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シュトロイゼルツヴェッチュケンクーヘン、第三回(今回、引っ張ります)。ドイツの素朴な焼きっぱなしケーキ(←これは絵柄が違うけど)、その代表格ともいえるプラムの天板ケーキ、今回でできあがり。前回までで、シュトロイゼルを作りました。 次にプラムの処理。 天板一枚に使うプラムはおよそ1キロから1.5キロ。 洗って水気を取ったプラムを二つ割りか四つ割りにします。種はそのとき、とります。 さて、プラムの下準備が終わったら、冷蔵庫から出しておいた生地をのばします。 麺棒でのばしてもいいし、手でぐいぐい押してのばしてもいいし。 麺棒や、ワインのビンなどを使うのが楽ですけど。生地に打ち粉をして、麺棒以外のビンなどを使うときは、サランラップを生地の上にかけて、その上からのばすと、ラベルなどが気にならなくていいでしょう。生地の薄さはお好みで。私は3-5ミリくらいにのばします。かなり薄めですけど、これだとぱくぱく食べられます。 生地をのばすとき、最初から天板の上でのばしてもいいし、別のところで伸ばして、ベーキングシートを敷いた天板に載せるという手もあります。ベーキングシートはなくても、ちょっと天板を洗うのが面倒なだけです。 のばした生地の上にプラムを並べます。 プラムが二つ割りのときは、何十個と並んだプラムのくぼみにお酒を染ませた角砂糖を載せて焼くという手も。でも焼き上がると、砂糖は溶けてしまっていることが多いので、単にプラムを載せて焼いただけに見えます。こういうのは、焼き上がりはどうってことない感じなのに一手間がかかっている、職人のケーキというか何というか。 プラムを並べ終わったら、その上にシュトロイゼルを振りかけます。好きな人はプラムが見えなくなるくらい載せてもいいし、そうでなければ、だいたい上記の3分の2くらいの量を天板一枚に広げるくらいの気持ちで載せればいいかと思います。 このシュトロイゼルが、プラムの酸っぱさを和らげて、丁度いい感じにしてくれます。甘いのが好きな人は、シュトロイゼルを多めにしても。 焼き時間は30分くらい。 天板で焼くシュトロイゼルの果物ケーキは、焼く時間も短めで、暑い夏には向いています。 シュトロイゼルに軽く焼き色がついてきたら、焼き上がりです。シュトロイゼルの色がお好みの濃さよりほんの少し淡い色になったら、オーブンのスイッチを切ってください。 そんなんじゃ、わからね―!(笑)という方は、30分経ったらスイッチを切ってかまわないです(笑)。 ちょっと冷めてからの方が、甘みがしっかり感じられます。好きな大きさに切って、どうぞ。 果物のコンポートを添えても、おいしい。
2009年08月02日
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さて、シュトロイゼルプラムクーヘンの作り方。 必要な器具は、ボール2-4個(いちいち洗うのが苦でない人は一つでも大丈夫)包丁(ペティナイフでも)、麺棒(もしくはワインのビンなど、代わりになるもの)、シリコンシートがあると、生地をこねたりのばしたりする台を汚さなくて済むので便利。ベーキングシート、計量器具(秤かカップ)材料は 天板1-1.5枚分でシュトロイゼル小麦粉 350g、砂糖 200g、バター 200g この量を作って、半分だけとって、残りは冷凍しておいてもいいし、最初から量を少なめに作っても。その場合、半量は、大まかでも大丈夫。でも、大きく配分を変えたりはしないでね。 プラム 天板1枚分に 1キロ-1.5キロ 台になるミュルベタイク(クッキー生地)については、独菓子の下敷 ミュルベタイク クッキー生地を参照してください。 オーブンは180-200度にあたためます。熱風のオーブンは160-180度で。 冷蔵庫に寝かせておいた生地は、作業しやすいように、外に出して少し柔らかくしておきます。先にシュトロイゼルを作ります。基本の量は、小麦粉350g、バター200g、砂糖200g。このくらいあると、天板に1枚から1枚半分。すべてを半量とか3分の1ずつくらい作ってもいいし、余ったら冷凍庫に放り込んでおけます。シュトロイゼルを作るときは、バターはがちがちに固いままで。ボールに小麦粉をふるい、砂糖を入れます。そこに、バターを一かけずつ、なるべく小さくして入れます。私はだいたい、包丁で0.5センチ幅くらいの拍子木にすることが多いです。面倒になってくると、拍子木にしないで板チョコみたいな感じのまま投入。後は冷たくした指で、小麦粉や砂糖にまみれたバターをすりつぶします。できるだけバターに指が直接触れないようにするつもりで、小麦粉や砂糖を指とバターにまぶしながらすりつぶします。最後にはどうしたってバターは指につくんですけど、だからバターが指に触れても別にかまわないんですけど、肝心なのはバターと小麦粉と砂糖がよく混ざることなので、私はそうやって三つの材料を混ぜています。 すりすり、すりすりと、指同士をすりあわせるように。指の間で、バターと小麦粉、砂糖が一体になっていきます。最初はぼそぼそ、ぽろぽろ。長いこと練り続けると、大きな塊ができます。天候がいいときには、バターがゆるむせいで塊も大きくなりやすい。更に遊び続けていると、何かの加減か、また細かくなります。シュトロイゼルが細かい方が好きな人はアーモンドプードルを加えると細かくなります。子供は大きいかけらが載っていると、割と喜びますね。さて、3に続く~。
