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ケーキ(文化)の研究、楽しそうだね。には、「そんな女子供のお気楽な食べ物」というニュアンスが含まれる。といってもいいです。ほぼ、確定。そんなお気楽な食べ物を研究って、研究になるの、研究にして何になるの。そこまで行かなくても、「お気楽そうで、研究も楽そうだよねぇ。」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 前回も書きましたが研究を楽しんでできることはとても大切なこと。というか、確かに、楽しくなくては続けていけないのが研究かと思います。実際の論文書きは、テーマの内容に関わらずヒーヒーいってたりしますので(笑)、書いたり分析したりのつらさを支えてくれるようなおもしろみのあるテーマでないと書き続けられない、病気になるというのは、ある意味、真実だと思います。私はケーキ文化をとても面白いと思う。だから、その文献を読んだり、資料を探したり、味気ない(と思う人がいる)化学式をみたり、延々と続く堂々巡りの語りを我慢強く聞き続けたり、何人もがドイツ語でいっぺんに勝手にしゃべっているテープ起こしをしたりするのも、それらをまとめて平均睡眠時間3-4時間で1年以上机に向かい続けるのも、親が倒れても離別があっても、投げ捨てないで続けてこられた(もちろん、いろんな支えがあってのことですが)だけど、ケーキが嫌いな人には、砂糖やクリームの味を思い浮かべるだけで吐き気がする人には、ケーキ文化を題材にした研究を深めることは難しい。そういうことです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ただし、そのテーマが一般に「楽しそう」と思われるかどうかというのは、社会学/文化学的にみて、別の意味を持っています。 「ケーキの研究って楽しそうだよね」というのは、ケーキを楽しいと思う人はやっぱり多いということですよね。それは、小難しくいえば、ケーキを「楽しさ」と結びつける社会的なコードができあがっているということです。そんなの、当たり前じゃないかというかもしれません。でも、アナタはどうして、それが当たり前だと自信を持って断言できるのでしょう。ケーキが、もしくはケーキのある空間が楽しいのは、当たり前ですか?同じように、「ケーキ文化なんて、お気楽だね」「ケーキなんて、女子供の食べるもの」という評価は、どうして「一般的」なのでしょう。また、それが世界の果てまでも、誰にでも通じると、アナタはいえますか。また、私たちの生きている社会では、そういう考え方はどこから来ているのでしょう。これらは、それは私の研究の中で、とても大切な意味を持っています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 私の研究では、ドイツのケーキ文化が持つ象徴的な意味の変容を扱っています。ケーキ文化がドイツでポピュラーになるのと平行して、その象徴的な意味は、贅沢からいわば家族的な愛へと比重を移していきます(このあたりは少し複雑なので、ここでは単純に、家族的な愛と表現します)。ケーキが楽しいというのは、その後半で大切な意味を持ってくるのです。食べ物は、往々にしてその国や地域の文化をとてもよく体現しています。ドイツのケーキ文化には日本に比べて異なる部分が多いだけでなく、他の欧州諸国に比してもドイツに固有な部分がたくさんあります。それは、ドイツという国が置かれてきた地理的理由や政治的理由、ドイツが培ってきたものの考え方と深い関係があります。そんな大げさな、といわないでください。それは、本当のことなのです。ドイツの私的な社会がどういう発展を遂げてきたのか知りたいとき、ケーキ文化の発展を追っていくことで見えてくる歴史があります。そういうの、私はとてもおもしろいと思うんです。それが、私がここまでやってこられた理由です。そして、経験主義的文化学、ヨーロッパ人類学、ヨーロッパ民俗学が持つ意義の一つも、ここにあります。 ケーキの研究、楽しそうですね。とかケーキで何ができるの?という怪訝なお顔というのはある意味、わかりやすく、ありがたい反応です。 なぜならそこに文化学の意義があふれていて、説明にとりかかりやすいからです。これは、前にも書いたかもしれませんが、ここでもう一度書いておきたかったことです。機会をくださったPfaelzerweinさん、Mixiのお友達、どうもありがとうございます。
2008年11月30日
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ケーキのことを研究しています。というと、たいがいの人は怪訝な顔をします。好意的な人は、「美味しそうだね」とか「楽しそうだね」といってくれます。「楽しそうだね」には、学問になるのかい。という懐疑的な思いが見え隠れすることもあります。楽しそうなことは、学問にはならないのだろうか。そんなことはありません。学問をやっている人は、多かれ少なかれ、自分のテーマを楽しい、すごく興味深いと思っています。その昔、ある教授はいいました。「暗いテーマは選んじゃいけない、鬱になる」私が「食文化に(変更)しました」といったら、彼は真剣な顔で、それはいい、暗い歴史を追っていると、鬱になるよといいました。確かに。いえ、誰でもが、重たいテーマを扱っていると病気になるわけではありません。それでも、希望のもてるテーマを扱うかどうかは、四六時中そのことと接している精神状態に少なからず影響を与えます。ただ、私は、精神的に不安定な人はそういうテーマを扱えない。