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道子の日記21~31
梅田の東通りの端っこにあったその店から
走っていけば、梅田の駅には10分ほどて着く予定だった。
そこから運良く
すぐに電車が来れば、
22時過ぎには家に帰る着く事ができた。
「10分ぐらいならなんとか大目に見てくれるかな、、」
そんな淡い期待とともに、
私は両太ももを締め付けるかなりタイトなスカートに、
ピンヒールを履いて
走りだした。
それに
この姿のままでは家に帰ることは出来ず、
どこか駅のトイレで
家から着てきたジーンズとスニーカーに履き替え
なければならなかった。
それを計算にいれずに
居酒屋を夜の9時に出てしまった。
週末の東通りは
何処からこんなに沢山集まってくるのだろうかと
不思議に思うぐらい人が多く、
私は履きなれていないピンヒールをカチカチ言わせながら
人ごみを掻き分けて走った。
上半身を少し前に倒し、
高くて細すぎるピンヒールとのバランスを
うまく取ろうとすればするほど、
無様な走り方になっていった。
おまけに足のかかとの豆がつぶれ、
靴がすれるたびにヒリヒリ痛くなってきたのだ。
今思えば
その走る姿は、
フランケンシュタインがこの世に生を受け、
初めて歩き出した様に似ていたのではないだろうか?
恐すぎるぐらいに無様な走り方だったのではないだろうか?
だがその時の私は、
そんなことを考える余裕も無いぐらいに、
必死に走っていた。
「やっと梅田の駅が見えてきた、、、」
そんな時だった。
「痛っつ!」
私は前のめりになり、
正座をするような格好で
人ごみの中でこけたのである。
膝をかなり強く打ったせいか、
暫く正座のまま動けず、
周りからは、
大丈夫かという声が聞こえるどころか、
笑い声さえ聞こえてきた。
そんな声によって、
体の体温が上昇するのがわかった。
恥ずかしさのあまり、
痛さも忘れ、すぐに立ち上がって再び
走り続けた。
丁度改札に着いたところだった。
自分の膝を見ると、
黒のボディコンにあわせた
「セクシーブラックパンティストッキング」
には、見事
何本もの電線が走り、
おまけに血までもが
その電線に沿って流れていた。
「大丈夫ですか?」
私の酷すぎる姿に見かねたのだろうか、
どこかのサラリーマンが優しく声をかけてきた。
それこそ
うまくいけば素敵な出会いに変化する可能性もあったにも
関わらず、
私は引き続き
見栄をはり、
前髪をすばやく掻き揚げると、
「あ、大丈夫です、」
と何も無かったように、
そっけなく返事をしたのだ。
切符を買って改札を通り過ぎると
すぐにトイレに駆け込み、
ジーンズとスニーカーに履き替えた。
結局
乗ろうとしていた電車には乗れずに、
その後の電車で帰ると、
家には
22時過ぎの予定とは程遠く、
時計の針は23時を指しており、
もちろんのこと、
すごい雷が両親から落ちてきた。
そして、その雷の最後には、
「門限21時に変更」
というものが加わった。
慣れない服を着て
ありもしない嘘をつき、
挙句の果てに怒られて、
私は何をしたかったのだろうか?
あまりにも遠い昔のことなので、
詳細は覚えていないが、
ただ一つだけ確かな記憶は、
背伸びをしてまでも、
嘘をついてまでも、
世の中のことを何でも知っている
成熟した女になりたかったのだ。
何が大事で、
何が恥ずかしくて、
何が格好良いのかなんて、
ああ、無情にも、
全く分かっていなかった年頃であった。
続く
お馬鹿な道子に情けをかけたい方は、下の2つにクリックね~
第22話、アポロ13、月に着陸
ある本によると、
夢には色もなければ匂いも無い
白黒の映画みたいだと書いていた。
それなのに
それなのに、
夢男が持ってきてくれたラベンダーは紫色だったし、
夢男との初キッスはラベンダー味がしていた。
再び
その本によると、
夢とは、将来に対する希望や願望の
そうでなければ、
これから起きる予言かもしれないと書いてあった。
夢男は
私の希望や願望なのか、
それとも
将来起きる予言なのだろうか?