2009年08月01日
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シュトロイゼルプフラウメンクーヘン Streusel-pflaumen-kuchenドイツ語で3つ単語が並ぶ、長ったらしい名前のケーキ。英語だとクランブルプラムケーキ。別名、シュトロイゼル-ツヴェッチュケン-クーヘン。Streuselzwetschgenkuchen。沢山プラムがあるとき、作りたくなるケーキです。先日、ミュルベタイク、クッキー生地の作り方を書きました。今日はその生地を使って、プラムケーキ。ちょっと長いので、3回に分けまする。ドイツでは、濃い紫色のプラムは二種類に分かれます。一つはまん丸、ボールに近い形のプフラウメ(ン)Pflaume(n)もう一つは、ラグビーボールのような形のツヴェッチュケZwetschge。お菓子によく使われるのは、ラグビーボール型の方です。このラグビー型、地域によって呼び方が違っていて、私の住んでいるところはツヴェッチュケ。そのほかに、ツヴェッチュゲ(ン)、ツヴェッチェ(ン)、綴りもZwetschge, Zwetsche、 Zwetschkeとバリエーションがあります。このツヴェッチュケは、プラムの原種なのだそうです。東の方へ行くと、アイアープフラウメ(ン)Eierpflaumenと呼ばれるそうで、これは卵形のプラムという意味です。昔もこんなことを書いたような。最近、旧東独地域出身の学友に、あなたのところではツヴェッチュケはなんていうの?といったら、「たまごプフラウメ。」といってたので、その語感がかわいいなぁとおもいました。プラムケーキには、リンゴケーキと同じくらい、いろんなバリエーションがあります。たとえば、プラムだけの、上に何も載せないケーキは、少し甘めに砂糖を加えた生クリームを添えると、酸っぱさが生クリームの甘さで調和されておいしいです。プラムだけの場合は、二つ割りにしたプラムの上にブラウンシュガーの角砂糖を載せて焼くなどということもできます。上にシュトロイゼル(クランブル)を載せて焼くなら甘さも十分。生クリームがなくても十分においしい。私が先日作ったのは、シュトロイゼルを載せるバージョン。というわけで、今日はシュトロイゼルのバージョンを。2に続く。
2009年07月31日
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簡単だ―。の、天板ケーキのもと生地。底の抜けるスプリングフォームでも、ピザ用の丸版でも大丈夫。余ったら、生地は冷凍できまする。ミュルベタイクというのは、日本でいうとクッキー生地かな。ドイツ語でミュルベというのは、ほろほろ崩れる感じの柔らかさを指します。辞書で引くと、柔らかいとかかいてあるけど単に柔らかいんじゃない。リンゴが古くなると、柔らかくて、もろもろ、くしゃくしゃした食感になるでしょう?しゃりしゃり・・・とはちょっと違う、柔らかいけどなめらかじゃない。まとまっていた個体が、ほろほろ崩れる感じとでもいうかなぁ。あれが、ミュルベのひとつの感触です。そして、ミュルベタイク、クッキー生地はバターが増えれば増えるほど、この「ミュルベ感」が増していきます。クッキー特有の、ほろほろ、さくさく感が増すってことですね。さて、配合です。黄金(基本)の配合といわれているものがあり、砂糖:バター:小麦粉の割合が、1:2:3です.砂糖が1としたら、バターは砂糖の2倍、小麦粉は3倍。クッキー生地にはベーキングパウダーは入りません。だけど、これを入れ慣れている人は、どうしても、爪の先ほど入れてしまう。入れたら、気持ち、ふくらむんですけどね。がちがちになるのを防いでくれるという方が近いのかな。でもこの生地は、ベーキングパウダーのふくらみ方で生地に空気を含ませようとしていない。だから、本当は、いらないんです。そういうふくらみを持たないのが当たり前。同じ空気を含むのでも、ほろほろと崩れるような、さくさくと食べやすい柔らかさ。そんな焼き上がりの生地です。砂糖・バター・小麦粉の配合生地でも、キッシュみたいな塩味生地に使われることがあります。そのときの配合は、また改めて。