しがないリーマンの徒然HobbyLife!

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ムラサメ戦記第四話

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ムラサメ戦記 第4話 「刹那の攻防」

前方に立ちはだかるバビは、胸部中央に配した複列位相砲を放ち、再びMAに変形した。
「あちらも可変型ですか。厄介ですね。」
リョウスケは、攻めあぐねていた。
「まあ、待て。あっちが仕掛けてくるのを待つんだ。」
俺達は、機関砲とビームで牽制し、一定の距離を保ちながら、敵の周囲を回る。

―――――次の瞬間。
ついに覚悟を決めたのか、バビが一気に距離を詰め、前方に突出したビーム砲で攻撃
仕掛けてきた。
俺は即座に機体を寝かせ、旋回しながら敵の背後に回る。リョウスケは逆方向から回りこみ、その退路を断つ。
そして、ムラサメをMS形態へと瞬時に変形させると、ビーム・ライフルを2発撃った。
放たれた光弾は、バビの主翼を貫通し、機体は姿勢を崩し墜落していった。

しかし、それで終わりではなかった。バビのパイロットが援軍を呼んでいたのだ。
「仕方がない。リョウスケ、付き合ってくれるか?」
返答は予測できたが、一応確認してみる。
「無論です、蒼天のカゼ。どこまでもお供しますよ。」
(今回は一本とられたな・・・・)
俺はこう言ってやった。
「頼もしいな。リョウスケ、俺にかまわず自由に動いていいぞ。」
「了解!!」
リョウスケから歯切れの良い返事が返ってきた。

俺は機体を急上昇させた。
既に新手が近くに居ることはレーダーから明白だったからだ。
敵は3機だったが、うち2機が同じように上昇してくる。
「また、バビか。いいだろう、相手になってやる!」
俺はさらに機体を上昇させる。
もっとも、重力に逆らった行為なのだ。気分がいいものではない。
その間も、相手は攻撃の手を休めないが、俺は機体を右へ左へかわしながら耐えた。
敵も飛行型とはいえ、機動性ではこちらに軍配が上がるのだ。

――――今だ!!
その刹那、ムラサメはMSに姿を変え、それと同時に上昇がストップする。
相手は、突然の変形に対処できない。
それは、必然的といえる。
戦闘機形態への可変スピードは、可変型MSの中では最もムラサメが速いのだ。これは、オーブ軍製MSの性能が優れていることを示す指標でもある。
俺は、MA形態のバビを頭上から踏みつけ、下降しつつ、振り向きざまにビーム・ライフルを放った。
機体の姿勢を崩されたうえに、至近距離からの攻撃は避けられるはずも無かった。
打ち抜かれた機体はそのまま落下していった。
 しかし、残念ながら一息入れる猶予はなかった。
「おいおい、急くなよ。」
僚機を失ったバビは、以前にもまして強硬な攻めの姿勢をとった。
MS形態に移行し、持てる火力の限り撃って来る。
だが、敵の方が上方にいるため、こちらから攻撃をするのは中々やりづらかった。
俺はバレルロールを行い、それらの攻撃を柔軟にかわす。
 その後、スラスターを弱め、急激に下降した。一瞬だが、機能を停止したかのようなフラットな状態になる。
 敵機との距離が空き、バビも急速降下してきた。
俺はその時を見計らい、一気にグリップを引き上げムラサメを急速上昇させる。
「いつまでもお前と遊んでられないんだよっ!!」
すぐに立場が逆転し、上を取った俺は下降体制にしつつ、ライフルと高エネルギー砲を連射した。その状態のまま、相手と接触するほどまで続ける。
バビの機体はパーツごとになるまで次々に打ち据えられ、悲惨な様相を晒した。

× × × × × × × × × × × × × × × × × × × × 



一方のリョウスケもまた、上空でのドッグファイトに突入していた。
「くらえっ!」
フロントアーマーから射出されたミサイル“ハヤテ”は、白い軌跡を描きながら相手目掛けて突き進む。
バビは、天地を返してそれらをひらりとかわした。だが、リョウスケの狙いは単発攻撃ではない。
「甘いですよ。」
リョウスケは、その刹那の僅かな隙を縫い急速接近し、ビーム・ライフルを放った。
その一撃は、敵機の動力部を貫通し、地上に落ちるのを待つまでもなく爆散した。
その光景は、まるで煙が大気と混ざり合うかのような一瞬の出来事であった。