私が大学3年になった頃、
アメリカに留学していた親戚のお姉ちゃんが
日本に帰ってきた。
大学を卒業し、
帰ってきた彼女は
なんとアメリカ人のフィアンセを連れてきたのだ。
もちろんのこと
親戚中は大騒ぎで、
日本の言葉をしゃべれない青い眼をした人間を
どう受け入れていいのか
困り果てた様子だった。
だが、
彼の人懐っこい性格と
堂々とした風情に負けてしまったのだろうか、
いや、それとも
ただ単に
英語がしゃべれずに
抵抗できずにいたのだろうか。
お姉ちゃんのお父さんは
何も反対することなく、
彼女達の結婚を認め、
式の段取りは着々と進んでいった。
お姉ちゃんの家は隣町にあり、
どちらの家も姉妹が全くいないことから、
お姉ちゃんは私を実の妹のように
いつも可愛がってくれていた。
すごく仲のよい姉妹のような私達なのだから、
当然といえば当然のことだったのかもしれないが、
お姉ちゃんからこういう
誘いがあったのだ。
「ねね、みっちゃん、ハワイで挙げる結婚式
来てくれない?」
「え?いいの?」
「うん、みっちゃんには是非来て欲しい、、、」
母親同士が姉妹の私達は、
何かを計画すれば
すぐに母親達が実行に移し
なんでも簡単に事が運んだ。
そしてもちろんのこと、
今回のアメリカ行きも
簡単に事が進んだのだ。
私は生まれて初めてパスポートを取り、
日本という小さい島国から
初めて外へ出ようとしていた。
テレビでしか見たことがない外国。
私には全く縁のない話だと信じて疑わなかった。
その
アポロ13号が月に着陸するより、
難しいと思っていた
私の日本脱出は、
お姉ちゃんの手で簡単に成功したのだ。
そして、
「ワンレンボディコン道子」
をまだ気取っていた私は、
念のためにと
いつもの黒のピンヒールに、
黒のボディコンシャスのワンピースを
スーツケースに詰めていたのだが、
私のハワイ滞在は、
お姉ちゃんの式の準備や色々なことに追われ、
ボディコンに変身するどころか、
観光も1日できたぐらいであった。
だが、その日を境に、
私は
外国への憧れが強まり、
夢男の力も加わって、
「いつか何処かで暮らしたい、、」
と、
ババたれの分際で
「夢見る道子」
になったのである。
期待していたハワイでは
何の出会いもなかった、
その腹いせだったのだろうか?
私は、帰国してすぐに、
夢の中で処女を失ったのだ。
夢男のペースに乗らされてしまっていた。
夢の中で、
私は何故だか
あの幼稚園の時に作った鬼のパンティを履いており、
夢男に恥ずかしげもなく見せていたのである。
あのいつもの浜辺で
私は大胆にも自分からその鬼のパンティを脱ぎ、
横たわった。
夢男のしなやかな指は
私の体を這い、
彼に愛撫されればされるほど、
私の体は宙に浮くように
快感に浸っていったはずだった、、、。
あの本によると、
夢の中では
痛みもかゆみも無いはずなのに、
事が済んだ後の私の感想は、
「ただただ痛かった」
のである。
続く
夢男のエッチ話しがもっと知たい方は下の2つにクリックね~
第23話、脱げない鋼鉄パンツ
その後も、
そんな馬鹿げたコンパを何度も繰り返し、
近隣の大学のサークルには皆勤賞で参加し、
「嘘つき道子」
を演じながら
男探しを続けていた。
私の周りの友達は、
遠の昔に、
私の色んな初体験の話しが嘘だと
気がついてはいたのにも関わらず、
私は嘘をつきとおし、
それを恥ずかしいともなんとも思わずにいた。
そしてそんな嘘も
何度も何度も同じことを人に話せば
高校二年のとき、
カナダから交換留学で来ていたジミーという少年と
短期間で付き合い、
二人は激しく恋に落ちた後、
私達は初体験を済ませる。
だがその後、
ジミーのお父様の仕事の関係で
彼はカナダに戻ることになり、
二人は離れ離れに、、、
暫くは手紙を交換するが、
ジミーのたびたび重なる引越しで、
お互い連絡の取れない状態に、、、
というような
しっかりとした過去になりつつあり、
本当に
ジミーという恋人がいたんじゃないかと
錯覚におちいることさえ
度々あり、
この夢男兼ジミーは、
世界のどこかに消息しているんじゃないかと
何の根拠もないのに
信じ始め、
親戚のお姉ちゃんのハワイの挙式の件もあり、
私は、
「いつか夢男に会いにいくぞ、、、」
などという
漠然とした予定を立て始めていた。
その後、
社会人になってからも、
親に怒られながら、馬鹿なコンパを幾度となく繰り返し、
運命の人を探し続けたのだが、
玉はいつも不発に終わり、
帰りの電車では
「次のコンパにかけるぞ!」
と、酔っ払いのおっさん顔負けの
形相で、
強く握りこぶしを
つり革よりも上にかざし、
次に向けて
強く強く希望を抱いたのである。
そしてそんなコンパも、
30歳を過ぎると、
殆どなくなってしまい、
三十路を迎えた私は、、
男経験ゼロ、
まさに
誰も脱がす事が出来ない
「鬼のパンティ」
を履いていたのではないだろうか?
