読書推進フォーラムに参加して
～いい本・いい顔・いい出会い～
平成１４年１０月１６日（水）午前１０時より
桶川市民ホール
さいたま文学館
埼玉県総合教育センター主催
午前の部
実践発表
第１分科会「小学校における読書活動実践発表」
第２分科会「中学校における即署活動実践発表」
第３分科会「橋をかける 子ども・大人・学校・図書館～学校図書館ができること」
実践講座
第４分科会「語り手のことばで子どもたちに本を届けるブックトーク実践講座」
第５分科会「読むことへの意欲を育てる読書へのアニマシオン実践講座」
第６分科会「読み手と子どもたちの心が通う読み聞かせ実践講座」
午後の部
子どもの感性を育てる読み聞かせの世界
シンポジウム
テーマ「子どもの心を育てる読書活動」
今後の読書活動について
私は第１分科会と第６分科会に参加してきました。
１.読み聞かせとは
耳からの読書
主役は「本」と「子ども」
本（お話し）の世界を一緒に楽しむ（読み合うという感覚）
何を読むか（本選び）が一番重要
２.絵本を読むとき
持ち方
めくり方・タイミング
絵の見せ方
環境作り（座らせ方など）
３.読み方・声の出し方
聞きやすい声で、はっきり、心をこめて
自然にはなすようなリズムで（句読点にまどわされず）
感情移入のさじかげん
☆３つの栄養
「身体の栄養」「頭の栄養」「心の栄養」の３つの栄養をバランスよく摂る事が大切。
○「心の栄養」には本が一番
「心の栄養」で大切な物は、人間の愛、温もり、生き方、共感、感動など。
本は様々な人々の生き方から、経験を追体験させ、教えてくれる。
それを毎日の食事のように毎朝１０分好きな本を定まった時間に消化不良にならない程度の量を摂ろうとはじめられたのが朝読書だった。
○「心の栄養」とは、今流行の言葉で言えば「心の教育」のこと。
☆「朝の読書」の４原則は、教育の原点に立った実践
○好きな本を（読む本は自分の好きな本でよい）という教育論的意義
・自分の興味・関心あること、必要と思うことを学べる。
・自分の力に合ったものを学べる。
・自分の個性に合ったものを学べる。
・自主性・主体性を学べる。
○みんなで（全校一斉に、子供も教師も一緒に）ということを教育的意義
・学校で、本を読む時間を意図的・組織的に設け、全員が本を読めるような環境を保障した。
・全員がシーンと本に向かっていると言う「無言の教育力」によって、どんな子供にも本を読むことを促した。あとは放っておいても本そのものの力によって、どんどん自分で先へ先へと進んで行く。
・ある決まった時間帯に、みんなで一斉に同じことをするという活動スタイルは、学校の最大の特徴。
・教師も一緒に読むことの意義。親や教師がお手本を示すと言うことはあらゆる教育の原点である。何より、忙しくて本を読まなくなった教師に、幅広い読書を通して豊かな人間性を身につけてほしいのである。自分自身の成長のために子供と一緒に読書をしてほしい。
・学校・教師のあるべき秩序と権威で確立できる。最近の学校の秩序の乱れと教師の権威の低下を見るにつけ、このような全校一斉の読書活動の役割の大きさと必要性を実感。
・全校一斉の方法は指導力の弱い教師を助けることもできる。
○毎朝１０分（毎日朝１０分だけ読む）ということの教育論的意義
・毎日コツコツと続けることが何らかの力をつけることの最良の方法。基本的な生活習慣の崩れを正すことにもつながって行く。
・学校生活の始まりが朝だからこそ、効果がある。遅刻もしづらくなる。
・なぜ「１０分」なのか。（可能ならば１５分でも２０分でもよい）１０分は、本が嫌いな子でもどうにか集中でき、最低限の効果が上がる時間。芥川龍之介の「トロッコ」は１０分で読める。
・毎朝１０分が無理な場合は授業のどこかで毎日１０分だけ読書の時間を確保することが大切。
○ただ読むだけ（読書感想文等を求めない）ということの教育論的意義
・子供たちや教師の余分な負担を省いて長続きさせるため。
「朝の読書」では一番読書が苦手な子でも本が読めるようになり、読書を通して、生き生きと生きる力を育てることが本来の目的だから、読書感想文やあらすじを書かせることによって読書嫌いにさせてはならない。
「朝の読書」は「国語的な読書指導」ではない。
・今やっていること自体に喜びを感じることが大切。
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