古本屋で100円読書

古本屋で100円読書

フランス No.1



うろ覚えの読書記録です。少しずつ書棚を見ながらアップして行きます。左上花ー1
面白いか面白くないかなんて個人の主観の問題です。とりあえず、るりが読んでいるくらいだから、文学史上有名な作品であることは確かです。(新しいのも入っていますが)これらの中から、ぴんと来たやつを選んでくださいね。私はインテリではないので、ホンネで面白いだのなんだのと書いていますよ。
るりのホンネで読書
No. 
作品名  
 著者名  
出版社 
感想
 1.
方法序説   
ルネ・デカルト  
岩波文庫
 われ思うゆえに我ありの有名なフレーズあり。哲学者の真摯な姿勢が伝わる一冊です。
2.
赤と黒   
スタンダール   
出版社
 昔に読んだので忘れちゃった。でも、面白かったですー。
3.
パルムの僧院   
すタンダール   
出版社
 スタンダールは好きです。フランス文学の栄光ある一冊。
4.
マノン・レスコー   
アヴェ・プレボー  
出版社
 作られた叙情という感じで私的にはいまいち。でも、読みやすく人気の高い作品。
5.
 危険な関係   
ラクロ   
出版社
 日記形式で話が進む日記文学だったと思う。 面白かったです。
6.
 三銃士  上下巻
アレクサンドル・デュマ・ペール   
岩波文庫
  「あれ? これ、読んだなぁ~。 そうか、小学生のときに読んだからか……」   
 などと、ボケをかましていたら、本当に読んでいました。 このあいだ、ブチブチ文句を言った図書館さまからお借りしていたのでした。 あら~。 何てことでしょう? 手元に本がないと、何を読んで、何を読んでないのかさっぱり分かりません。 あら~。 まー。  
 でも、「ちっ。。。読んだ本を買っちゃったよ」 とケチなことはいいません。 だって、そのうち子どもに読ませますもん。  
 感想は……。 う~ん。アホの4人組が冒険活劇をするって感じですね。 ”アホだなんていいすぎ”ですか? いや、デュマも思いっきり、登場人物をアホにしていると思いますよ。 あくまでも娯楽のつもりで書いたはずですから。  
 でも、面白いは面白いけど、この作品の性質上、7~8割くらいに話を圧縮すれば、最高だったと思います。  
 だれでもそうですが、削るというのは判断が難しいらしいです。 下手に削ったら、それこそ物語に抑揚がなくなりますし、読者の理解も伴いませんから。 でも、冒険活劇を目指すなら、やはり、もうちょっと削るべき。 ただし、時代が時代なので、作者は削るなど思いもよらかなったでしょうけど。  
 ご存知ですか? 王など、高位の権力者に奏上するときは、お世辞で7ページくらい費やしたらしいですよ。(うろ覚え)  
 お世辞を言われる王様はと言えば、めんどくさがってそこをすっ飛ばしたというくらい。w そのくせお世辞の量が少ないと、不満を漏らしたとか。。。  
 万事ゆっくり、のんびりの時代。その時代の作者に、もっと余分なものを削ってスピード感を出せ! なんて、土台無理な注文か。 こうは言っても、楽しめる作品に違いありませんが。 Oct 22, 2004
7.
モンテクリスト伯   
 アレクサンドル・デュマ・ペール  
出版社
 奇想天外な冒険譚であると同時に、復讐物語。文句なく楽しい。
8. 
仮面の男   
 アレクサンドル・デュマ・ペール  
出版社
 ちょっと物足りない。
9.
ボバリー夫人   
フローベール   
出版社
 つまらなくって挫折しました。
10.
椿姫   
 アレクサンドル・デュマ・フィス  
出版社
 世界の名作。何度読んでもあきない。ひたひたと迫る叙情は物語を通じて一貫している。
11. 
女の一生   
モーパッサン   
出版社
 ただただ苦労するだけの女性を描く心沈ませられる作品。この人って人間嫌いなのかな? 
12.
脂肪の塊   
モーパッサン   
出版社
 短編集。脂肪の塊は短編でありながら、文句なしの名作。モーパッサンで面白いのはこれだけだった。
13.
背徳者   
アンドレ・ジッド   
出版社
 内容は忘れましたが、風景描写がうまい作家です。面白い。
14.
田園交響楽   
 アンドレ・ジッド   
出版社
 ほどほどの長さで読みやすい。これぞフランス文学という代表のようなもの。
15.
イザベル   
 アンドレ・ジッド   
出版社
 これはも一つです。
16.
狭き門   
 アンドレ・ジッド   
出版社
 フランス文学の傑作でしょう。
17.
一粒の麦もし死なずば   
 アンドレ・ジッド   
出版社
 いいです。
18.
星の王子さま
 サン=テクジュペリ    
出版社
 たぶん大人の童話。この中に意味を見つけ出そうとする人多し。
19.
肉体の悪魔   