誰か素敵な男性に、
心とは裏腹に
「イヤヨ、イヤヨ」
と甘い声を出しながら逃げまくり、
最後にはつかまって
襲って欲しいのに、
自分でさえも脱げない、
破くことさえ出来ない、
悲しいかな、、、
鋼鉄のパンツを履き続けていたのではないだろうか、、、。
続く
鋼鉄のパンツを履いているひとは下の二つにクリックね~
第24話、灯台下暗し
お馬鹿なコンパと言えど、
素敵な男性に出会えるかもしれないという
期待から、
「ババたれ道子」
の、
砂漠のようなアドレナリンも
少しは湿っていたのではないだろうか?
これから素敵な恋に発展するかも知れない
今日知り合ったばかりの男の横にすわり、
猫なで声をだしながら
媚びるように
男のグラスにビールを注ぐ。
どれだけ自分か家庭的で
物分りがよく、
優しい女なのかを見せ付けるため、
わざと自分の箸で男の食べたいものをお皿に盛ってあげたり、
ぴちぴちのタイトスカートの上には
決まって可愛い白のレースのハンカチを
置いたりしていた。
もちろんのこと、
家に帰れば
穴のあいたパジャマのようなスエットの上下を身にまとい、
テレビの前に横たわりながら
おせんべいなんかをかじる
週末を過ごしていたのに、
そういうことを一切隠し、
私はただただ気取りまくり、
誰かからお声がかかりますようにと、
素敵な女を演じていた。
もうその頃にはセクシー系は
止めて
「黒のセクシーパンティストッキング」
は
ベージュ系の素足っぽいものに変えたり、
黒のタイトスカートは
ピンクの柔らかい色に変わっていった。
それプラス、
雑誌で読んだ要点だけはまとめておいて、
(学校で習ったことはまとめる事が出来ずにいたのに、
こういうことに関しては徹夜をしてでも完璧にまとめていた。)
コンパに行くときには、
決まって
ブラウスの第一ボタンを軽く外しておいたり、
清楚に見えるピンクのタイトでも
少し長めのスリットに改造したり、
ブラが少し透けて見えるブラウスを選んだりと、
「ちょっとエッチなお嬢様」
を気取り、
あの手この手を使って男の気を引き、
なんとか最後まで持っていこうとしていた。
コンパの席なんかで、
好みの男性が面白そうな事を言えば
必要以上に反応し、
「あ~すごく面白い、」
と、本人は
全く面白くもないのに、
目をキラキラ輝かせて
その男性を上目遣いに見たりする
技術も取得していた。
ある男性から
少しからかわれたりすると、
「もう~嫌だあ~」
などと、
ババたれの分際で
頬を少し膨らまし
すねた顔をつくりながら、
(きっと誰かがこの時の映像をビデオカメラに納めていたら、
本人でさえ絶対に気持ち悪くて見れないような表情だったと推測できる、、、)
テーブルの下などでは、
軽く彼のお膝タッチなどもしたりしていた。
そんなにも、
そんなにも
頑張ったにも関わらず、
毎回空振り三振、
気がつけば30歳になろうとしていた。
そして、
三十路になってしまった頃には、
全くと言っていいほど
コンパの話しは来なくなり、
素敵な男性に会う機会もなく、
少しだけ湿っていた私の砂漠が
からからにひび割れて
いこうとしていたときだった。
一枚のはがきが届いたのだ。
「小学校全クラス同窓会」
正直言えば、
私の心は躍った。
「灯台下暗し」
とはこのことをいうのでは
ないだろうかと
かなり喜んだ。
ひょっとしてあの三木君がまだ独身で、
すごい出世してるかも、
いやいや
高くんもまだ独身で、
すごく男前になっているかも、、
「ああ~私はかなり回り道をしていたけど、
結局は幼馴染と結ばれる人生やったんやわ~」
などど、
同窓会が始まる前から
