以上らしい。先生の数も午前中はもっとたくさんいらっしゃる)年齢別のクラスではなくて、どのクラスも“縦割り保育”とよばれるいろいろな年齢の子供で構成されていた。

 最初の日は息子はわけわからず、私に幼稚園に連れて行かれ、その日は1日私も一緒にいたので、彼はドイツ人の子供たちにまぎれて、久しぶりに伸び伸びと楽しそうに遊んだ。問題は次の日からだった。私がずっと幼稚園にいるわけではないことを知ると、顔色が変わった。いやだと泣いた。まあ、予想はしていたのでとにかく連れて行った。先生が「はろー!」と優しく迎えてくれ、泣いている彼を置いて私は帰った。こうして彼は幼稚園に行く前、毎日泣いていたが、私には“きっと大丈夫”という確信があった。それは迎えに行くと、大抵彼は幼稚園のお庭で遊んでいて、今度は「帰りたくない、まだ遊ぶぅ!!」と言って泣いていたからだ。(ただの我侭息子だ!)彼が最初に覚えたドイツ語は「noch einmal!(ノッホ アインマル)」“あともう1回!”だった。

つづく!


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