 レーモン・ラディケ  
出版社
 読みやすい。著者17歳の作品だったと思う。思春期特有の斜に構えた視線が鼻について読後感は悪い。
20.
ドルジェル伯の舞踏会   
レーモン・ラディケ   
出版社
 21歳で死を迎える直前に書かれた作品。肉体の悪魔から比べると人間を見る視点が大人になっているのが印象的。
21.
異邦人   
アルベルト・カミュ   
出版社
 昔なので面白かったとしか覚えていない。
22.
ペスト   
 アルベルト・カミュ  
出版社
 わくわくして読みました。それくらいしか覚えてない。(汗)
23.
愛人   
 マルグリット・デュラス 
河出文庫
 好きな作品ではなかった。
24.
ナジャ  
 アンドレ・ブルトン 
岩波文庫
   この本は「何の感銘も受けないセンチメンタル本」であると断言できます。 中味のないことを、なにやら上手く言いくるめようとしているようでさえあります。 (私的独断)  本音で語るのがこのHPの趣旨なのでいいますと、読まなくてもいい本だと思います。  私たちの多くは芸術家ではありません。  なので、この本で共感する人は少ないでしょう。  まあ、教養を高めたいとか、高尚な目的でもあれば別ですが。 Sep 3, 2004  
25.
太陽王の使者
ジャン・クリストフ・リュファン
早川書房
21世紀に栄光あるフランス文学の伝統を世に知らしめる傑作
26.
皇女セルマの遺言
ケニーゼ・ムラト
オスマントルコの皇女として生まれた母の人生をたどる。果たして彼女は幸せだったのだろうか?
27.
悲しみよこんにちは   
フランソワーズ・サガン   
出版社
 著者18歳のときの作品。十代が書くとかくも残酷。
28.
木を植えた男
ジャン・ジオノ
あすなろ書房
 超短い作品。でも、感動は作品の長さでは量れません。これはめったにない感動本です。かつてミリオンセラーになったはずです。でも短いので、フレデリック・パックと言う人が書いた絵本で読んだほうが感動が深いです。原作だけで読むと、イメージが膨らむ前に終わってしまいますから。
29.
黒の過程
マルグリッド・ユルスナール
白水社
 はっきり言って簡単に読める作品ではないです。でも、この作品には力があって、読者に、難しいのに面白くて最後までそらさず読ませる力があります。かつてのカトリック異端裁判の話しです。息苦しいほど教会の圧力が主人公に迫り、当時の社会的なタブーと恐怖がはっきりと分かります。傑作です。ただし、私などはこれを読むのに2週間かかりました。ガッツです!!
30.
ペギースー
セルジュ・ブリュソロ
4列一行
5列一行
31.
 地獄の季節
ランボオ
岩波文庫
  さすがに詩人と言うだけあって言葉のセンスが普通ではないです。 ただし、散文詩と言う以上、言葉の抽象化を自分で行っていますから、それなりに考えたり、悩んだりします。 品行方正ではなかった彼の16歳と言う信じられない早熟ぶり。 でも、早熟にありがちな燃え尽きた感が彼にもあってこれで断筆だそうです。 薄い一冊ですが、読むのに時間がかかります。 多分、読書に忍耐がいらない人向き。 でも、面白いです。
32.
愛人・ラマン
マルグリット・デュラス
4列3行
 読後感の悪い作品です。 読んで楽しくなる作品ではないので、読書が好きで好きでたまらない人向き。 軽く読めると思います。 
33.
怖るべき子供たち
ジャン・コクトー
角川文庫クラシックス
 予想通りの結果です。 人間の悪意を描いた作品はどうもいけません。 そんなん書いて、何が面白いっちゅうねん!!   
 この方は、21歳で亡くなったレーモン・ラディケの親友だったのですよね。 で、ラディケと言うのも、ハスに構えた作品を書く人で、「肉体の悪魔」なんかは著者17歳の書なだけに、ひどく視線が冷たくて背筋が凍りました。 死の直前、「ドルジェル伯の舞踏会」は少し円熟していましたが。   
 で、コクトーは、ラディケとは、精神的にも芸術的にも気の会うお友達=傾向が同じ、という訳でございます。 その一事をもって、コクトーも推して知るべしだったのですが…105円に負けてしまいました、いや、ゲフン、ゲフン。。。。。文学上の名声に負けてしまいました。 これを読まずして、読書サイトがやれるか、ってなもんですな。 
 本当に見栄っ張りですねー。 そのくせ、つまんないからいつまでたっても読めないんですよねー。 Oct 4, 2004 
34.
ゴリオ爺さん
バルザック
新潮文庫
 積読中
35
人間ぎらい
<モリエール/td>
新潮文庫
フランス文学は偉大だ! といったのは、かのラフカディオ・ハーン。
 ハーンじゃなくてもそう言う人は多いでしょうけど、とりあえず、彼が言ったのは確実です。著書で読みましたから。。。。