俺達は、それぞれ始末を付けると合流した。先ほど連絡を取った仲間の一団も一緒だ。
靄がかった視界を潜り、海上に鎮座する敵艦を目指す。その間にも、辺りからは爆音が聞こえてきた。
「困ったものだな、先方はオーブを潰す気らしい。最早、ジブリール云々の問題ではないな。」
「ですね。それにしてもソイルさん達は大丈夫でしょうか?」
リョウスケの懸念も理解できる。両軍ともに大量のMSを投入し、実際激戦の様を呈していたのだ。
「なぁに、あいつらはそう易々と落ちるたまじゃないさ。」
今はあいつらを信じるしかない。思いだけでどうにかなるとも思えないが、勝負の決め手となるのは気力にあることも確かだ。
そう思っていた矢先だった。
「隊長!敵襲です。」
リョウスケの通信を受け、前方に目を凝らすと、青い機体が姿を現した。
(グフ・イグナイテッドか。Xナンバーがロールアウトされたとは聞いていたが、早速の量産機か?)
現在、戦線に大量投入されているザク・ウォーリアはザフトの次世代機コンペティションに競り勝った機体だ。総合能力と武装拡張性において軍配が上がったと聞く。一方のグフは、大気圏内の単独飛行能力に加え、高い格闘戦能力が買われていたが、癖のある機体ゆえにお蔵入りしたという代物だ。ただ、その性能を惜しむ声も多く、最近になって見直されたというわけだ。もっとも、赤服を中心に配備されたと聞いたのだが。
(なら、なおさら注意が必要だな・・・・・)
近接戦に持ち込まれれば、おそらく不利になるだろう。

――――そんな時であった。
俺の前に一機のムラサメが現れ、グフに戦闘を仕掛けようとしていた。他の部隊の機体だ。
変形したムラサメは一定の距離をとりビーム・ライフルを構えた。しかし――――
グフの手首の辺りからスレイヤーウィップが射出され、蛇のようにしなりながらライフルに巻き付いた。
そして、グレーだったムチは赤色を発し、火花が散ったかと思うと粉砕されてしまったのだ。まるで、金属疲労によってひび割れる様を早送りしているかのようだ。
グフは、ムラサメの動きが一瞬止まったかと思うと、左腕シールド内部からテンペスト・レーザー対艦刀を取り出し、真っ向から切り伏せた。
袈裟懸けに切り裂かれた機体。対抗する間隙もなかった。鋭利な切り口がそれを物語っている。 
諸刃の剣。あれはビーム・サーベル以上の代物だ。あんな物をまともに受ければ一溜まりもないだろう。

「油断するなよ、リョウスケ。今までの連中とは訳が違う。」
「ええ、おっしゃるとおりです。下手に近づけませんね。」
一連の動きを観察していたリョウスケも、そのことをよく理解しているようだった。
相手は、不気味に光るモノアイをこちらに向けると接近戦に入る構えだ。
手始めに、腕部に装備されたビームガンで牽制しつつ期を窺っている。
(そう思うようにさせるか。)
 俺は、両翼部に配したミサイルランチャーを使った。放たれた弾頭は、白い噴煙を上げながら敵に迫る。順に放たれるミサイルは、空に美しい曲線を描いている。
(電撃属性の武器、それにあのパイロット、厄介だな・・・・)
勿論、これで決まるとは到底思ってはいない。グフは予想した通り、様々な方向にベクトルを伸ばし、空中を滑るように平行移動する。ビーム・ライフルを織り交ぜての攻撃だが、巧みにかわされた。
今度は一転し、グフがスレイヤーウィップで連続攻撃を仕掛けてくる。近づけば絡め取られる上に電撃だ。
しかし、逆にムチが伸びきった時がチャンスでもある。前腕と一体化している上、ムチを戻すときには必ずスキができるからだ。
俺は、次の攻撃を待った。案の定、ムチをしならせ攻撃を仕掛けてきた。無論、狙いは悪くないが、こちらも空中戦には慣れている。俺は、スラスターを吹かせ、ほぼ真横にスライドしてかわした。

―――――今だ!!
俺はその間隙を突き、急速接近する。
しかし相手は、右腕のムチを引き込む反動によって、今度は左腕のムチが放たれる。

――――しまった!!
そう思ったが回避が間に合わない。俺は防御を選択した。
だが、破壊されたのは俺の機体ではなかった。
「隊長。油断大敵ですよ。」
上空から放たれた光がグフの左腕を強かに打ち抜いた。リョウスケだった。
「すまん、助かった。」
俺は、すかさずビーム・サーベルを抜き、無造作に一閃、二閃する。
細切れにされた対象物はスクラップと化し、空中から降り注ぐが、地表に届く間もなく爆散した。
(いやはや、コイツを連れてきて正解だったな・・・・)
「まったく、持つべきものはいい部下だ。」
俺は、正直にそう言ってやった。

だが、安心したのもつかの間、また数機のグフが接近して来ていた。

× × × × × × × × × × × × × × × × × × × × 

―――――その頃、ザフト艦ミネルバも戦闘配備に入ろうとしていた。艦内では、発進を待つザフトの最新型MSデスティニーと、オーブに対し並々ならぬ憎悪をたぎらせるシン・アスカの姿があった・・・・・

                              ――――――To be continued


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