さて、砂糖・バター・小麦粉以外の材料ですが、時々、卵1個とか、卵黄3個とか、生クリームとかを入れるとかいてあります。これらは、すべて、こねやすくするための補助剤だと結構いろんな本に書いてあります。ということは、そうなんでしょうね(笑)私はだいたい、卵1個を使います。ただ、ルバーブケーキなど、メレンゲなどに卵白を使うケーキでは卵黄が余るので、それを入れています。卵黄を入れると、ちょっと生地が締まるかなぁ。でも、それは気のせいかも。ルバーブケーキのミュルベ生地は、たとえばここに書くプラムケーキの生地に比べてちょっとバターが少なめです。だから、ちょっと堅めなのかもしれない。さて、砂糖100gバター200g小麦粉300g卵1個を使った生地は、だいたい、天板で1枚半から2枚分になります。直径26センチ型だと、下に敷くだけでなく、周りの壁もできる。でも、日本で直径26センチ型を使うことは滅多にないですね。これを、すべて、半量で作っても、大丈夫。そのときは、卵は抜きでも。それか、卵黄だけを使ってみてください。私はルバーブケーキを作るとき、卵黄だけを使っています。卵1個を入れると、少し生地が柔らかくなりすぎたりするので。代わりに生クリームを少しだけ入れたりしてこねやすさを追求してみてください。ちょっとラム酒を入れてもいいです。ただ、濃度の高いお酒を入れると、なぜか焼き上がりの生地はどちらかというと堅めになります。さて。材料を量って、ボールに小麦粉はふるって、バターはなるべく冷えて固いものを、できるだけ細かく刻んで入れます。後はこねるだけ。最初はもそもそしていますが、次第になめらかになってきます。指の間についたバターが、小麦粉とくっついてはがれて、一つの生地にまとまっていくまで、こねるべし、こねるべし。最初の方は、ばらばらでもそもその材料を手、もしくは専用ミキサーでまとめるように、混ぜてはまとめ混ぜてはまとめ。最後の方は、粘土を押してこねるように。周りにぼそぼそ落ちていた粉がなくなってきて、生地が一つにまとまって、表面がぴかぴかしてきたら、涼しいところで寝かせてあげましょう。普通は冷蔵庫に入れます。できれば1時間以上。バターと砂糖と小麦粉がなじむまで。時間がないときも、少なくとも30分はお願いします。私は今回、生地だけ作って焼いている時間がなくなったので一日寝かせておきました。そして作ったのはプラムシュトロイゼルクーヘン。それはまた、次の機会に。
2009年07月29日
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ドイツケーキで引き続き、楽しみましょう。今日は再びフランクフルター・クランツFrankfurter Kranz。多くの、より年配のドイツ人が、ドイツケーキの定番というケーキ。ドイツ語のカテゴリーではトルテTorteに入ります。 どうして年配の人がとか、そんなことを書いた日記はちなみにこちら。フランクフルタークランツのことを書いた日記。 そして前回のフランクフルタークランツ日記では、皆さんが体験感想コメントを下さっている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて、この日曜日は、少し離れたところに住んでいるお友達が旦那さんと会いに来てくれた。部屋探しと大家とのストレスから少し逃避。 ゆうこさんは、ドイツでパン職人の修行を重ね、マイスター試験に合格して、マイスターとして働いてこられた方。日本人でパン職人マイスター資格を持っている方は、ごくわずか。すごいことです。そのゆうこさんと食べたケーキは、後日アップすることにして(済まぬ)、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 今日はフランクフルター・クランツFrankfurter Kranzの写真、先日、一つしか載せている暇がなかったので、それも含めて再掲。こちらはフランスのouistiti姉さんが遊びに来てくれたときに、カフェで食べたもの。バタークリームについては、前回既に説明しました。この三段に挟まったクリームと、外側に塗ってあるクリーム、全てがバタークリーム。ただし、家庭で作る場合は軽めにするために、バタークリームとプティング、つまりカスタードクリームを半々くらいで混ぜたりします。しかし、この小ささで、お腹が一杯で食べられなくなるほどのボリューム。ぴかままさんによれば、彼女が食べたものはこれよりずっと大きかったらしい。まあ、このお店のものは、どんなケーキにしても、「すごくでかい!」という大きさではない。 日本のものに比べれば標準以上の大きさといえるだろうが、 ドイツの中では普通から小さめだろう。 フランクフルター・クランツFrankfurter Kranzの特徴の一つは、背側についたこのクロカント。これが、自分で作るとなると、結構面倒くさい。それでも、ドイツのいわゆる「よくできた主婦」は、これを手作りするんだなぁ。