涼子の隠れ家

涼子の隠れ家

甘い甘い影


今まで歩いてきた道なんて、もうとっくに影を失っている。
なら、新しい道を築いて行けばいいの。
そうすれば、誰にも文句は言われない。

そうどこかで想っていた。
本当は自殺を考えていたこともある。
でも、周りが悲しむ顔もなんか考えるだけでうざくて、
だったら、周りが何も感じないくらいの生活をすれば、自分も楽なんだろうって、
そんなことも思っていた。
所詮人間は1人で、その人生の中にどれだけの人と出会い、その人と分かち合えるか。
それを私は信じてきたかったのに、いつの間にか信用すらできなくなっていたもの。
あいかわらず、人の顔色伺うのは得意。
1人になったら勝手に被害妄想に入る。
あぁ、でも被害妄想っていってもさ、別にお姫(ヒロイン)になりたいわけじゃなくて、
ただ自己嫌悪に陥るだけなんだよね。
誰も悪くないんだよ。
今ココに私がこうやっていることが悪いんだからさ。
周りの人に迷惑かけていることを分かっているのに、それでも直せない自分が悪い。
他人には直せないし、医者にも治せないんだよ。
自分が直さなきゃいけなって分かっていても、縛られた心が何故かいつも痛い。
どうしようもなくなって、スッキリしたくなったら切る。
そんな生活を繰り返して来た頃の証だけが、今この腕に残っている。
とてもとても、静かな思い出だ。

今の私は、明と闇の狭間で行き来している。
起きていても、そうね、例えたら「生」と「死」二つを味わっているのでしょうね。
楽しいことと言えば、ただ夢の中に、妄想の中に閉じこもることかしら。
絶対叶わないうれしいことを想像するだけで、涙を流すことができる。
それは同時に心の掃除にもつながる。

他人から見たら変な生きかたしてるよな。
でも、いいんじゃない?
「死なない」だけマシでしょ?
生きてるだけ、まだ、マシなんだよ。
生きたくても逝ってしまう人がたくさんいるから、私はまだ幸せ(マシ)なんだよ。

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