[ほし あきら ショート・ショート] カテゴリの記事
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横断歩道の先には
☆ お ね が い ☆ もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを２つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。イメージMUSIC (YouTubeより) Flower Gathering 何度も通ったこの道。何度、この信号で足を止め、この景色を観ただろう。信号が変わるまでの間、ふと思った。 会話を楽しんでいた・・・。楽しんでいたと思っていた、きっと。< このまま過ごす時間は正しい時間だろうか >「一緒に居たいと思う気持ちは同じだよ・・・。」< 何故、一緒には居られないの。 >「もう少し待ってて欲しいんだ。あともう少し。」それは・・・出会ってから今日までの過ごした時間と同じだけの時間。 皿の上。食べられることはなく、ただ置かれたまま時間だけが過ぎている。決して食べられることなどない。自分を観ているようで、女は吐きそうになった。 Last photo by chef SHIBAYAMA ぼんやりと歩き続けた。信号で足を止める。< 何処へ行っても・・・行き止まりなのだろうか。 >似すぎだことがおかしくて足が止まることが哀しくて女はひとり大声で笑った。横断歩道の先には・・・想像できる人生だけがあるのかもしれない。信号が変わったら自分の人生も変わってくれたらいいのにと。 ほし あきら
2012年06月25日
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もう少しの距離
☆ お ね が い ☆ もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを２つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。イメージMUSIC (YouTubeより) 夢だったらいいのに・・・ <ちょっとまずいなぁ・・・。> 「運転手さん急いでもらえるかしら。」「急いではいるんですけど、この雪だからねぇ～。」もう少しで着くというのに。 「お待ちしておりました。お席までご案内いたします。」少し進んだ先に見えたものは <雑然としていすぎて、もうちょっとの感じだわ。><なんだか今度はまるであつらえたようだわね。>「こちらがお席になります。」「どうもりがとう。」女は席を観てほっとした。<まだ着いてなかったのね。 よかったわ。>「すみません!」「はい、いかがいたしましたか?」「このグラス組み合わせがちょっとおかしくないですか?」「はぁ～・・・。でも今夜はこれでよろしいかと。」<どういうことなの?>「とりあえずわかりました。」<これでいいってどういうこと? それにしても遅いわ。 30分も遅れるなんて・・・。>携帯を確認すると1通のメールが。「ごめん! 今日の約束延期できないか? 仕事が終わるのが遅くなりそうだ。」<えっ・・・。 差し出してくれた時間は待ち合わせの時間。これならこのグラスの組み合わせでいいって言うはずだわ。>女は微笑むしかなかった。微妙なすれ違い。あつらえられた空間。ここに来る道のりまでがこの為にあったようで笑いが止まらない。 女は店を出た。さっきまでの雪が何もなかったかのように。そして空を見上げた。<少しずつの距離。もう少しの距離。 何もかももう少し。>女は感じた。もう少し近い距離に気配を感じる男と付き合おうと。もう少しが埋まらない距離だということも。 ほし あきら
2012年02月29日
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知らないのは・・・
☆ お ね が い ☆ もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを２つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。イメージMUSIC (YouTubeより) Fly Me To The Moon < ちぇっ、雨が降ってきやがった。 >ちょっと雨宿りをすること男は決めた。「ちょいとごめんよ。 雨が止むまでここで休ませてもらうぜ。」「いらっしゃい。こんな場末の店で申し訳ないわ。」男はまわりをぐるりと見廻した。< この時間に客が俺だけか・・・ >・・・。 「なんで俺が好きなものがわかるんだ・・・。」「あら、だって初めてお会いしたわけじゃないような気がするわ。」「おかしなことを言う女だな(笑)」男はまんざらでもなかった。< そういやどっかで会ったような気がするような・・・ >暫く取り留めのない話をした。ふと、 「お客さん雨が上がったようだよ。 それに私も店を閉める時間なの。」男は急に切ないものが胸にこみ上げてきたのだ。「おいっ、またここに来たらお前に会えるのか?」「はいどうぞ(笑) いつもお客さんが来る日はわかっているから。」「ああ、遅くまで悪かったな・・・。元気で過ごせよ。」「お客さん、お気を付けて帰っておくれ。」バタン・・・。男はドアを閉めて歩き始めた。< どこで会ったか思い出せない。でもあの女に会ったときに懐かしさを感じたな。 >ふと、振り返る。< ・・・どういうことだ一体。店がないじゃねぇか! 呑みすぎちまったか・・・? >恐怖感は全くなく、男は足早に立ち去った。「けっ、また雨が降ってきやがったぜ。」 「ふん、馬鹿な男だね。 私は雨が降ってきたのも上がるのも真っ先にわかるのさ。そして、あんたが来るのもね・・・。 こうしていつも照らしてやっているのに気が付かないなんで鈍感な男だよ。」そこには何事もなかったようにいつもの景色が。ガス燈が雨に打たれて切なそうな表情をしてる以外には・・・。 ほし あきら
2011年08月10日
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その先にあるものは・・・