いわゆるよくできた主婦というのは、伝統的なドイツ社会のモラルに乗っ取って模範的な、家事一般を得意とする既婚女性。クランツ型というのは、日本では王冠型とも訳されている。或いはエンゼルケーキ型。ただ、日本のエンゼルケーキ型だと、結構真ん中の穴が小さい。クロカントKrokantは、外側だけでなく、内側もたっぷりと丁寧に、がお約束。 そういえば、クロカントは英語ではブリトルというらしいが、フランス語から来ているらしい。刻んだナッツに、バターと砂糖をちょっと炒って色づけしたものをまぶすというか作り方としては、バターを溶かして、そこに砂糖を加え、ほのかに色が付くまで待って、そこに刻んだナッツ(こちらでは既にそれようの細かく刻まれたナッツを売っている)を加え、適当に混ぜる。黄金色っぽく、美味しく色づいたところで火から下ろして、油を引いたバットなどに広げて、冷やす。まあ、大体固まるので、後で砕くんですけど。ナッツは好みで様々。安いのはヘーゼルナッツ。私は外のナッツに比べるとあまり好きではない。次にポピュラーなのはアーモンド。後、クルミでやったり、ピーカンナッツ(ドイツ語ではペカン)という、平たい大きめのアーモンドみたいなナッツでやったり。 で、手作りのクロカントって人によって、とても味が違うんだ。美味しいものはほんとに美味しいんだけどね。ものによっては、・・・ごめんなさいというものもある。食べるだけならいくらでも批評できるが、実際に作ると割と難しい。レシピが信用できるもので(これ大事)手間を惜しまないでゆっくり作れば、いつかは美味しくできると思うんだけど・・・。まあ、最近全然作らない私がどうこう言っても失礼ですから(笑)
2008年03月30日
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久しぶりに、ドイツケーキをテーマにしてみました。これから先しばらく、ドイツケーキのテーマは、お店で買うものが中心になります。その代わり、写真が撮れたら写真をアップ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 南西ドイツはいきなり温かく、春の日差し。ケーキの講演においでいただいて以来お世話になっているご夫婦のところで、木曜日に、お茶とケーキをいただいた。アイアーシェッケ。Eierscheckeと書く。東ドイツの名物で、このあたりでは、知らない人もたくさんいる。本当は、天板に大きく作って、切り分けるのだけれど、このお店では、丸型で焼いている。 このお店の経営者は、ドレスデンあたりのご出身らしい。それで、ケーキも東ドイツ名物が混じるのね。アイアーシェッケの特徴は、クヴァルクと呼ばれる、ほのかに酸味のあるフレッシュチーズ。写真で見ると、真ん中の層。これが、まあ、チーズケーキのチーズみたいな感じで挟まっているのですが、ちょっと黒っぽく見えるのは、レーズン。普通のチーズケーキよりも軽い感じです。台はクッキー生地。上は、焼き上がりにアーモンドスライスを載せて、砂糖を振ってあるのね。以前に書いたフランクフルタークランツFrankfurter Kranzと比べたら軽めの感じで、大きさは2倍近くありますが、一切れ、食べきることができました。でも、お腹一杯になってしまった。お昼が少し遅めで、これは少し早めのお三時だったのです。家が居心地がよくないだけに、 気のいい方々のところで、心から招かれているのだと思うと、ほっとします。温かい気持ちに包まれて、久しぶりに、ほっとできた一時でした。
2008年03月29日
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穴埋め先月に、パリからお友達が心配してきてくれた。そのときに、カフェに行って、そういえば、フランクフルター・クランツFrankfurter Kranzを食べようと思って食べていなかったなと注文したのでした。バタークリームのね。一切れは、こんな形です。以前に、フランクフルタークランツのことを書いたんだけど写真がなかったので、お友達のカメラを借りて。続きはまた後で。
2008年02月08日
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穴埋め日曜に、人に会える予定が入るとほっとする。今日は、お友達二人とお茶を飲みに行く。ケーキはドイツ風リンゴのシュトロイゼル。間にプティングが挟まっている。日本風に言えば、カスタード。 翻訳は一息。
2008年01月27日