一人興奮し、
小さい枇杷の実がついた胸を膨らませていた
お馬鹿な
「三十路妄想道子」
になっていた。
いつまでたっても
恥を知らぬ
めでたい女であった。
灯台下暗しだった人は下の二つにクリックね~
第25話、新地のホステス
彼らに会うのは、
中学を卒業して以来だった。
たまに仲の良かった友達とは
個人的に会ったり、
近くの商店街でバイトをしていたときに
偶然誰かに出会うことはあったものの、
机ならぬテーブルを囲んで、
顔と顔を向き合わせ
クラスの全員と会うのは
15年ぶりだった。
私はそのハガキを読み終えるやいなや、
ダッシュで自分の部屋に駆け込むと、
急いで
自分の洋服ダンスの全引き出しを開けた。
その日に着ていく服とセクシーな下着を物色し始めたのだ。
高校を卒業して以来、
コンパにコンパを重ね、
女として磨き上げた自分を披露すべく、
一番素敵な服を着て参加したかった。
誰に対して自分をよく見せたかったのか?
憧れだった三木君へ、
「惜しいことをした、、、」
と思わせたかったのか、
それとも、
憎き勝田への
仕返しだったのか、
そんな意気込んだ私が選んだ服は
昔よくコンパで活躍していた
ちょっとシャネル似のピンクのスーツだった。
それにあわせ、
ブラは一番持ち上げ効果が強力なものを選び、
そして、それによって
かなり強く持ち上げられた二つの小さい実の上には
少し胸の開いたキャミを着て、
そして無理矢理出来上がった胸の谷間を
もったいぶるように
シャネル似のジャケットで覆い隠すことにした。
同窓会の日は金曜日だったので
私は会社を昼間で早退し、
家の近所の美容院に駆け込んで、
軽くブローをしてもらい、
即効で家に帰った後は、
予定通りの服を身にまとった。
アクセとしては、
黒の無難なプラダの革のバッグを肩にかけ、
あまり下品でない
フェラガモの歩きやすい靴を選んだ。
メークはもちろんのこと、
その前日に買った
「メーク攻略本」
というものに従って、
「うるうる涙目道子」
を作り、
そして出来上がった私は、
今から
新地へ繰り出してもおかしくないぐらいに
完璧な
「お上品ホステス」
に変身していたのではないだろうか?
続く
ホステスと女子大生の見分けがつかないひとは、
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第26話、サティな人
30過ぎた同窓会というものは
どういうものかを想像して欲しい。
運がよければ、
昔とあまり変わらない体系を保ち、
目じりなどに少しの小じわが増えるだけという
最高のパターンがある。
ただ、運が悪ければ、
女性の場合、
子供を産んだ後、元の体系に戻る事が出来ず
お腹の子のためにと
せっせと食べ続けたカロリーは
全て血となり肉となり、
外へ排出するどころか
立派な
「贅肉」
というものになり、
ブラウスについているうるさ過ぎるフリルのように
「あ~きっと無い方がすっきりしたデザインになるんだろうけど、、」
と、この程度の後悔だけで、
痩せようという何の努力もすることなく、
肉フリルを
フリフリさせることになるのである。
それプ~ラス、
家に閉じこもりっきりな専業主婦は
外との交流を断ち切り続けたため、
彼女達の井手達は、
立派な
「ジャスコなファッション」
に変化を遂げてしまい、
はずかしげもなく、
近所をうろつく格好で
心斎橋の大丸なんかに繰り出してしまうのである。
男はそのてん、
働かなければならないといけないから、
いつも外の空気に触れているし、
女性のように
そう変化することはない、、、、
と、思いきや!