ということではなく、そのテーマに取り組むことで得られる興味の充足感、達成感や「楽しさ」が、その重さを越えていなければならないだろうと思います。お金にもならない研究を成し遂げる原動力は、自身の興味。楽しいの中身は人によって異なりますが、自分が面白くなくて、楽しくなくて、それでも続ける研究は、お金のためか名誉のためか、とにかく、現在のケーキ研究では手に入らないものがあるからでしょうね。 それはおいといて。ケーキに対する「楽しいね」は、単に「楽しいね」だけではなく「そんな単純な、サルでも扱えそうなこと」という意味も含まれると思った方が正解。そんなの、学問になるのかいと。 そんな、日常的なこと。といった方がいいのかもしれません。これは、うちの学科のテーマが繰り返しいわれることです。それもそのはず、うちの研究科は、日常文化をよく観察することで、現代社会における問題点を明らかにし、更にその観察/調査/分析を通じて自己の文化や歴史を知り、その問題点を解く鍵を見つけることを一つの目的とする(そしてそれにより社会に貢献する)学問をするところ。ただ、日常の事物の中でも、研究対象になりやすいものとなりにくいものはあります。それは、その事物が何を体現しているかによって異なります。地域的な特性をみたいのか、国家としての変容を知りたいのか、家族社会を研究したいのか、労働における人間関係をおいたいのか。追いかけるテーマに合う日常の事物を探すか、一つの事物を見つめて、そこから分かるテーマを追うかはそれぞれですがケーキ文化に関していえば、私は、私的な人間関係の特徴を明らかにしたいと思ったのでケーキ文化を選びました。 私的な人間関係がケーキ文化とどう結びつくのかはまず、ドイツでケーキがどんな扱いを受けているのかを知る必要があります。というより、プライベートな人間関係をよく体現しているものは何かなと探してみたらケーキ文化があったというのが近いです。続く
2008年11月29日
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応援してくださった皆様、無事、口述試験が終了しました。合格しました。Rite(可)にならなきゃいいけど・・・と思っていたらMagna Cum Laude(優)をいただいたので予想外のびっくりでした。口述で優がとれるとは、正直思っていなかった。あと、まだ出版が残っています。ドイツでは、出版しないと、本物のドクターを名乗れません。それまでは、Dr.des.という、博士予定の称号になります。まだ実感がわきませんが、これで、ほんとに、ケーキ文化で博論を書いた人になるんだなぁ・・・。フフフ。それはうれしいです。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
2008年11月28日
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いろいろあるのですがそしていろいろあったのですが(まだ片付いていない)明日とりあえず口述試験。まだ準備が十分でないので、今日は最後のまとめ。ドイツ人は普通、前日はもう何もしませんが私はそういうわけにもいかない準備状態なのでまとめ。試験が11時からなので、朝寝坊はしなくて済みそうです。ご病気のため、審査を降りた先生が、いま電話をくれました。明日、来てくださるそうです。それは知っていたんだけど、電話をいただけるとは思っていなかったのでうれしいなぁ。
2008年11月27日
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大変大変ご無沙汰しておりますが。いろいろありました。暗いというか、元気のないことが多いので、それを書くのもなぁというのもありますが翻訳仕事がずーっと入っていて、そればっかりやっていたと思ったら、9月下旬にシンポジウムに行く途中、フランクフルトで車上盗難に遭ってしまいPC、カメラ、携帯、旅行鞄 その他諸々をさくっと盗まれてちょっと身動きがとれませんでした。ハハハ。さらに、合間合間に結構病気になってました。いや、笑うしかなかったりします、こういう場合。そのときは、呆然としてますが。データは外付けハードに保存しておいたので、ほとんどのものは助かりました.これ、ほんと、大事です。が、カメラがないと画像もとれない。まあしかし、PCはとりあえず友人に借り、そして、新しく買うためのお仕事ももらって、購入、どうしようかと考え中。というのも、円が一気に上がってしまったので、日本で買うメリットがなくなった。ハイエンドをカスタマイズしてというなら別ですが、丸一日つけっぱなしという酷使するので、そろそろデスクトップで必要なものを入れて、ノートを出張でも働けるようなものにしようと思ったら、うーん。12,13インチって、返って15インチワイドより高いんですね。それだけ出すんだったら、ピカママさんがこの間購入なさったというマックブックが買える・・・と正直思った。でも、ソフトウエアを考えると・・・。なんて、シミュレーションしてますが、本とは今はそんな時間はないのです。というのも、11月28日金曜日に口頭試問です。これが終わると、あとは出版のみになります。出版しないと、ドクターは名乗れない。でも、口頭試問をクリアして、出版しない人は滅多にいない・・・。口頭試問では、自分の論文のほか、論文に全然関係のないテーマを三つ選んでそれについて語ります。準備、片頭痛で寝ていたりして、なかなか進みません。でもあと3週間足らず。今はそんな感じです。
2008年11月10日
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