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以前、黒い森のさくらんぼケーキというドイツのケーキについてちょろっと書いた。ちなみに、ドイツ語ではSchwarzwaelder Kirschtorte。トルテというんですな。しかし、ドイツ語のトルテは、日本で言う「ケーキ」とほぼ同義。 こちらですが。誰が作ったんだよーとか、そんな話。生まれは旧首都のボンの一画、バード・ゴーデスベルクだとか、いや、そこはヒントがあったところに過ぎないとか、そして、テュービンゲンやロイトリンゲンという町で生まれた可能性もあると言う歴史家もいる。で、これまで調査した限りでは、黒い森のサクランボケーキって、このあたりではとても有名。更に、標準的な手作りケーキの本には必ず載っており。ケーキ屋に行って、このケーキがないところは、滅多にお目にかからない。これはこれまでで歩いた、西でのお話。で、最近、東ドイツでは、「シュヴァルツヴェルダー(黒い森)」なんていわねーよ」という声を耳にしたの。面白い。 シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテという種類そのものがないのか、それとも、ニタヨウナモノはあるけど、そうは呼ばないのか、興味があります。知ってる方、よろしかったら教えてください(ぴかままさんあたり、詳しそう)。こちらでは、黒い森のサクランボケーキのことを、単に「シュヴァルツヴェルダー(黒い森の)」としか言わない人も時々いる。それで話が通じるのである。そして、さくらんぼトルテという、黒い森のサクランボケーキの後半部分だけを言うと、それは全然違うサクランボケーキになるんどす。さて、地方によってこれが違うとすれば、面白い。というのは、この黒い森のサクランボケーキは、家庭でもお祝いの際に作られる傾向があり、 他方で、職人技としても有名なモノの一つ。更に、最近では、冷凍メーカーも乗り出して、全国的に販売しているようでもあるんだけど・・・ということはですね、職人業で作られるものというのは、全国的に広まりやすいという傾向をもち、更に、各種メディアや料理本も含めた活字力の宣伝力や、全国的な菓子メーカー(手作りから冷凍品まで)の品揃えの伝播力もいまではかなりすごいモノがあると思うんだけどでも、東ではそういうこともないのかしら・・・。情報を待つ。そして、いろいろなところにお住まいの皆さん、そちらでの情報もお待ちしております(^^)
2007年11月17日
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穴埋め。この日は、優子さんに誘って頂いた、ドイツでパン・菓子職人修行をした人の集まりがあった。村のパン焼き小屋で、パンやケーキを焼いて交流を図ろうというものだ。パン焼き小屋でパンを焼く様子は、優子さんが紹介している。普段はこんな感じ。論文が詰まっていたのだが、これだけは参加しようと以前から決めていて、遊びに行ってきた。職人さんは、やることがてきぱき、手早い。その場では、ツヴィーベルクーヘン(タマネギケーキ)、ピザ、果物を乗せた甘い平たいケーキ、プラムケーキやリンゴケーキ、 更に更に、なんと、あんこ入りのツオップフ、編み込みパンも作られた。ドイツでは貴重なんです。あんこ。 これが、あんこがねじり混まれて焼かれているので、アンが、所々カリカリに焼かれ、また、香ばしい風味に。素晴らしい。玉葱ケーキ、ツヴィーベルクーヘンは、アルザス風で。フラムクーヘンと呼ばれるものに近いかな。生地は、薄いピザのように、薄く薄くのばし、そこにサワークリームが基盤のソースを乗せ、細切れにしたベーコンと、炒めた(炒めてあったかな?)玉葱を散らして焼くタイプ。ツヴィーベルクーヘンとピザを焼いている間、私は SAWAKOさんに乗せてもらって、駅までトイレに行っていたので20分位で帰ってきたらもう、玉葱ケーキのいい匂いとピザの素晴らしい色合いが。優子さんに「どこにいってたの??」と聞かれてしまいました。いや、だって、パン焼き小屋にはトイレは付いていないのよ・・・。(想像はしてたんですけどね)。村のパン焼き小屋は、いまはパンを焼くことだけが目的なのと、更に、焼きに来るのは村の人なので、トイレに行きたくなったら、普通は自分の家に帰ればいいのです。美味しい美味しい。そして、それまで寒くて雨だったのに、天候も少し温かくなってくれて、いい一日。そして、パン焼き小屋で焼いたパンですが、これがすごいんだ。私は、市販のライ麦パンは結構ぽそぽそしてるし、酸っぱいしと、あまり好きではないのですが このパンは、しっとりしてるし、酸っぱくないし、美味しいの。バターをちょっと塗っただけで、すごいごちそう。 更に、2週間経っても、黴びない、乾かない。美味しく美味しく食べられる。 これについてはどこかで改めて書くつもりですが、昔の人は、パンを焼く日が決まっていて、2週間に一度という人もありました。もちろん、経済状況とか地位とか、そんなのに左右されているので、大金持ちは頻繁に焼かれたパンを食べていたと思います。市民階級は、週に一度、二度という感じだったみたい(市民階級の幅は広い)。でね、二週間もパンを取っておいたら、どんなにカチカチなんだろうと思ってたの。いま、市販のパンを二週間、おいておいたら、とてもじゃないけど食べられない。それが、このパンは、食べられたんです。もちろん、皮は固いけど、中はまだ、しっとり。びっくりしました。そうか、美味しくて日持ちがするパンて、あるんだ・・・。目から鱗のパン体験でした。もちろん、パンの材料に寄るので、貧しい人のパンが二週間後にやっぱり美味しかった保証は、ないのですけれど。