悲しいかな、
人相をいっぺんに悪くさせ、
おまけに助平そうな面持ちに変えてしまう
「禿げ」
というものが、
遺伝によって
容赦なく、
どんなに頑張って抵抗しても
彼らに襲ってくるのである。
そんな恐ろしいものが襲ってくるまえに
うまく結婚できていれば、
彼らのその後の人生も御の字であるが、
もし結婚する前に
それが襲ってくるものならば、
つい最近見た映画、
「40 year-old- virgin」
の主人公になりかねない
恐さと凄さがある。
そんな男女が過半数を占める同窓会で、
昔より磨きがかかった私は、
もちろん、
「もてた」
のである。
それこそ名前も忘れてしまった
男達に囲まれながら、
「おコンパ大好き道子」
に早代わりし、
面白くもない話に
きゃきゃと騒ぎながら、
時折
うつむき加減でウルウル目を
強調するように
彼らを見つめ、
「面白いわ、、」
などと心にも無いことを言ったりしていた。
そんな忙しい中でも
目だけは泳ぐように
何故だか、
三木君と勝田と、
そしてきっと来ないだろう花ちゃんを探していた。
続く
あ~私はいつもジャスコやサティで洋服買ってるわ、ひとは、
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第27話、ババたれのおコンパルール
「え~~道子ちゃん?久しぶり~」
少々女なれした口調で
私の前に誰かが座った。
その誰かが三木くんだと分かるまで、
時間はかからなかった。
なぜなら彼も運のよい男だったのだろうか、
昔の格好のいい彼が
そのまま大人になっていたのだ。
昔は
「ババたれ」
「道子」
はたまたこの二つがくっついて、
「ババたれ道子」
のこの3つでしか
彼からは呼ばれたことは無かったのに
その夜の私は
「道子ちゃん」
という「ちゃん」付けで呼ばれ、
かなり格上げされていたのだ。
ジャスコなファッションを着ているサティな人たちの中、
私は自分の女ぷりを
憧れていた三木君の
格上げされた名前によって
酔いしれていた。
「え~道子ちゃん?久しぶりやん、、」
三木君を押しのけるように私の前に
再び違う男性が座った。
「お前、なんでここに来るねん、俺が先座っててんぞ」
「ええやんけ、お前もう彼女おるし、一緒に座らせろやあ」
三木君とその男性が私の目の前の席を奪い合う、
「あ~~~~なんて私はすごい女なの~~!」
と、心で大声で叫ぶほど
浮かれようとしていた。
鳥のから揚げをつかんでいた箸を下ろし、
ビールの泡が付いた口元を
いつものレースのハンカチでお上品に綺麗にふき取ると、
私はいつもの
「コンパ専用うるうる涙目道子」
を気取り、
目の前の男性を上目使いに見つめた。
三木君を押しのけて座った彼は、
少し恥ずかしそうに
私を見つめてきた。
「勝田、、、、、君?」
「うん、久しぶりやな、、」
彼は白いTシャツにジーンズ、
かなりさわやかな井出達だった。
ただTシャツの胸に黒で大きく書かれた
「D&G」
という文字が少し気にはなっていたものの、
昔より男前になっていた
勝田をすこし格好いいと思い始めていた。
その後、
その居酒屋を離れ、
二次会にこれるものだけ
近くのカラオケボックスへと足を運んだのであるが、
私はこの二件目も、
三木君ではなく、
勝田の横に座り続けていた。
いや、私があえて彼の横に座ろうとしていたのではなく、
勝田が
私を必死で追いかけるように
付いてきたのだ。
「あ~この私ももっともっと追っかけて、
嫌がって走って逃げても、どこまでも追っかけてきて~」
私は自分のモテぶりに
浮かれに浮かれまくって、
心でこんなことを大声で叫びながら、
勝田に対して、
超が付くほどのもったいぶった
行動をとっていた。
美人とは、
いつもこんな気持ちを味わいながら男性と接しているのだろうか?
