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2008.08.31
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カテゴリ: エコライフ

⇒ http://www.asahi.com/english/Herald-asahi/TKY200808010063.html
に出た記事を娘が訳しました。

東京は最終処分場の確保のためプラスチックを燃やす!

ペットボトルは簡単だ。リサイクルの箱に入れるだけなのだから。だが、他のプラスチック製品はどうだろう?時には燃えるごみ、燃えないごみ、リサイクル可能なものを見分けるのは難しい。特に、それがあなたの住んでいるところによって変わるとなると。
会社員の渡辺ともこ(38)は千葉県から東京の足立区に12月に越した。今年の初め、彼女はごみの捨て方についての新しいパンフレットを区から受け取った。それにはプラスチック製品、ゴムやレザー製品も4月から可燃物になると書かれていた。
彼女は、「はじめは、本当にプラスチックのものを可燃物のごみ箱に入れていいのかなと思いました」という。「でも、次第になれていって、今では私が出すごみのペットボトル以外のものはすべて可燃物です。ペットボトルはまだリサイクルに出さなければいけませんから。」
渡辺さんの他にも、多くの東京の住民は、新しいごみの分別のルールに困惑しているようだ。
30年以上、23区のプラスチックゴミは燃えないゴミと分類されていて、東京湾の埋立て場に捨てられてきた。しかし、この処分手順そのものがゴミの山の原因なのだ。2009年の3月までには、埋め立てるゴミの半分以上を占めているプラスチックは、東京の中心の21の焼却所で焼却される。引き換えに、23区は焼却所から電力をもらうのだ。正式にいうと、それは「サーマルリサイクル」だ。

 どうして新しいルールが、それも今必要なのだろうか?東京都のゴミ処理部門のトップである松下あきお氏によれば、「主な理由は、残っている埋立て場を存続させるためです。現在、このままで行くと30年後にはいっぱいになってしまいます。しかし、かさばるプラスチックを燃やせば、50年以上はもつのです。」
 見ることは信じることだ。この筆者は東京湾最後の埋立て場、よく単に中防と呼ばれる「中央防波堤」最終処分場を訪れることを決意した。7月のある朝、私は、東京都環境整備公社によって無料で行われている6時間のツアーに参加した。1つのツアーは50人の参加者までと決まっている。私たちのガイド、栗林ゆたか(69)は「この埋立て場ツアーは大変人気なんです。特に、中年や年配の女性や、大学生、清掃産業で働く人たちの間で。」という。
 ツアーの前半では、私たちは船から埋立て場を見ることができる。竹芝桟橋から私たちはこの新東京丸という船に乗り込んだ。ここ何年も、東京の海岸は、埋立計画によって形作られてきた。
 私たちの船は、たくさんの沖の島を通り過ぎ、中央防波堤についたが、本当にそこはただ、海にある巨大なゴミ箱にすぎなかった。それは、東京湾の入り口に位置し、三つの処分場から成り立っていた。それらは内部、外部中央防波堤埋立場、そして新海面埋立場だ。内部中央防波堤は1986年にいっぱいになった。新海面のほとんどはまだ建設中だ。これが完成すると、480ヘクターにもなる。これは東京ドーム103個分だ。
 大きなコンテナー波止場を過ぎると、私の左に、柵で囲まれた埋立場が見えた。高原のような島であり、それは部分的に木や花が植えられていた。まもなく、私たちは未完成の新海面埋立場に着いた。私たちの船はその周辺を回った。これがこのツアーのハイライトだった。近い将来この果てしなく広い海がゴミ捨て場になるのは、想像しがたいことであった。
 ツアーの後半は、バスツアーだ。海底トンネルを抜けると、中央防波堤埋立場についた。内部中央防波堤埋立場にはいくつかのゴミ処理設備があった。バスの窓を通じて、私は畳や、ふとんやその他の大きなものが、粉々にされて、大きな機械のなかから、カキ氷のような形をした堆積された山に、吐き出されるのをみた。次に二つの大きな風力発電の風車が見えた。
 ゴミの山の入り口には、「燃えないゴミ」と書かれた大きな看板があった。ゴミを積んだトラックのための重量を測るところを通りすぎると、(ちなみに私たちのバスは乗客を含め16700キロであった)、私たちは30mの高さのゴミの山を見学した。私の目が届く限り、そこには、ゴミ、ゴミ、ゴミしかなかった。「レザー」や「アスベスト」とかかれた看板が見えた。私たちが見ているとき、ブルドーザーがゴミの山に取り掛かっていた。もう一人のガイド、石井としお(68)によると、メタンガスを集めるため、地下28mに、約200のパイプがこのゴミの山に取り付けられているそうだ。
 23区が共同で廃棄物を収集するために設立され、仲介的な役割を果たす、東京二十三区清掃一部事務組合によると、23区全体で、排出されるゴミの量は1989年から減り続けているという。1989年には、490万トンものゴミの量におよび、その半分が埋立場行きだった。2006年会計年度で、330万トンのゴミの量が排出され、そのうち73万トンは埋立場行きであった。去年、2007年は、320万トンであり、その2007年の新しいゴミが、私たちツアー客の前に広がっているのであった。
 ゴミの山から離れる前、石井氏は、「埋立場の区域をしっかり見ていってください。これが、東京湾に残された、ゴミ処分のための最後の場所なのです。今のところ、50年後先にどうするかは誰もわかりません。」
 明らかに、プラスチックを燃やす主な理由である、燃えないゴミの分量の減少は、有益だろう。しかし、このツアーの後でさえも、不安や反対の声が、ツアー参加者の間に挙がった。世田谷区に住む、田崎けいこ(63)は、「この政策転換について聞いたとき、裏切られたと感じました。ゴミの分別の文化は、やっとのことで、定着したというのに。今までの努力は何だったのだろう。」
 もう一人の世田谷区からの参加者である、松島みすこ(70)は、プラスチックを燃やすことが安全であるという確証が持てないという。彼女が所属する、市民グループでは、プラスチック焼却についての調査を行っている。1万人の人々に問いかけようとしている。彼女は、「私たちのグループは区では少数派なのではないかと心配です。多くの住民は、新しいゴミのルールのほうが都合が良いと思っているようです。」

