オタクでアンパイアなライダーの蛇足な日記
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「海底軍艦」(1963年(昭和38年)12月22日公開)敵に捕らえられながらも、その敵のど真ん中で、しかも大将の前で強気でいられるそんなムウ帝国の女帝になんか知らんけど感動する。というのが私の印象的なところ。あらすじはこちらからどうぞ。さてキャスト陣は当時の東宝特撮出演陣のオールスター戦と言っても過言ではない。高島忠夫、佐原健二、平田昭彦、小泉博、藤木悠、天本英世、田崎潤、田島義文と東宝特撮映画を見ていれば2回3回とみたことのある人ばかり。そしてそのキャスト陣の中には当時は2枚目スターであった上原謙も参加しているなど、文字通りのオールスターである。そんな恐ろしく濃いキャスト陣の中でも引けを取らない存在感を示したのが、冒頭で紹介したムウ帝国の女帝役であった小林哲子であろう。当時の特撮映画であそこまで堂々とした女帝を演じきったのはこの人くらいしかいないのではないかと思えるくらいである。まあ、歳が離れすぎて違うのですが、イメージとしてはガンダムのハマーン様に近いものを感じる。髪型もなんとなく似ていないこともない気が…。さて、この映画の目玉といえばなんと言っても海底軍艦こと轟天号。秘密兵器と言いながらもはや隠す気が皆無!!しかし、戦争が終わってまだそこまで日が経っていない中で、軍艦でしかも日本が戦争に勝とうとして作っていたものを使おうという考え方も当時としては中々勇気が必要だったのではないかとも思ってしまいますな。しかし、この特徴的なフォルム、なにより軍艦を空に飛ばすという突拍子もない発想はその後のSFの多かれ少なかれの影響を与えたに違いありません。しかも、この轟天号はその後様々な映画にゲスト出演する東宝の常連兵器となっていくのです…。一時期はゴジラとの対決も考えられ、ついには実現してしまうのですが、それがゴジラ・ファイナルウォーズだったわけで。この海底軍艦までの東宝特撮映画はどれもこれも、今のSF映画の下地を作ったものが多く、強いて言えば、実験的で野心的なものが多かったのでしょう。海底軍艦 [ 高島忠夫 ]海底軍艦【Blu-ray】 [ 高島忠夫 ]
2018.08.04
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