 かの、ハーンをして偉大と言わしめるフランス文学。 さすがです。モリエールも長く読みたいと思っていたのですが、古本屋さんで見なかったという理由で、読んでいなかった作品。
 理由がすごいです。。。。
 なので、古本屋さんで見たときは、夢かと思いました。
 しかも105円です! 安いなー。 嬉しいよー。
(注:市の中央図書館に、車で行くと、ガソリン代はこれで収まりません。。。 つくにも小1時間はかかります。 電車で行くとさらに高い。 返すことを考えると、買ったほうが安いです。 それに、ひそかに子供に名作を読ませたいと思っているので、家に文庫本をそろえておきたいです。 まー積読本が増えている理由の一つですな。w)
 ついでに言うと、文庫本を選ぶのは家が狭いからです。
 単行本は場所を取りすぎです。 なので、ハードカバーはなるべく遠慮したい。。。 この遠慮が、今までどんな悲惨な結果をもたらしてきたか……。 未だに学習能力がありません。
 つまり。。。。
 他の人に買われてしまうのですよ。 当たりまえすぎますが。。。。 それで、結局はネットで探す。。。。 意外と高い。。。。 送料と振り込み料とでさらに割高。。。。となるわけです。
 その上、手に入ったのは、結局ハードカバーだったり。。。 泣くに泣けません。 一体私は何をやってたんだか。。。
「ああ、あの時、ブックオフで買っておけば105円だったのに! 結局1000円以上かかったよー」
ということだってありなのです。
 ここで本日の教訓。
”チャンスの女神に後ろ髪はない!”
 えーと。前置きが長くなりましたが、この本は、面白すぎます。 正直、戯曲を面白いと思ったのは初めてです。 当時の社交界のお追従振り、正義を貫こうとして極端になってしまった若者。 美徳もすぎれば悪徳に通じるという私の人生観に合致していたりします。
 モリエールの観察眼には鋭いものがあります。 なので、特にジョークがあって、笑わせるわけでもないのに、どこかおかしい。 くすっと言う笑い。 いわゆる滑稽本です。
 まじめに書いているのにどこかおかしい。 そういうコメディーです。
 ただし、これを舞台で、この長セリフのまま役者が演じるとしたら、相当に難しいだろうことは、素人でも予測がつきます。
 第一、長セリフを言うあいだ、どういう身振りと表情をすればいいのか、また、それを聞いているほかの役者はどういう演技をすればいいのか、ちょっと想像しただけですが、演出家泣かせだと思いました。
 読むぶんには楽しいけど、演劇として見るぶんにはどうなんだろう?
 現代の演出家は、未だにこの作品を上演しているそうです。 これもまた、すごい話しですね。
 モリエールをもっと読みたくなってしまいました。 Nov 19, 2004 
36
カルメン
メリメ
新潮文庫
    これはご存知、ビゼーの歌曲 「カルメン」 の原作です。 この作品は、思っているよりも短編で、ページにして約100ページです。
 が、
 オペラにされるだけあって、100ページでも劇的な要素はたっぷりあって、カルメンの奔放さと、それに振り回されるドン・ホセを十二分に描いています。
 色々な歌手たちが色々な解釈をして、これまで、数え切れないほどのカルメンが生まれましたが、原作を読む限りでは、カルメンは頑固なあばずれ女です。 が、そのあばずれ振りがどこかかわいいのですから、不思議です。
 もともと西洋は美貌を尊びます。
 その流れはすでに古代ギリシャにおいて、美は善である、と言う言葉として残されていますし、日本人の顔より性格というまっとうな価値観は”日本には美人がいないからね”と言う揶揄によって蹴散らされた経験があります。
 まあ、カルメンも美貌に自信があったから、やりたいことをやれたんですね。
 そして、彼女の無知や、ジプシー独特の風来坊ぶりがある種の男をひきつけてやまなかったのでしょう。
 表題作以外は、すべて平凡でした。 メリメは「カルメン」一作で世に残ったようです。 Dec 14, 2004
37
アドルフ
<コンスタン/td>
岩波文庫
 アドルフと聞いて、もしや、アドルフ・ヒットラーのことでは? と少々身構えました。(=彼についてはそれなりに読んできたので、もう読みたいとは思ってなかった)
 でも、これは、ヒトラーと何の関係もなかったので、安心しました。
 わりに短い作品です。
 でも、読むのに時間がかかりました~。
 何しろ、昭和23年の印刷本です。 つまり、旧字体での印刷。 さすがに旧字体だと、前後の文脈から、その漢字を予想するほかはなく、考えに考えてこれだろう。。。と手探りになりました。
 現字体ですらすらと読んだら、この作品への感想も違ったろうなぁ~。と思います。
 内容は、ある伯爵と、不安定な事実婚をしている女性に、恋をした主人公アドルフ青年。 念願かなって、彼女を自分の恋人にできたものの、不実な男によくある 「いったん自分のものになったら興味がなくなる」状態になってしまいます。
