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あの夜
あなたに いだいた ほのかな想い
あれは 桜が あまりに綺麗だったせいかしら。。。
靖国神社の 夜桜能の帰り道
地下鉄駅そばの 喫茶店のテラスで
あなたは 本を読んでいた
驚く私に 軽く手を上げて 微笑んでいたね
「えっ!どうしてここへ?」
『夕方、電話をくれたから・・・』
あっ、そうだった。。。
何となく、あなたに電話をかけて 言ったんだっけ
「今日はこれから、夜桜能を観にいくのよ~」って
電話をかけた事さえ 忘れていたのに・・・
あなたは 憶えていて 仕事帰りに 待っていてくれたのかしら?
「もし、すれ違いになっていたら、、、せっかくなのにねぇ。。。』
『いいんだ。帰り道、途中下車しただけだから・・・』
「夕食はまだなの?」
『うん、まだなんだ。食事に行く?』
「そうね、そうしましょう!」
見上げれば 綺麗な月が輝いていて
一瞬、ほんの一瞬だけど・・・
あなたが とても素敵に見えて
ほのかな 恋心を 感じてしまったみたいなの。。。
多分 それは 美しい錯覚
春の宵の 妖しい幻影
夜桜は 人の心も ほんのり薄紅色に 染めてしまうのね。。。