がんも(ひろうす)や茶碗蒸しになくてはならないギンナン。決して数多くというのではなく、たった1個か2個のギンナンだというのにその存在価値の高さは半端ではありません。茶碗蒸しの熱い蓋をそろりと開け、三つ葉と柚子の香りをしかと確認してから、匙でめくるように椎茸や卵を掬いつつ、またカシワやエビにぶち当たりつつ、ついに、ギンナン!かと思えば...ざらつくように崩れるほんのり甘いユリ根を舌先で確認する...。やがて卵をまとう翡翠色のギンナン。もっちりと、魚介ほどの立場はないのに特別の地位を確保しているギンナン!茶碗蒸しの中には、宝探しのような楽しくおいしい幸せが一杯詰まっていますよね。
