古本屋で100円読書

古本屋で100円読書

★かってに書評ーその1


3.タイトル:”いじめ”という生き地獄
  著者名 :ジョディー・ブランコ
  出版社 :ヴィレッジブックス

 時間切れで、また新たに更新するときに書きなおすつもりですが、タイトルのショッキングさとは裏腹に、魂が洗われるようなすがすがしい作品です。書かれている内容は悲惨ですが、それに立ち向かう家族と著者の心の持ちようの美しさに涙が出ます。


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2.書籍名:友情
  著者名:武者小路実篤
  出版社:新潮文庫

ー感想ー

 感想って言っても、ふううん。。。だったといったらどう思いますか? もっと真面目に書評やれよ! ですかねぇ。イヤー、悪くはなかったですよ。でも、時代が変わりすぎてて「んなもん、しゃーねーやろ」くらいで恋愛ってそんなに構えてするもんかぁ~? と思っちゃうのは仕方がないですよね?

 武者小路実篤って人はまあ、明治18年の生まれです。当時の世代にとっては「恋愛とか男女関係ってこうだったのね」という時代の雰囲気なら味わえますね。ただし、るりってやつはとても頑固なもんで、登場人物とは価値観を共にすることはできません。なので、感心はしません。感動もしません。でも、たいへん読みやすいです。文章も平明だし、理屈もそんなにこねくり回していませんし。とりあえず文学史には残ってる作品だから読んで見るのもよいかもです。

 ストーリーは、主人公野島が愛する女性杉子は、実は主人公の親友が好き。でも、親友大宮は、野島のために杉子をあきらめようとしますが、あきらめきれずに結局はむすばれちゃうのです。たったそれだけ。その3人の間の心理的な葛藤や青春の日々が描かれている。まあ、ありがちといえばありがちだけど、100人いれば100通りの恋愛がありますから、その点はOKでしょう。

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1.書籍名:情事
著者名:森瑶子
出版社:集英社文庫

ー感想ー

 著者のデビュー作にしておそらく最高傑作と思われる。彼女の作品は全部読んだわけではないけど、あとで書かれた作品を読むたびに、彼女の作品はパワーダウンしてると感じる。おそらく次から次と入る原稿依頼に、彼女自身が振り回されていたのかもしれない。

 にしても、作品の時系列はわからないけど、おそらく次回作と思われる同時併録「誘惑」のなんと言う力のなさ。読んでいて心に訴えかけてくるものが何もない。もう、すっかり作者の力と思いを「情事」で出し切ったという残骸を見せられているようだ。

 たぶん、彼女はこの情事を書くために長い時間を心が準備したのだと思う。きっと長く生活していて溜まった心の澱が、情事という作品になって昇華したに違いない。それほど、この作品は力強く生命に満ちている。最初の一行からして印象的だ。

 「夏が、終わろうとしていた。」

 この最初の一文を読んだだけで、はっとさせられる。ここに書かれているひとつひとつの文が、まるで生きているかのようにこちらの心の扉を叩く。書かれているすべての文が力強く飛び跳ねている。でも、次に誘惑を読んだとき、最初に自分の最高傑作を書いてしまったもの特有の苦しみを見てしまったようで、なんとも言えず辛い気持ちになった。そういえば、生前の彼女は自分のすべての嘔吐を情事で出し切った。後は喉に指を突っ込んで無理に吐いているといってた気がする。うろ覚えだけれど。




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