2007年09月29日
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穴埋めです。今日は再び、食べるドイツケーキ。チェリーとココアとナッツを使って、ドイツケーキに典型的なずっしり型のクーヘン。今日のおやつ。いや、昨日と明日。先日、トロイプレスクーヘンをごちそうになったことを書いたが(詳細はこちら→ケーキを食べるのもほどほどに、かしら。)月曜日(10月15日)再び彼女のところへ。午前中お客があったとかで、「実験してみたのよ~」と、これまた大きく切ってくれたのがこのサワーチェリーココアクーヘン。名前だけで大体 材料を物語っていますが、あと、ナッツがたっぷり入っています。多分アーモンドを粉にしたもの。上掛けの粉砂糖は、全体にかかっていたんですが、持ち帰る間に、サワーチェリーの部分の砂糖は溶けてしまった模様。ドイツでは、お菓子に使うチェリーは大抵サワーチェリー。かの有名な、シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ、黒い森のサクランボケーキに使われるさくらんぼも、これ。シャッテンモレレン(Schattenmorellen)というのだがこれは日本語ではスミノミザクラというらしい。酸果桜桃と書くんだそうな。ということは、日本にもあるのかしら。 瓶詰めで売っているのを買って、ケーキ型一つに対して一瓶使うことが多い。 瓶詰めの会社によって、入っているチェリーの大きさが違う。大きい方がいい感じがするけどねぇ。。。だけど、安いから小さいとか、大きい粒だから高いということはないのです。さて、写真は持ち帰ってきたものを撮影。おしゃべりしている間に一切れいただいた後、帰る間際にまた一切れ切ってくれたのでした。 以前書いたように、彼女はリンパ腫瘍の治療中なんだけど、ほんと、活動的。そして、私の論文の一部を読み、直しをしてくれました。やっぱりジャーナリストのリライトは、少し違うものがある。あと、200ページ位あるけど、全体をみてもらうことは可能なのかな。と尋ねたら(元々、それが可能かどうかということでの15枚だった)、やれるところまでやりましょう~ということだった。素晴らしい心意気。ありがたい。いろんな人に助けられて、完成に向かっている。まだ、自分で書く分が残っているので全然安心できないけど。 最終章と導入部がまだなのだ。
2007年09月14日
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先日、写真 手作りのプラムシュトロイゼルケーキでシュトロイゼルクーヘンについて書きましたが、このときのシュトロイゼルはきめ細かで、日本のパン粉に近い細かさだったんですね。シュトロイゼルとは、ちなみに、ケーキの上に載ってる、ぽろぽろとした日本で言えばクッキー生地に近い材料を配合してあるものです。 シュトロイゼルクーヘンて、今のドイツではかなりポピュラーな、素朴なケーキで家庭で作られるケーキのうち、もっとも代表的なものの一つなんですが、もともとはドイツ中と言うよりは、地域的にシュトロイゼルクーヘンがあるところ、ないところというのがあって、人によって、シュヴァーベンには昔はなかったとか、いやあったとか、話が違うんですけどこれはバターと砂糖が使えなければ作れないので、そうそうどこにでもあるものではなかったような気がします。そういえば、20世紀初め頃の料理本にもあまり載っていなかったっけ。さて、シュトロイゼルの細かさについてですがあとでそのことについて話しかけたら、彼女はそれが好きだと言うことで、わざわざ細かなシュトロイゼルを作るために、こちらで「ゼンメルブロェーゼル」と呼ばれる、要するにドイツ版パン粉を、小麦粉量に対して1対3から1対2位の割合で加えているということでした。そうすると、写真のように細かくなるらしい。逆に、シュトロイゼルをぼこんぼこんと大きめに作りたいときは、バターをどっさり入れるとつくり易し。そして、生地は、混ぜれば混ぜるほど、さらさらになり、ほろほろと細かくなっていきます。混ぜるときに私は手でやります。スコーンを作るときのはじめの要領と同じでバターは最初から小さく刻んだり、すりがねで下ろしたりしたものを、指先で、擦るように細かくして、時々小麦粉と混ぜ混ぜ。
