少女



煙草の香りが広がるこの部屋

部屋の片隅

蹲っている少女が見える


其の手は赤く染まっていて

其の腕は傷だらけだった

癒えない傷を背負って

いたいけな瞳をしている


決して癒えないのは

腕の傷なんかじゃなくて

心に刻まれた傷跡なのだということ


少女の目はまるで泣き腫らした様な目なのに

一粒の涙も流れていないのは何故だろう_


遠くを見つめる其の眼には何が映っている?

空を掴む其の手は何を描いている?

小さな肩は寒くもないのに震えている


白い煙

無造作に放られた赤い剃刀

煙草の香り

年頃の小さな少女

傷だらけの腕

宙を泳ぐ瞳

目の前が一変して砂嵐


_何も見えない_

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: