勝手に最遊記

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Gag Story Change ―9―



「・・・すっごく疲れたんですけど。」三蔵が椅子になだれ込む。

「誰の所為何ですか?余計な物まで、もらってくるからですよ。」
悟空が少々、言葉に刺を含ませながら言った。

「ゴメンってば~。ちょっと、調子に乗りすぎたなーって反省したんだから。」

※ココに、悟空に説教を喰らう三蔵と言う、世にも珍妙な図式が出来上がった。


「あーっ?三蔵と俺・・悟空。帰ってきてたんだっ。」
ノックもせずに、八戒が顔を出した。

「八戒ちゃん・・。悟浄君は?」三蔵が聞いた途端、悟浄が顔を出す。

「キューッ!」嬉しそうに、悟空にすり寄る悟浄。
「はいはい。淋しかったですか?」愛おしそうに悟空が話し掛ける。

           「「・・・・・・・・・・・・・・・。」」


             『絶対・・・・変だ。』

           三蔵と八戒が、嫌な汗を掻いた。


「・・で?桃花とジープは?」三蔵が八戒に聞いた。
「さぁ?外出したきり帰って来ないし・・。俺、昼寝してたから。」
あんま腹、減らないんだよな~と、呑気に八戒が言った。

「・・三蔵ったら・・あたしの体でドコ行ってんのよ~。」
三蔵が喚いた途端、

「勝手なこと、言ってんじゃねぇ。」桃花がイキナリ顔を出した。

「あーやっと帰ってきた・・って、アンタ!何やってたのよっ!?」
三蔵が驚くのも無理はなく・・桃花の体は傷だらけの埃まみれだった。

「・・チンピラに絡まれたんだ。いつもの事だろ。」しれっと桃花が言う。
「うわわわわ~!酷い・・人の体だと思って・・!」三蔵が半泣きになる。

三蔵は、ジッと桃花を見つめ・・・黙ったままだ。

『・・・嫌な予感がする。』さすがに野生の勘か、ジープが怯える。
アイツが・・桃花があんな時って、ぜって~突拍子もない事、ヤルんだよな・・。

そう、ジープが思った瞬間、
「じゃっ!俺も、好きに使わせてもらうわ。・・この体v」
ニカッと三蔵が笑って、悟浄の手を取った。

「悟浄!・・ってゆーか、ジープちゃんっ!・・ちゅーしよう?」
三蔵が悟浄を“誘った”

八戒がズッコケ、悟空が目を見開き、ジープが床に落ちて、桃花が・・
「何、言ってやがる・・!」青筋を立てた。
自分が悟浄に迫っている姿なぞ、見たくもない。

基本的にジープは桃花に懐いているので、特に抵抗もない。

ただし、ジープの中の悟浄は・・『止めろ~止めてくれ~っ!!』悶えている。

「さっ!二人きりになれる所に行こうっ。」そのまま部屋から、走り出る二人。

「お前らぁっ・・!」桃花が後を追い、飛び出す。
「キューッ!」巻き込まれた、可哀想なジープも後を飛び出す。

残された悟空と八戒。

「なぁ・・いいのかな、ほっといて?」心配げに八戒が呟く。
「・・良いんですよ、いつもの事ですからv」悟空がゆっくり、微笑んだ。



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