2017年09月27日
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「百伝う磐余の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲陰りなむ」
ラジオから流れてくる大津皇子の辞世の歌、
犬養孝先生の名調子の万葉歌の朗詠が
今も耳に蘇ってくるほどに分かり易い先生の講話に導かれて、
難しいものと敬遠していた万葉集に近づくことができ、
万葉人の赤裸々な叫びに心を打たれ、親しみさえ湧いてきました。
そういえば母校の女学校の庭にも、ささやかな万葉植物園があり、
犬養先生に劣らぬ情熱をこめて万葉集歌を教えて下さった
そして昭和十年代は催眠術をかけられた如く、
全国民が歌わされた歌は大伴家持の
「海ゆかば水漬く屍、山行かば草むす屍、
大君の辺にこそ死なめ顧みはせじ」
の大合唱の波涛の前に砕けてしまいました。
今晩学ながら万葉人に招かれて、万葉集の魅力にとりつかれています。
昭和五十六年一月
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