2007年09月09日
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今日のおやつ。今日といっても19日。フランス風リンゴのトルテ。フランス風だからタルトかと思ったら、おふらんすのMao姉さんから、これはタルトではないと。いやー、ドイツのトルテって、守備範囲がほんとに広い。え、ドイツケーキのサイトじゃないのかって?だから、ドイツケーキですけどフランス風。元はフランスのリンゴトルテレシピなんですけどそこにマルメロのゼリージャムを塗ってあります。 大家の娘さんから再び。私からはかぼちゃのカレーとシチューを。物々交換。 小さめに見えるのは、写真を撮る前にさくっと食べてしまったので ・・・食べかけの写真・・・よりも、一切れ切り取った方がいいかと。元の大きさは皿からはみ出るかというくらいの25%増しだった。 こちらは上から見た写真。マルメロゼリージャムの光沢がよりよく分かるかと思ったんだけどあまり上の写真と変わらないかしら。マルメロは、西洋カリンともいわれ、ドイツ語ではdie Quitte(n). クゥィッテ(ン)という、不思議な発音の果物。 食べ方はカリンとほぼ同じ。あ、でもカリンはコンポートにするにはアクが強すぎるかな。よくあるのは、ジュースをとって、ゼリー状のマーマレードにするもの。ぴかままさんのところで作られていました。このタルテ(と娘さんは呼んでいた)、ドイツ語にするとトルテですが、生地はリュゥ(ル)タイクと呼ばれるもののを少し変形させてある模様。しっとりとして、美味しかったです。その上のリンゴは、うすーく、薄ーく。焼き上がったところに、マルメロのゼリージャムを塗ってできあがり。薄いので、ぱくぱくと食べられました。疲れた脳にありがたい栄養です。
2007年09月07日
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先日、シュトロイゼルがとても細かいドイツケーキを紹介した。 写真付きのシュトロイゼルプラムクーヘン。えーと、プラムのクランブルケーキ。今更もう一度写真は載せませんが、シュトロイゼルがそぼろどころか、大きめのパン粉のようだったのね。で、その後娘さんに会って、聞いてみたんですが小麦粉の半量を、ゼンメル粉、もしくはPaniermehlと呼ばれるドイツ版パン粉に置き換えているのだとか。彼女は細かいシュトロイゼルが好きらしく、というより、シュトロイゼルのバターの重さが、ぼてぼてとしたシュトロイゼルでは余計に重たく感じられるとかで、これを防ぐために細かくしたいらしい。まだ研究の途中だとかで、もしかして、パン粉の量を四分の一に減らせるかも・・・といっていた。 反対に、シュトロイゼルを大きく作りたいときは、バターを多めにして、捏ねる時間をなるべく短く。ほんとにごろんごろんというシュトロイゼル(これはもう、そぼろとは呼べない)を作りたいときは、バターを溶かしバターで加えると良い。というんですが、これはシュトロイゼルが湿った感じがして、 確かに重いので、 個人的にはあまりお勧めしません。お暇な方は、どうぞいろいろ試してみて下さい。
2007年09月02日
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ドイツケーキ文化について。 えー、ドイツではケーキを朝ご飯にするんですか? と、日本では言われそうですが、 (いや、最近ナンデモアリか) ドイツでは、甘い朝ご飯というものがあり (昼飯でも、夜ご飯でも時々あるけど) 要するに、ミューズリーに甘いヨーグルトと牛乳でも甘いし、ミューズリーにドライフルーツやチョコレートが入ってるのもあるし コーンフレークもチョコレート味なんてあるし (それでダイエットって言うのもあるし) パンにジャムやチョコスプレッド。 これも甘い朝食です。 これなら日本にもあるべぇ。 そういえば、酔眼先生にあんパンを指摘されて思いましたが、おはぎとか、きなこ・あんこなどを用いるもちの食べ方は甘いですね。 で、朝食にドイツケーキ。 ドイツ人でも、 うぇえええという人と 大、大歓迎!という人に分かれます。 地方として、朝食ケーキがいいもんだと根付いているのは 東のテューリンゲンやザクセン地域。 これらの地域には既に19世紀に朝ご飯にケーキを食べる習慣がありました。ある程度裕福な都市の市民は、朝ご飯(2度目の朝ご飯というのもあった)を食べにパン屋によって、好きなものを選ぶ。という、地方ではちょっと難しかったり、 お金がないとできないことをやっていました。 私がよく引っ張っているWiegelmann先生はこの習慣を元に、これらの地域では「午後3時のお茶のみならず」朝ご飯にまでケーキを食べる習慣があると分析していますが、これらの地域で、午後のお茶と朝ご飯とどちらにより早くケーキを食べる習慣が根付いたのかは不明です。