しがないリーマンの徒然HobbyLife!

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ムラサメ戦記第一話



 C.E(コズミックイラ)73、地球を襲った未曾有の危機。ザフトの旧コロニーであるユニウスセブンはザフトのテロリスト、サトーらによって地球に落下する手はずであった。しかし、ザフト新造艦ミネルバを中心とした活躍によりそれは阻止された。ただ、砕かれたユニウスセブンの残骸は流星の如く降り注ぎ、地球に甚大な被害を与えたのである。また、ザフトとの協調を潔しとしないブルーコスモスは、この期とばかりに、民に対しザフトへの怒りを煽り、地球全土を結託させようと躍起になっていた。そして、同じく被害を受けていたオーブ首長国連邦もまた、今まで中立を保ってはきたが、地球連合との共存を望むセイラン家の強い意志もあり、同盟を結ぶに至った。
 時は移り、オーブ本島オノロゴ島。オーブ代表カガリ・ユラ・アスハの不在中、ユウナ・ロマ・セイランを総司令官としたオーブ軍であったが、ミネルバとの激戦の末に壊滅的打撃を受け、ユウナは命からがら逃げ帰っていた。また、撃沈したオーブ旗艦タケミカヅチの乗組員を乗せたアークエンジェルも密かにオーブに入航していたのであった。ブルーコスモスの盟主であるロード・ジブリールは“ブルーコスモスこそ戦争の主原因である”とのザフトのプロパガンダにより窮地に立たされ、オーブに逃げ込んでいた。「ジブリールなどという人物は存在しない」というユウナの軽率な発言を受け、ザフトの侵攻が今まさに始まろうとしていた。



ーーーーーオーブ地下格納庫内。

 薄暗いドック内で、照明の光だけを頼りに機体を点検している一人の男がいた。
名はショウ・マツカゼ。“蒼天のカゼ”の異名をとるMSパイロットである。
本来ならば、彼がやるべき仕事でもないのだが、彼の性分がそれを許さないらしい。

「まったく、セイラン家のヤツはどうしようもないな。」
俺は、パイロットスーツを着込みながら、ひとりごちたつもりだった。

「ええ、私も同感です。隊長。」
俺の小隊に属するリョウスケ・ミズサワが俺の愚痴を見逃さなかったようだ。

実際、オーブ兵の誰もが同じ気持ちなのであろう。

地球連合との同盟。

それは平等を意味しない。

彼らの手足となって酷使されるのだ。

しかも・・・だ。今の司令官が折り紙つきの木偶の坊ときている。

彼に足りないのは何か?

人徳?品位?明晰性?

そのいずれでもない、“覚悟”。そう、“覚悟”が欠如しているのだ。

少なくとも、その点ではカガリ・ユラ・アスハが勝っているであろう。

彼女は、自ら前線に赴き指揮を執る。

それだけでも兵士の志気は高ぶるものだ。


「・・・・しかし、もっとも大きな痛手はトダカ1佐を失ったことだな。」
俺はリョウスケの方に向き直り、そう答えた。

 俺自身、あの方には尊敬の念を抱かずにはいられない。

俺が軍に入隊してこの方、多くのことを学んだ。

 だが、大切なことは技術的な面ではない。

大切な人を守るということ。自分の居場所を守るということ。

どれだけ多くの敵を倒せるかは、さして重要ではないと。

今、まさにそれが試されようとしているのだ。


「一佐がご存命なら、「オーブ軍は国の存命をかけて戦え!」と、きっとおっしゃるでしょうね。」

まるで、俺の心のうちを読むかのようにリョウスケは告げた。

「ああ、そうだな。お前の言う通りだ。俺たちこそ、迷いがあってはならない。」

「どんなに上が・・・・オツムなしでも・・・な!」
しばらく俺たちは笑い合った。

状況は、思ったより悲惨だった。

ザフトのMSが本土への上陸を開始したというのに、出撃命令が下りない。

(セイランは、あんなこども騙しの嘘が通用するとでも思っているのか?)

俺は、命令を待たず発進することを決意した。

ドックに整然と並ぶ、戦闘機形態のムラサメ5機。

 うち1機は俺の機体で、スカイブルーのパーソナルカラーで塗装されている。他4機の両翼は所属部隊を示す、ブルーのラインで彩られている。

 俺は、すべての機体を眺め終えると各員に伝えた。

「今入った情報によると、我が軍の指揮系統は混乱している模様だ。このままではまずい。何より市民の避難が済んでいない。我々で、できる限り敵を撹乱するぞ!」
「了解!!」
ここにいる者の思いは同じだ。皆、祖国を守るために軍に入ったのだ。


 俺たちは素早くコックピットに乗込むとOSを起動した。いつも通り、特に異常はない。ただ、画面上に映し出されるオーブのエンブレムが、いつもより眩しく感じられた。 

格納庫のハッチが開け放たれ、眩い陽光が差し込み、辺りを包む。

俺は操縦桿を握り締めた。

外界へと伸びるレーン両脇のライトが点灯し、誘導員により発進を許可する合図がなされる。


「マツカゼ隊、ショウ・マツカゼっ!ムラサメ発進するっ!!」
強かなGが体全体に打ち寄せ、機体は一直線に滑り出す。
そして眩しいばかりの光を受け、機体は駆けていった。

まるで空へと吸い込まれていくかのように・・・・・
murasame_ma.jpg
次回に続く。(本編との齟齬も多少はあるかもしれませんが多めに見て頂けると助かります。今後設定等もアップする予定。)

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