 もちろん、松島さんがいったように、全体のゴミの量を減らすことが根本的な目標だ。しかし、プラスチックゴミは、区によってちがう扱いをうけている。容器包装リサイクル法に基づき、13の区は、プラスチックをリサイクルしている。東京二十三区清掃一部事務組合によると、ほかの10の区は、そのようにする計画はない、もしくは、検討中だそうだ。
 東京都の松下は、「23区でも、区によって熱意に差があるのは本当です。たとえば、いくつかの区は、プラスチックゴミを保管するだけの十分スペースがないところもあるけれど、他の区は、これ以上のゴミの分別にかけるお金がないところもあります。」、
 一部の焼却所の労働者も、プラスチックの焼却について心配している。「実を言うと、私を含め、多くの労働者たちは、この計画が実行されないでほしいと思っています。」と匿名希望の年配の焼却所労働者はいう。「プラスチックをたくさん燃やすとしたら、温度と汚染の調節がもっと難しくなります。」
 「ゴミの20%以上がプラスチックであったら、焼却炉は損害を受けると私は思います。バッグフィルターという、有害物質を取り除くフィルターが詰まりやすくなるでしょう。」と彼は続けた。
 今でさえも、プラスチックは燃えるゴミの6%を閉める。東京二十三区清掃一部事務組合は、この割合は、プラスチック焼却が本格的に始まると、10%を越すと見ている。試験運用では、一部の焼却所では、プラスチックの割合は20%近くに達した。

 これらの不安に関して、東京二十三区清掃一部事務組合の広報の小林正自郎は、「今はまだ移行段階にあるので、新しい状況に慣れるのにまだ時間が必要なのです。私たちは、変わる状況に適応しながら、慎重に計画を実行していきたいと思います」という。





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Last updated  2008.09.07 01:01:29


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