☆ お ね が い ☆ もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを２つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。 イメージMUSIC (YouTubeより) ゲームのつづきは・・・ こんなに慌しい時間だったのだろうか・・・行き交う人の流れの中でふと感じた。 ジカンノナガサ ハ ナニデキマルノデスカ？ 虚しい時間？これは大切な時間？ イマノ ワタシハ ダレデスカ？ 見える景色は平行線でただ、キラキラと。 コノママデイイデスカ？ 誰よりも・・・誰よりも。 テッペンニ ノボッタラ ナニカ カワリマスカ？ 心が身体が癒されているわけではないのを知っていますか？ ドウシタイノカハ シッテイル・・・ ドウシヨウモナイノモ シッテイル・・・ 口に出したら。 「あのさ・・・。」「うん？ 何・・・。」｢めんどくさいからいいわ。」「あぁ、そう。」 男は・・・決定打が何かを知っている。メンドクサイカラ・・・この言葉に何かが隠されていないか必死に守る。 女は・・・どんなに手を変えて、言葉を捜して聴いたところで欲しい返事が返ってこないことを知っている。急に仕事のことが気になった。ただ、それだけで話すのが面倒になっただけのこと。危険をおかすより言葉を遮るほうが身を守れることを知っていた。 何だ、気のせいか・・・ それならいい。男は自宅へ戻るまでの間に必死に考える。 キノウ ガイハクシタリユウハナニ？ あぁ、もちろん残業さ。最近、リストラで人数も少ないから仕事が立て込んでてさ。これ、もうすぐ結婚記念日だろ。普段なにもしてやってないから・・・。 してもらってないのは・・・。我慢しているのは・・・。 浅はかなのはどちらだろう。どちらも聴いては、応えてはならぬ一線を踏み外さぬよう。重なる時間のゲームを進めている。重なっているつもりでも・・・本当は沿っているだけなのをまだ知らない。進めば進むほど離れていく距離。そのゲームの勝者は・・・。 ほし あきら ＊画像はネット画像よりお借りしております。
2011年07月08日
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照らされて・・・
☆ お ね が い ☆ もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを２つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。 photo by akira hoshi イメージMUSIC (YouTubeより)Ryojou 仕事帰りに食事に出かけた。ムシムシした夏の熱い夜。食事を終えて、１件、もう１件と。街のはずれに時間が止まってしまったような店がある。近くの席では初老の男性が「お祝いのお金を封筒に入れて用意していたけど、気にくわないから餞別を渡さずに袋を破いて捨ててやったんだ・・・。だから今日はそれで俺がおごるぞっ！」と大きな声で。「こんなところは気に入らなかったかな？」ちよっとドキドキしたように聞いてきた。「全然、大丈夫だよ。」「よかった、前からここ気になってたお店なんだ。」ちょっとうれしそうに照れて笑っている。たわいのない会話をして時間を過ごしていたようだ。「そろそろ、ラストオーダーとなりますが。」「はい、わかりました。」「時間が過ぎるのが早いよね。また、誘っていいかな？」と。「別にいいよ。」さて、この男のかわいい嘘にもう少しだけ付き合いましょうか。ゆるやかな時間と引き換えに。薬指には指輪のはずした痕。ほのかな灯りがそのかわいい嘘を教えてくれた。 ほし あきら
2010年07月02日
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闇の華
☆ お ね が い ☆ もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを２つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。 photo by akira hoshi イメージMUSIC (YouTubeより)「星に願いを」 男はつぶやいた。「さて、帰宅したらどう伝えるべきか・・・。」市電から吐き出され重たい脚を引きずるようにダラダラと歩き出した。街は笑い声で溢れている。いや、正確に言えばそう思っただけかもしない。こんな夜にはどこかへ寄って帰りたい。そう、見ず知らずの店でつぶやくのさ。＜ 今日めでたくリストラされました。 ＞と。そして男は欲望のおもむくまま階段を降りはじめた。一番最初の店の扉を開けようと心に決めて。チリン チリン ♪「いらっしゃいませ。」その瞬間、男はほくそ笑んだ。＜ 人生悪いことばかりじゃないじゃないか。 ＞なぜならその店で働いている妻の姿が見えたから・・・ ほし あきら
2010年07月02日
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語らぬ人々
☆ お ね が い ☆ もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを２つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。 photo by akira hoshi イメージMUSIC (YouTubeより) やさしいキスをして 「お隣は空いてますか？」「ぞうぞ。」「お嬢さんは待ち合わせなのですか？」「ええ、さっきまではね。」＜ めんどくさいヤツが隣に来たわね・・・。 ＞「では、よろしかったら私のボトルを置いていきます。」「あら、今いらしたばかりじゃなくて？」「いいんですよ、用事は終わりましたから。」と、男はニヤリと笑い出て行った。＜ じゃあ、お言葉に甘えますか。このボトルの色は何故こんな色なのかしら。 ＞そして女は気にしながらもボトルを飲み続けた。＜ あら？ 飲みすぎたのかしら ＞女は軽い眩暈のような衝撃をおぼえた。＜ えっ、待って・・・。 ＞そのときに女は見た。ボトルの中に・・・。「おやおや、お嬢さん。 堪能していただけたようですね。」「あなたは・・・」言葉にならなくなってきた声。そして、溶けてゆくようなこの快感を。女にはボトルのラベルに男の姿を見たような気がした。それがボトルのラベルなのかもわからなくなってきていた。「さぁ、これで終わった。」そこには・・・なんともいえない色のボトルが１本。「次のお客が来るのを待つとするんだな。暫くはこのボトルの中で。私も何年待っただろうか・・・。次の為に教えておくぞ。 酒に飲まれたらまたこうなるってな。」男はカウンターの奥へとボトルを置いた。もちろん、そのボトルのラベルには・・・。 ほし あきら
