4 コッパーキャニオ


しかし俺たちはコッパーキャニオンというアメリカのグランドキャニオンの7倍はあるという大渓谷を見たくて、ロスモチスに1日滞在した後、チワワ行きの列車に乗り込んだ。
このコッパーキャニオンはロスモチスからさらに数時間列車で行ったところにある。
列車もバス同様に要所要所で停まり休憩を挟んで運転してくれる。しかしその度に、貧しい子供達が物乞いやキャンディーといったものを売りに列車へと乗って来る。
「かわいそうだよなー」とは思いつつも、借金旅行の俺は「君たちに紛れてもいいかな?」などと大変よくないことを心の中で思っていたのもまた事実である。本当にごめんなさい…。
日本では見ることのない山々の形、そして花や草。
今では海外でもめづらしくなくなってきたが、この当時、“写るんです”でそういった風景をパシャパシャ撮っている俺に、同じ列車に乗っていたヨーロッパ人達には不思議な光景に思ったらしく「なに、おもちゃのカメラで撮ってんだよ」といったような顔でこちらを見ていた。俺も“いいじゃん、撮れるんだからよ”返しの顔で応戦してやった。
コッパーキャニオンには数時間で着き、30分ぐらい列車も停まってくれた。
見渡す限りの大渓谷。そんなパノラマ大渓谷にすごく感動していると、なななな、なんと馬に乗って渓谷を下って行くメキシコ人が見えた!
「ウッソー!」友人と二人で、まるでウィーン少年合唱団のようにハモってしまった。
ここはメキシコだろ!あれじゃ上海少年少女雑技団じゃねーか!と思いながら、その馬さばきと度胸にもいたく感動した俺だった。
自然の凄さを満喫し、いざチワワへと列車は向かう。
チワワに着いたのは夜だった。この時には暗くて気付かなかったのだが、翌日の昼間またまたびっくりする光景を見ることになる。
友人とタコスを食べに行くと、いつの時代からタイムスリップしてきたんだろうというようなカウボーイハットとジーンズ、そしてウエスタンブーツのおじさんを見た。メキシコ人てこんな格好するんだなどと思いながらタコスを食べ、町をブラブラしていると、またさっきのおじさんが歩いてきた。
いや、待てよ!これはさっきのおじさんじゃない!そうこうしていると町中同じような格好をしたおじさんでいっぱいになっていた。約90%がカウボーイハットにジーンズ、ウエスタンブーツなのである。もう誰が誰なのかわからない。この人たちは自分たちでも誰が誰だかわからないのではないかと思うぐらい、不思議な町だった。
あとでわかったのだが、このチワワはメキシコでも一、二を争うぐらいの大田舎であり、「チワワから来ました」なんて言おうものなら、かなり田舎モン扱いされるらしい。
しかし俺にはなんだかかわいくも思えた。
と今日はこのへんにして、続きはまた明日書こう。

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