 が、女性はそうではない。
 彼女が、自分無しでは生きていけないのを知って、彼は男としての義務感から、彼女が自分を必要としなくなるまでは彼女のそばにいようと決心します。
 が、この主人公、自分は大きな犠牲を払っていると、不満タラタラなんですね。。。
 かたや女性はと言うと。。。
 彼の心変わりを知って、絶望のあまり死の床につく。そして、彼女は死にます。  
 こうして、彼は自由になった。。。。ところが、あれほど望んでいた自由なのに、いざ自由になってみたら、誰も自分を愛するものがいないだけのことだった、と悟るのです。
 読んでて、トルストイの「アンナ・カレーニナ」を思い出しましたが、それとは方向性が逆の作品でした。
 束縛するはずのものが、実は自分を豊かにするものであった、と気づくお話しですから。
 感想は。。。
 旧字体と格闘したので、あ~。なんとか読めたぞ~。と安堵しただけでした。。。
 かなりの作品であるのは間違いないのですが、新潮文庫から、現字体で、もっと新しいと思われる訳が出ているので、そっちで読むのをお勧めします。
 やはり、最も厳しい、時間と言う審判をくぐり抜けた作品は、ある種の力を持っているようです。
 ただし、心理小説なので、それが苦手な人は楽しめないと思います。とりあえず、心理小説としてはかなりの秀作です。 Dec 28, 2004
38
神々は渇く 
アナトール・フランス 
岩波文庫
 去年最後に読んだ本です。
 正直言って、相当な読書家でないと、読むのが大変だろうと思います。
 緻密にその時代を描写しているように見えて、その実、時代描写より、人物描写に重点が置かれているからです。
 なので、登場人物の性格や行動の把握に気を取られているあいだに、断罪する側が断罪される側に変わる点が、あいまいで、躍動感もクライマックスの盛り上がりも感じません。
 そここそ、一番重要で、緻密に描かれるべきでした。
 この物語が、延々多くの登場人物を出してきて、外堀を固めたのですから、後は内掘りを固めるべきだったのです。 駄作と言うわけではありませんが、名作には遠いかもしれません。 Jan 1, 2005
39
未完の告白
アンドレ・ジッド
 ううむ。。。
 「フランス人は女に甘い」
 と、かの、イングリット・バーグマン(第二次世界大戦ころの大女優)が自伝的書物の中で語っていましたが、
 ちやほやされ、
 何人もの男を服従させても、
 結婚すれば、「男に従属して生きていくのが女だ」と言うのが、冷めたフランス女性の感覚だったのですね。
 それに反発するジュヌビエーブ。
 彼女は「私一人で、結婚せず、子供を産んで育ててやるわ!」 などと、社会に対する挑戦心に燃えますが、その彼女の決意は、意外な秘密を明らかにしてしまうのです。
 心に秘めたものを持ちながら生きていく大人たち。
 彼らの心情は、良識から一歩も出ることがないゆえに、しっとりとして、感動的です。
 これは、作品としては超短いです。
 約100ページ。
 ツルゲーネフの「初恋」は、正直、駄作の疑いを持って読み進めたのですが、最後の数十ページで一気に作品の粋を極め、名作へと登りつめて行きます。
 この作品もそれと似たパターンですが、いかんせん、最後が、語り足りま<せんでした。 それでも、人々の隠された心情や苦しみに思いが向けられ、心がしっとり、しんみりするし、うずきます。
 読書は若いときの感性がものを言うといわれていますが、本当にそうなのでしょうか?
 大人でなければ、わからない作品と言うのもあるかもしれません。 私が若いときにこれを読んだら、ふ~ん。。。で終わったことでしょう。 Jan 17, 2005 
40
タルチュフ
モリエール 
4列3行
 全く、しゃれも飛ばさないのに、喜劇しています。。。
 最後に罰を受けるタルチュフがいるので、純粋な喜劇とは呼べないと思うのですが…喜劇に分類されているそうです。
 モリエールは本当に不思議です。
 彼が生きた時代は、17世紀なので、ルネッサンスなったりと言えども、おちゃらけとだじゃれを飛ばせる雰囲気ではなかったのかもしれません。
 そういう”芸人系のお笑い”ではないのですが、モリエールは上手く”人間のおかしみ”を表現してくれます。 きっとお上品な人たちを、お上品にクスリと笑わせたのでしょう。
 彼の人間観察眼は鋭くて、登場人物を上手く誤解させます。 また、世相に対する皮肉を交えたりして、話を興味深く進展させるのです。
 いつもながら、終わり方がちょっと強引です。
 といっても、これは小説ではなく戯曲です。 なので、舞台の時間も限られる以上、こういう終わり方しかできないのは、当然でしょうけど。 Feb 01,2005
41
守銭奴
モリエール
4列3行

