勝手に最遊記

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A Rose Prison ―2―


悟空は驚きの声を上げた。

匂いを頼りに進んできた所、目の前に大きな洋館が現れた。

白い、古びた洋館。

何よりも、洋館を取り囲むように咲き誇っている

紅い薔薇が目に飛び込む。

“咲き狂っている”

そんな言葉が似合うような薔薇達が

我先にと言わんばかりに

白い洋館と白い霧の中を

赤い花びらと、香水のような香りで、存在を主張している。

「・・これは、また・・・。」八戒も言い淀む。

「綺麗だけど・・・。」桃花は言葉を切った。
“綺麗だけど、恐い。”良く判らない感情に戸惑う。

「この洋館に、人って住んでんのか?」
悟浄が高い門の間から、中を窺う。

「薔薇は手入れが必要ですから・・。
多分、住んでいる人はいらっしゃると思いますけど。」
気乗りしないような顔で八戒が言った。

「カギは掛かってないみたいだぞ。三蔵、どーする?」
悟空が門に手を掛けながら聞いた。

「仕方ねぇ。・・・行くぞ。」
三蔵が中に歩を進めた。


玄関まで両脇を薔薇が囲っている。
その間を歩いていくのだが、『・・・・やっぱ恐い。』

両脇の薔薇達が、此方を見ているような錯覚を覚える。

思わず足を止めた桃花に、皆が振り返った。

「どうした?桃花。」
青ざめている桃花の顔を、悟浄が覗き込む。

「・・なんかさ・・」言いかけて、口を噤んだ。

洋館の扉が、開いたのである。




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