最後は駄目押しのように、
「この後二人でどっかいかない?」
と、勝田が耳元で囁いてきた。
やはり灯台下暗しだったんだと、
私の胸は張り裂けんばかりに
歓喜していたが、
もちろんそのお誘いは、
「ババたれのおコンパルール」
に従い、
丁寧にお断りした。
その代わりと言ってはなんだか、
再び、その
「ババたれのおコンパルール」
に従い、
名残惜しそうな目つきで勝田を見つめ、
自分の携帯の番号を彼に渡した。
家まで送っていくという勝田を振り切り
一人、皆より先に帰ったのである。
そう、
名残惜しまれているうちに帰る、
それは鉄則であった。
続く
あ~私も私独自の「おコンパルール」があるわ!って人は、
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第28話、勝田とデート♪
自然のごとく、
当然のごとく、
次の日、早速勝田から電話がかかってきた。
そしてその週の金曜日に
家の近くのバーで会う約束をしたのだ。
もちろん私は
「ルンルン道子」
で、
電話を切った後、
すごい勢いで自分の部屋へ駆け込んでは、
♪デ~ト、デート、勝田とデ~ト、
デ~ト、デート、勝田とデ~ト!
と「ケロヨンとデート」の替え歌を即効で歌いながら、
再びたんすの引き出しを開けては
その日に着ていく服を物色し始めていた。
「ババたれのおコンパルール」
によると、
二回目に会う時は、
一回目と全く違う雰囲気で突撃、
というものがあった。
一回目はシャネル似のスーツに都会系の女だったので、
おったまびっくり、
二回目は
少しカジュアルにと、
お洒落なジーンズに白いブラウスでいく事にした。
もちろんこの白いブラウスも
普通に着るのではなく、
中には
持ち上げ効果抜群のブラに、
白い肩無しタンクトップ、
その上に
フロント全開にブラウスを羽織るという、
ちょっと清楚だけど、
ちょっとエッチで、カジュアル系で
いく事にした。
バーにつくと
勝田は既に来ていた。
この前着ていたジーンズに、
今度は薄いピンクのTシャツを組み合わせいた。
前の
「D&G」
と同じように、
胸に大きく書かれた
「TRUSSARDI」
という文字がかなり痛げで、
再び気になってはいたが、
あまり気にしないようにしていた。
私は
ビーズであしらった可愛い花柄が
付いている小さなバッグをバーカウンターに置くと、
勝田の隣に座った。
そしてすぐに、
少し慣れた口調で
「チョコレートティーニあるかしら?」
とバーテンダーに向かって
少しダルげに聞いたのである。
近所ではお洒落と言えど、
こんな田舎のバーなんかで置いているはずはない、
マティーニを頼む私は、、、
「あ、チョコレートティーニって何ですか?」
待ってましたのこの質問に、
「あら、ないのかしら、あれよあれ、チョコレート味の、ほら、、」
と、さもバーになれた女のように振る舞い、
「すいません、そんな特別なもの置いてないんです、」
とバーテンダーが頭を下げようものなら、
「あ、いいのよ、じゃ、普通のマティーニいただこうかしら、」
と、最初から普通のマティーニを頼めばいいものを、
何処までも痛い女の私であった。
「道ちゃん、今日はなんだかカジュアルで可愛いね、、」
この勝田の台詞に酔いしれ、
頭の中では再び
「ケロヨンとデート」
の歌が鳴り始めていた。
続く
私も「ケロヨンとデート」って歌、歌ったことがあるわ!って人は、
下の二つにクリックね~
第29話、灯台下明るし1
そしてゆっくりと勝田の方を振り向くと
私は優しくにっこり微笑んだ。
こんなに余裕で笑顔を男性に投げかける事ができるのは
いつぶりだろうか?
いや、いつぶりというよりも
生まれて初めての最高の余裕の笑顔を
勝田のために
その夜に作る事ができたのではないだろうか?
今までコンパで知り合った男性に無い、
勝田の素直な視線や仕草は
何も包み隠すことなく
私に大量に注がれ、
「勝田は私を喉から手が出るほど欲しがっている、、」
という雰囲気により、
私は最高の女を演じようとしていたのではないだろうか?
