Freepage List
Keyword Search
Category
Comments
日本はもっと食に関してもっとガラパゴス化するべきです。ワインも同様にね!!
日本人は 1 億人を超える国としては超長寿国です。この事は日本の厚生省と医療機関の長年による努力の勝利と言って良いと思います。戦後日本政府は医療機関と共に、徹底的な減塩政策を取ります。結果として日本中のお漬物の味を変えてしまいました。私の大好きな荒巻鮭も甘塩になって不味くなりました。醤油も味噌も減塩がスーパーで幅を利かせています。結果高血圧で苦しむ人は減って合併症も減っています。
外国では減塩食品は多く無いです。外国で多いのはローファット食品、ローカロリー食品です。日本は元々油を使った調理はしません。天麩羅に植物性の油を使うぐらいです。外国では中国はラード、フランスではバターに生クリームにオリーブオイル、米国ではポテトチップに大きな肉の塊です。とにかく野菜に油を掛ければサラダ、刺身に油を掛ければカルパッチョ・・・何にでも油を使います。外国に一月いると油の無い料理が無性に食べたくなるのが普通の日本人です。
こうした、減塩、ローファットの食文化は大変素晴らしく、これは世界に広めて行くべきで日本がファット文化に変わって行く必要は無いのです。フランスでもアメリカでもトンデモナイ肥満の人が沢山います。私は日本では肥満と言われますが、欧米に行けば痩せている方です。
私はフレンチレストランを経営していますが、なるべくバターを使うな、生クリームを使うな、肉の脂身はカリカリになるまで脂を落とせと言っています。最近では塩をなるべく使わない様に指導しています。でもこの方針が理解できず多くのシェフが辞めてしまいましたが、でも減塩・ローファットの考え方を私は変えません。だってお客様の体の事を考えたらこの調理法が一番良いに決まっているからです。
ただ美味しい物を作るなら、塩と油一杯使った方が簡単に美味しく出来ます。いばらの道にこそ進む意味があると思います。ただ繁盛させたくてレストランを経営しているのでは無いのでこの方針は貫きます。
そして当然、減塩&ローファットの料理に合うワインの味は違います。アメリカや英国で人気でも日本で売れない味のワインがあるのは当然なのです。
日本人は刺しの入った A5 の肉を喜んで食べますが、食べても 100g 前後です。 450g は食べません。使う調味料もオロシポン酢とかさっぱり系です。
450g のステーキを食べる人と飲むワインが同じなわけがありません。
フランスでもソースにバターを使います。古い調理人は一人前のコースのソースに 450g のバターを使うそうです。
日本の精進料理や懐石料理では本当に油は僅かです。天麩羅でも本当に僅かな油しか口には入りません。
だから日本のワインは繊細系、薄ウマ系が多く売れます。濃い濃厚系のワインは日本人でも若い方は、から揚げやステーキ等をよく食べますから売れるとは思います。
でもワインの主要なマーケットである 30 ~ 70 歳の男女の食生活を見ると皆さんヘルシー系です。日本はヘルシー系に合うワインを輸入するべきだし、日本の国産ワインもそうあるべきなのです。
もっと言えば日本人は唾液の出る量が少ないので食事中にスープが必要です。懐石料理だとお椀と味噌汁と最初の方と最後の方にスープが二品でます。
そして顎の力も弱いです。江戸時代の人は強かった様ですが、粟・ヒエ・玄米を食べなくなったのが原因だそうです。顎の小さい人が日本では美人だと言われるのもそれが原因かと・・
腸の長さも欧米人に比べて長く、お米をじっくり消化するのに向いています。
体も味覚も違うのです。食は寿命と密接に影響しています。大いにガラパゴスを喜べば良いのです。そして世界中が和食に注目しているのもヘルシー系で新鮮だからでしょう。
そして繊細でヘルシーな料理には実にエレガントでフィネスを大事にしたワインとよく合います。
だから私は繊細な、シャンパン、白ワイン、薄ウマ系の赤ワインしか仕入れません。
MW やパーカーさんが高評価のワインには実はあまり興味はありません。
PR