2010年06月28日
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ぽんちゃんからのクリスマスプレゼント♪
☆ お ね が い ☆ もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを２つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。 こんばんは☆ぽんちゃんです。今日はぽんちゃんからのクリスマスプレゼントですでは、ショーのはじまりです。 公園をぬけ・・・ 街角を曲がり 石畳の路を歩く。 鐘が響く そして・・・人々は祈る。 願いが天に届くように。 みんなの願いが届くように高く・高く。 街に灯がともるころ人々は集う。感謝の想いをそれぞれ胸に秘めてそしてみんなが幸せであるために・・・ Ｍｅｒｒｙ Ｃｈｒｉｓｔｍａｓ ｆｏｒ ｙｏｕ ほし あきら イメージMUSIC (YouTubeより)ぽんちゃんの好きな曲でお楽しみください
2009年12月24日
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今宵はここまで・・・^^
☆ お ね が い ☆ もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを２つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。 photo by ネット画像より 今日は瀬棚町のてるちゃんさんからのリクエストです。ちょっとラジオ風に言ってみますね、ご存知の方はちょっと懐かしいかも こんな天気のいい日に「ひつじくん」は少し考えていた。「ここでこのまま居たらどうなるんだろう・・・」暖かな日差ざし、悩みも今は無い。毎日が楽しくて仕方が無い。「ひつじくん」は少しだけ不安になってきているようだった。「まわりのみんなはどうしているのだろう・・・。そう言えば最近アイツとも暫くここで逢って無いな。」「ひつじくん」はふと空を見上げた。前方にはクラーク博士の銅像が・・・「ひつじくん」、羊ケ丘に居る限り「ひつじくん」の不安は消えない。そんな「ひつじくん」の前を観光客が通り過ぎた・・・・ ほし あきら イメージMUSIC (YouTubeより) クロスオーバーイレブン OP蒼氓 山下 達郎クロスオーバーイレブン END
2009年10月03日
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知らない方が・・・
photo by PULIＮ 「あ痛たたたっ・・・。」 ここは砂浜？ 航海の途中に遭難したが漂い打ち上げられたか。周りをみても人影は無い。「たった１人か・・・。」？・・・・。煙が見える。近くまで行くと原住民らしき影。「ここに船は来るのか？」「ああ来るね。時間は当てにはならんが。兄さん、まずはゆっくりしていきなさい。」＜ゆっくりしろだと！ ふざけた野郎だ。いち早く帰路に着かねば・・・。＞「悪いが船が着きそうな場所に移動する。」俺は原住民ごどきに時間をとられまいと歩き始めた・・・。「兄ちゃん、行っちまったな。」「ああ、今またすぐに戻るさ。島が小さいからな。」「そうだな、船は１０年に１度しか通らないからな。俺達が遭難したのも１０年前さ。」「ああ、意外に１０年楽しく過ごしたものだ。」船着場は何処だ。また、原住民が見えてきた・・・ ほし あきら
2009年09月30日
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日が暮れるまで
☆ お ね が い ☆ もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを２つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。 photo by PULIＮ 海ではじまったふたりの恋。 夏の日差しのようにキラキラと。 はしゃいで過ごしたあの夏の日。 今は・・・ タワーを見上げふと考える。 これからどうなっていくのかなぁと。 街灯の下でそっと手をつなぎ 少し大人になったふたり。 次の季節を迎えるこの街のように。 ほし あきら イメージMUSIC (YouTubeより) 四季(the four seasons) ～そして僕は海に還る～ 妹尾 武
2009年09月15日
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回想
☆ お ね が い ☆ もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを２つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。 ネット画像 眠る猫より R商会のけたたましいベルの音で私は目覚めた。 「今日も誰も居ないのか、下のやつらは・・・。 このご時勢だから人手不足は否めないがな。 私がまだ若かった頃は街には活気があって 人もたくさん往来しておった。 今じゃ、雑居ビルだらけのこのアベニュー。 私の時代はもう終わりになってしまったのかのぉ。」 階段で寝ているネコがヒゲをもしょもしょしながら つぶやいているように見えた・・・ ほし あきら イメージMUSIC (YouTubeより) KawaiEri - Shalion 河井英里 - シャ・リオン
2009年09月12日
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