ここのHPでは、毎度おなじみの喜劇王モリエールです。
 ううむ。 これは、本当に面白いですよ~!! さすが、モリエールの代表作とされるだけはあります。
 父ちゃんのドケチ振りが、半端でなく、笑わせられてしまうのです。 そして、いつものように大団円。 悪者は罰を受け、恋人たちは恋を成就する。
 全く、モリエールって天才ですね! よく、こんなの書けるなぁ~と思います。
 軽いものが喜ばれる現代にあっても、このおかしみと軽妙さは、もっと受け入れられて然るべきだと思いますが、きっと古典だというので、敬遠されているのでしょう。 食わず嫌いは、もったいないです。。。
 それにしても、フランス文学はすごすぎます。
 他の国なら、代表的な作家というとかなり絞られてくるのに、フランスだけは、キラ星がいくつもいくつも輝いているので、誰を代表とすればいいのか、批評家たちも分からないそうです。
 それ、私にも分かります~。
 私だって、誰が一番好きだっていえませんもの。。。だってどれもこれも面白すぎる~。ww Feb 03,2005 
42
レ・ミゼラブル 第一巻
ビクトル・ユゴー 
新潮文庫
 子供の頃、「ああ、無情」や 「ジャン・バルジャン」 などというタイトルで読んだ方も多いのではないかと思います。
 だのに、なぜか読んだ人が少ないと言う名作です。