最初から、「ケーキは午後のお茶に」というイメージがあると外の時間帯にケーキを食べる習慣を見てもどちらが先だったのか、そもそも片方は存在していたのかということを考えなくなったりします。ただし、私は東ドイツは専門ではないので、そのあたりは謎のままです。朝ご飯にケーキですが、どっしりした、生地そのものを楽しむタイプのドイツケーキは、パンに似ているものがあり、それは、例えばバナナブレッドを考えてもらうと、ちょっと納得がいくかもしれません。 そして、朝ご飯にケーキ。という場合には、こちらのタイプの方が、生クリームたっぷりのケーキよりも、多い気がします。しかし、価値観が多様化している現在、ナンデモアリということもある・・・。 ああ、それでもって、なんでお題かというと 昨日のプラムのシュトロイゼルクーヘンの件が・・・。 次の日記に回そう。
2007年08月23日
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皆様、アイアークーヘンについて、いろいろ、面白い情報をありがとうございます。これぞ、民俗学!という感じでござります。ドイツのお菓子からドイツの地理をかいま見ると申しましょうか。で、せっかく皆様が書いて下さったものをまとめたいんですが、ちょっと今、時間がない。というわけで、お伺いを立てます。chibirinさんはユーハイムのアイアークーヘンの味をご自分で!ということでしたが、ユーハイムのアイアークーヘンに一番近い味のレシピはどれか、結構、気になっている私です。これを食べたことのある方、是非、「これはこういう味に近い」という具体的なレポートを頂けませんか?これまでは、「杏ジャムを塗ってあり、洋酒が効いていて、卵たっぷり、しっとり」という情報を頂いております。しかし、実体を想像するには、まだまだ…。実は、私自身で焼いたことのある一番卵の多いドイツケーキのレシピは小麦粉200gに対して、「6個」なのでございます。卵8個に小麦粉ちょろり、やってみたいですが、怖いです。Akkoさんはお義母さんのプファンクーヘン、どんな味だったのでしょうか。今日、1910年ころに流行りだした、屋内式のオーブンがなければ焼けなかったという菓子、今で言うクグロフのハシリですが、これがやはり、卵1個につき、大さじ1の砂糖と小麦粉を入れるというレシピでした。使う卵は全部で10個から12個。やってみたい。しかし、不味かったら残りはダレが食べるんだろう。一つ、気づいたことがありまして、アイアークーヘンという名前が使われている地域。ドイツの結構大きな地域でベルリーナーと呼ばれているお菓子があります。ドーナツの一種なんですが、これは、ベルリンでは、一般に、ベルリーナーとは言わず、プファンクーヘンというのです。又、ベルリンに限らず、別のところでは、ベルリーナー・プファンクーヘン、もしくはベルリーナー・クラップフェンともいいます。どんなお菓子かというと真ん中をくりぬかずに揚げた丸いドーナツで、中にジャムが入っています。生地はイースト生地です。ジャムは、地方によって異なり、中部や北の方は、ハーゲブッテと呼ばれる、野バラの実を煮詰めてジャムにしたもの、シュヴァーベン地方では、ラズベリージャム、バイエルンではアプリコットジャムなどという情報を頂いています。まあ、今ではいろいろなバージョンがありますが。前振りが以上に長い。失礼。で、これに関連して、ベルリーナーをプファンクーヘンと呼ぶところでは、ホットケーキ、パンケーキを「アイアークーヘン」と呼ぶということに、気がつきました。(中身それだけですか)すんません、それだけです。しかし、アイアークーヘンについて、もうチョロちょろっと述べると、1.ポルトガルから来た、Pao・de・lo,パォン・デ・ローという、カステラの元になっているというお菓子は、ドイツ語でアイアークーヘンと訳されています。1.スウェーデンにはも、アイアークーヘンらしきものがあり、これは洋酒をたっぷり入れて作るという情報を得ました。時間ができたら追っかけます。皆様も、どうぞ、情報提供をお願いいたします(^^)/
2007年04月27日
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オーブンのあと新聞記事で立ち止まっています。風邪がぶり返した模様で、いかん。今日は、立ち止まる日でした。立ち止まってはいられないんだけど・・・。で、実践編は、まだしばらく空です。実践といってもケーキを並べるわけではなく、実際の人々とケーキの間柄を述べていくことになります。歴史が終わってからになるので、しばらくは埋まりません。
2007年02月09日
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