「本当にみっちゃんええ女になったなあ、、」
「そ~お?勝田君だって、前より格好よくなってるわよ」
20年も前に
「ババたれ~」
「アホ勝田~
」
と叫びあった仲の私達が
かなりの変化を遂げようとしていたはずだった、、、。
普通のマティーニがテーブルにとどくと、
本当のところ、
辛くて飲むことが出来ないにもかかわらず、
親指と中指と薬指で軽く持ち上げ、
小指を立てたまま
軽く飲む仕草をした。
「でさ、勝田くんって何してるの?」
「え?俺?」
バーに着いてから、
Tシャツ以外にも
かなり気になっていることがあった。
それは
勝田のグラスを持つ手がかなり薄汚れていたのだ。
そんな疑問は、
もちろんのこと、
事が色々始まる前に
相手に色んな事情を聞き、
色々値踏みする、
それは
もちろんあの
「ババたれのおコンパルール」
に従っての行動だった。
初めてのデートなのに
あまりそういうことに気がつかないのだろうか、
手もしかり、爪の先までもが黒かった。
なんの仕事をしているのか
かなり気になり始めていた。
「俺なあ、親父の弟の会社で働いている、
配達の仕事や、、、
あんまり好きじゃないねんけどなあ、家でごろごろしてると
親父がうるさくて、働かされてるねん、、、」
その一言で
一瞬にして、背筋がぞっと寒くなった。
「え?働かされてるって、働く気ないのん?」
「俺アホやったやろ、高校卒業しても就職なくてな~、
親父の弟が小さい工場経営してて、それで無理矢理っちゅうか、、
パチンコ代ぐらい自分で稼がなあかんしな、飯は食わしてもらってるけど、、」
30になった男のこの言葉に、
気が遠くなり、気絶寸前だった。
アホ勝田は健在だったのだ!
それでも
私は深く深呼吸して
マティーニを一気に飲み干し、
混乱しかかっている小さな脳で
次の作戦を考えようとしていた。
それは、
「その場から逃げる」
であった。
続く
いいじゃない、職があるだけ十分じゃない、勝田君素敵、って思う人は、
下の二つにクリックね~
第30話、灯台下明るし2
「その場から逃げる」
の作戦を考えていたが、
バーに来て30分もしていないのに
そんな悪い奴でもない勝田を置いて、
この場からどうやって逃げるかを、
なかなか思いつかずにいた。
そんな私の心の動きを
もちろんのこと
アホ勝田は読み取る事が出来ず、
「でさ、みっちゃんはどんな人生過ごしてた?本当
綺麗になったよね~ババたれの面影なんか、影も形も
無くしちゃってなあ~、」
と徐々にヨッパライ始め、
へらへらと笑いながら
私の大嫌いな時代を思い出させる話をし、
ボディータッチをしてきた。
高卒のアホ勝田を見返すため、
「私は○○大学卒業してから、、、」
少しアホ勝田を牽制するように睨んだはずなのに、
「大学ってさ、何?」
アホ勝田は急に身を乗り出し、
子供が今まで見たこともない素敵なものを
見つけたように、
目を大きく見開き
眼球をキラキラさせながら
かなり素直に聞いてきた。
「勝田、私用事思い出したから帰るわ、、」
「え?まだ来て1時間もしてへんぞ、、」
「ごめん、明日までに会社にレポート出さないといけないの忘れてたの」
私の肩に周りきった勝田の手を振りきり、
私は急いでバーを出た。
酔っ払って追っかけてくる勝田を振り切ろうとしていた。
それでも奴は私が逃げても逃げても
追っかけてきて
それは私が夢で描いていた
「私が嫌がってもどこまでも追いかけてきて~」
とは程遠い状況で、
彼は私に追いつくと、
私の肩を強く抱き締めて、
「みっちゃん、ちょっと待って~な~あっち行こうや~」
と
ラブホテル街のネオンがキラキラしている方向を
指差したのだ。
そして
正面を向いて私をきつく抱き締めると、
「キスしよ、、」
と
これまた蛸のように口を尖らせた
何の色気もない
ひょっとこの様な
勝田の顔が私を覆おうとしていた。
もう私の堪忍袋の緒は切れていた。