 その点、この作品は不遇です。


 子供の頃読んだとか、ミュージカルや映画で見たから知ってるとか、有名すぎるのです。そのため、文学という感覚が薄れてしまったのか、読みすごす人が多いらしいのです。


 しかも、なぜか、文学的にも”面白すぎて”正当に評価されていないそうです。


 このことを、「ぷ」さんは嘆いておられました。


 私もそれを読んで、未読であったことをもったいないと思いました。


 本当に、「ぷ」さんに感謝します。


 いつかは読んだと思いますが、「ぷ」さんの”嘆き”がなければ、この作品と出会うのはずっと先だったでしょう。



 この作品は、古典らしくゆったり始まります。


 最初の内、主人公ジャン・バルジャンは出てこないのです。その代わり、彼に多大な影響をもたらし、真の人生を生きることを教えた人の描写から始まります。


 そこら辺は、物語が徐々に目覚めるような感じで、物足りないかもしれません。が、早まってはいけません。物語は大山のような輪郭をわずかに見せただけだからです。


 そして、有名なエピソード。


 ジャンは司教の家の銀の燭台を盗むのです。。。


 それで、物語は激動を走るか?


 いいえ。もう少し待ってください。


 ユゴーは、社会の底辺で生きる人の苦しみがどんなものであるか、私たちに知らせたいのです。


 だからなのでしょう。私たちに、どうか彼らを理解して欲しいと懇願するかのように、彼らの苦しみをたんねんに描きます。


 そのため、胸が痛んで、どうしても読むことが出来ず、飛ばしたところもありました。


 最初「リリス」と併読だったこともあり、大山の輪郭を眺めているあいだは、乗れませんでした。



 「これは一作に絞って読まなければならない」


 と思ったから乗れたのか、ちょうど作品が激動を膨らませ始めたからなのか、200ページを過ぎたあたりから、作品に、グイ、グイと引き込まれていきました。



 どうなるのか知りたくて、「ええい。待ってはいられないわ!」と少々飛ばし読みまでいたしました。


 こういう読み方はいけないんだろうな。。。


 分かってはいるのですが、ハラハラドキドキしてしまって、頭で理解するより先に、目が文字を追ってしまう のです。。。。


 それくらい面白いです!!  Jan 12, 2005
43
「レ・ミゼラブル」第2巻
ビクトル・ユゴー
新潮文庫
 うううむ。いきなり、ワーテルローの戦いから話が始まりました。延々70ページ以上がその記述のためにあてられています。


 これ、必要なのかな?


