静かな元旦だった・・・といっても、クリスマスを境にどっと押し寄せた観光客でバリ島は溢れ、たいそな喧騒であったことには変りはない。
静かだったのは、この十年来初めて、仕事を休みひとりアパートで過ごしたからである。それも、たったひとつの楽しみのためだ・・・。
それが、これである・・・・・。

琵琶湖の名産、鮒寿しである。
なれ寿しの一種で、中国は雲南省か、タイの山岳地帯から伝わった現在の寿しのルーツといわれ、琵琶湖のニゴロブナの子持ちの雌を一年ほど塩漬けにし、塩を抜いたあとで、炊いた米に漬け込んでさらに一年。手間隙かけた逸品である。
それを、このように薄切りにするのだが、

楽しみ方は、みっつ。
先ずは、右上に見える漬け込んだご飯を肴に吟醸酒をちびりちびり・・・。 日頃呑まない僕も、元旦の昼から呑みだした。
そして、ときたま、鮒寿しの身を口に入れると、うむ・・・・、この味!
さて最後は、お茶漬けである。

鮒寿しの身を乗せ、そのうえに白い漬け込んだご飯を乗せ、熱いお湯を掛ける。この場合はお茶はそぐわない。鮒寿しの味を邪魔するからだ・・・・。
実に幸せであった・・・・・。
この鮒寿し、匂いが強烈で駄目だという人もいるが、生臭くもないし、塩辛くもなく、珍味中の珍味で、もしかしたら僕がこの世で一番好きな食べものかもしれないし、非常に高価で、25センチほどのサイズで五千円以上だ。
そんな高価なものをどうしたのかと言うと、 実はこの14年間逢っていなかった兄貴と連絡が取れて、兄貴夫婦が12月の下旬にバリに来てくれ、その際のお土産である。来る前にお土産はなにがいいと兄貴に訊かれ、鮒寿しと言いそうになったが、この永楽屋は京都だし、高価なことは判っていたので所望しなかった。なのに、僕の好物を知っている兄貴が持ってきてくれたのだ・・・・。
ありがとう、兄貴・・・・・・・。
鮒寿しを味わい、ひとり静かに過ごせた至福の元旦だった・・・。
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USM1さんComments