「アホ勝田、もうやめてんかあ~!」
おもいっきり勝田を突き飛ばし、
ののしるように叫んだ。
酔っ払っていた勝田は
よろよろと糸の切れた蛸のように
道を歩き、
こけそうになるも
再び体制を持ち直し私にこう言い放った。
「なんやねん、ババたれ道子のくせに~
生意気言うな、ぼけ~」
私は勝田の怒鳴り声を最後まで聞かずに走り出した。
昔のあの時と同じように、
目に涙を少しためて
彼らの声が聞こえなくなるまで走り続けた。
最初からおかしいと思わなければならなかったのだ、
勝田が着ていた
あのTシャツを見たとき、
「ババたれのおコンパルール」
に従って止めて置くべきだったのだ。
偽物のブランドTシャツ着ている男は相手にするべからず、を
勉強してまとめておいたはずなのに、
それを
それを
目をつぶってデートに出かけたのは
私だったのだ。
「灯台下明るし」
その日にあった事件で、私が作った新しい造語である。
「ババたれのおコンパルール」
にそっとその日に付け加えた。
続く
やっぱりアホは死んでも治らないのよね~って思う人は、
下の二つにクリックね~
第31話、不純な動機
それから数日後、
再び夢男が夢に現れた。
私達はいつもの浜辺で肩を並べて座っているところから
私の夢は始まったのだ。
「もう~勝田って、ほんま変な奴やったわ、、、
あんな奴とデートして、ほんま時間の無駄やったわ、、、
変なTシャツ着ているから、最初からおかしいと思ってたのに、
それを無視して行った私が馬鹿やったわ、
最初の直感って大事やねんなあ、、、」
夢男は目を細め
愛しそうに私を見つめ、
私の愚痴を、何も言わずに聞いてくれる、
そんな時間はまさしく
私にとって
「夢心地な時間」
であった。
しばらくして
夢男は私から目をそらすと、
下を向き、
砂浜に
「の」
の字を大きく書き、
それを何度もなぞりだした。
そしてその「の」の字の手を止めると、
「もうコンパはみたいなんは
やめときって、、思い切って僕のいるところに来たら?」
夢男が急にまじめな顔をして言った。
「夢男のいるところって、英語しゃべる国やろ?
どこ?どこにおるのん?いつもどっから来てるのん?
ハワイに近いところ?」
夢男は水平線を指差すと、
「うん、あそこから、、日本からやと、ハワイを通り越して、もうちょっといかなあかん。」
「ハワイより遠いんかあ、、」
ハワイしか行った事のない私には、
どれ位遠いかと説明されても
まるっきりのトワイライトゾーンになっていた。
「道子がこっちまで来てくれたら、夢だけじゃなくて
現実にも会えるしな、、」
「現実に会えるって、え?これ夢なん、え?」
再び夢の中の私は、
今自分が夢の中なのか現実の中にいるのか
困惑し始めていた。
そんな私を落ち着かせるように、
夢男は私を優しく抱いて、
そしてラベンダー味の彼の唇が私の唇を覆ったのだ。
それは
べたな表現ではあるが、
夢男との抱擁は
「甘く切なくて」
夢男をおもいっきり抱きしめているのに、
まだそれでは物足りなくて、
どうにかして、自分の心を夢男によって
満たされたいと切実に願うほど、
彼を愛し始めていた。
夢男と一つになりたい、
そんな私の心が届いたのか、
その夜に
再び私は夢男と体を重ねた。
次の日、
私は早速、近所の英会話教室のドアを叩いた。
そして、
「留学コース」
というものを
何の迷いもなく
大金50万を払い申し込んだのだ。
夢男の
「こっちまでおいで」
の言葉に乗せられて、
その
「こっち」
が何処なのかも分からないのに、
とりあえず日本をでれば夢男に会える、
という安易な気持ちで
私は留学カウンセラーの言われるがまま
契約書にサインをした。
続く
道子が留学するのを決心した理由って、パンツの紐が緩んだからなのね、って思う人は、
下の二つにクリックね~
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