 その後、やっと我らがジャン・バルジャン登場。


 相変わらず、溺れかけた水夫を助けたりなど、良いことをしています。


 が、

 印象がすごく薄いです。


 実際、脇役と思われる人物の背景を、ここまで書く必要があるのかな? と思います。もしかしたら、文学的評価が高くない理由の一つに、作品が無駄に長いことがあるかもしれません。


 第二巻はジャン・バルジャンの物語部分だけでよかったと思います。修道女たちの生活を一生懸命書いていましたが、はっきり無駄だと思いました。


 必要な部分だけ残して、削ることが許されるなら、私だったら、第二巻は70%以上削ります。 


 第三巻は、そうではありませんように。。。


 この調子だと、「ぷ」さんのようにごく一部のインテリしか作品を面白いと思えないでしょう。


 ある尊敬する読書家が言っていたのですが、「僕はつまらないところは、遠慮会釈なく飛ばします。そこは作家が上手く書けなかったところだ。読んでも無駄です」


 この意見に私も賛成です。


 大真面目に、正面突破を図るには、この物語は長すぎます。と言いながらも。。。。9割以上、真面目に読みましたけど。。。  Jan 14, 2005
44
「レ・ミゼラブル」第3巻
ヴィクトル・ユゴー
新潮文庫
 むうう。。。


 さすが、「ぷ」さんのご推薦。面白すぎるという言葉は、伊達ではありません。


 もう~。すごいなぁ~。


 これを書いたとき、ユゴーは何歳だったのでしょうか?


 実に深い、人間と社会に対する洞察力です。レ・ミゼラブルは「みじめな人たち」と言うルビがついていましたが、貧しさや試練は、気高さと、邪悪さのどちらかを人にもたらす。と言い切るあたりは、青年期にはかけない言葉だろうと思います。


 第2巻は、主人公がジャン・バルジャンだという思い込があったので、???? でしたが、第3巻あたりから、作者の意図が見え始めてきました。


 壮大なドラマを放つ、言葉の連なり。。。。


 著者は、言葉の無限の組み合わせによって、私たちに深い感動を与えてくれます。。。。


 第4巻は約500ページ。


 これ一冊でも相当な長編です。さて、時代は、人の気持ちはどう動くのでしょう。。。?最終更新日 Jan 20, 2005
45
「レ・ミゼラブル」第4巻
ビクトル・ユゴー
新潮文庫
 この本を読むのが、ちょっときつくなってきました。

 なので、気分転換に、第5巻の後ろにある解説を読んでみました。なるほど、

「面白すぎて、文学的な評価は高くない」


 と確かに書いてあります。。。。


 でも、私は天邪鬼です。。。。こういう場合、相手の言うことをすんなりと受け入れるとは限りません。


「面白すぎる」、ですか?


 う~ん。。。。そうかな~?


 もちろん、3桁におよぶかと思われる登場人物を、作中で動かすには、相当な文学的力量が必要だと思います。私だったら、死んだって書けるものではありません。


 が


 やはり、くどいのです……。


 これは、小説? 


 それとも時代の証人としての記録?


 といいたいところが、散見してしまうのです。


 トルストイの、「戦争と平和」も長すぎて、疲労してしまった作品ですが、果たして


”読者を疲労させるほどの長さが本当に必要だったのでしょうか?”


 正直に言って、「面白すぎる」と言わせるには、私的には無理があります。


 とりあえず、この物語が、歴史的な時代背景に触れる必要があったのは理解できます。


 ただ、それが、脇役の目や経験を通して、描く必要があったかどうか…? 私としては、主要人物の目を通して描かれた方が、小説としては良かったと思います。


 この作品は神さま視点で語られていますが、他の視点でも描けた気がするし、そっちの方が面白かったと思うのです。


 20世紀を代表する作家のひとりとされる、ユルスナールは、「ハドリアヌス帝の回想」という作品について、


「長いあいだ試行錯誤して、ようやくこの作品の視点を見つけました」


 と語っています。


 それくらい、作品にとっては視点が重要なのです。


 気の短い、現代のアンチ・インテリ主婦(=私のことです)は、この神さま視点(=作者が何でも知っている視点のことを言います)が長すぎる、大長編は苦手です。


 なので、第5巻をすぐにでも読みたいところですが、私はちょっと休むことにします。


 現代の軽い作品を読んで、リラックスしたいのです。ずっとメインディッシュばかりでは、胃にもたれて来ますので。 最終更新日 Jan 25, 2005  
47
「レ・ミゼラブル」第5巻
ビクトル・ユゴー 
新潮文庫
  ジャン・バルジャンが死んでしまう巻です。鬱が重いので今はそれくらいしかいえませんが、なみだ、なみだでした。。。


 読んでいるときは、疲れる部分もありましたが、読んだ後は、感動で胸がいっぱいになりました。すばらしい作品だと思います。それとも、ジャン・バルジャンの生き方がすばらしいのでしょうか? それでこんなに心が打たれるのでしょうか?


 読み終わったあと、またユゴーが読みたくなりました。 最終更新日 Jan 31, 2005
48
ノートルダム・ド・パリ
ビクトル・ユゴー  
河出書房 1952年版
 ご存知、「レ・ミゼラブル」の著者が、28歳のときに書き始めた作品。すでに、彼の持つ傾向は、この作品にも顕著です。

 まず、緻密な人物設定と時代の描写。


 脇役の生い立ちやら人生やら、細かく書き込んで話を進めます。時代を丸ごと描く、物語の時代そのものを主人公にする、というユゴーの手法はこの頃からです。というより、これがユゴーのスタイルなのでしょう。


 これを読んで、

「全然ディズニーの映画とは違うやんけ!」

と思っても、ディズニーのリメイクに感心することは間違いありません。私は、原作を読んでディズニーに感心したくらいです。

 ディズニー様。

 あなたは偉い!! こんなどうしようもない悲劇を感動のハッピーエンドにしたのですから。


 だからといって、この原作をけなす訳ではありません。


 それどころか、素晴らしい作品です!!


 原作を読んで、レ・ミゼラブル同様、涙、涙にくれてしまいました。旧仮名遣いなど、ものともしない面白さです。


 そう。。。。


 読んでいるうちに、古ぼけた図書館本が、ばらけて来たのだって、気になりませんとも。。。


 ね?

 なりませんよね?

司書さん?

…………。

 この、ページをめくっただけで、ばらけちゃった本をどうしよう?  最終更新日 Feb 4, 2005
49
女房学校
モリエール
4列3行
相変わらず、読んでいるのは文学史に残っているような文豪作品です。


 アンチ・インテリと銘打っているのに、なぜ、古典名作系が読書の中心なのか、というと、


 古典名作系は、読むのにけっこう根性と体力がいるのです。その体力と気力が残っているのは、今だろうというので、とりあえず、「古典の有名どころをさらえちゃえ~」というわけです。


 なにしろ、古典名作系だと、同じページ数の現代ものに比べると、読むのに時間がかかります。


 体力と気力がいる理由の一つです。


 私が読んでる本の作者の名前を「う~ん。。知らないなぁ~」と思っていても、文学史を見ると、よく見る名前だな~と気がつくかもです。w


 でも、インタビューなんかを読むと、プロの作家さんてかなり古典名作系を読んでいますよね。やはり、自分が書く人なだけに、それらの作品のすごさを肌で感じているのかもしれませんね。


 が、


 が、


今回のモリエール「女房学校」は、つまらないかも。


 その理由としては、彼の書く話のパターンが最初から見えてしまったことが一つ。


 とんでもなく長いセリフがいくつかあるのですが、それが説明調になってしまって、戯曲としては面白みを書いてしまったのがもう一つ。


 続けて、同じ作者の本を読み続けてしまったことが、また一つ。


 これは、人間だれしもパターンがあるのですが、それに慣れてしまうことにより、つまらない、と感じさせる原因にもなります。


 そして、本当に、外れなこと。。。


 モリエールの作品中でも、そう評価は高くないようです。


 ただし、明らかな男尊女卑の社会だったのに、(17世紀。作中では男の方が女より偉いといってますよ。w)私は君のために奴隷になろうとか、なんでもするとか、女性を大切にし敬おうとする精神も豊です。


 これは、どうなってるのかしら?


 男尊女卑と女性崇拝


 この対立する概念を常に併せ持つモリエール他、西洋作品は私には謎です。 最終更新日 Feb 10, 2005
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